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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
続3・夢のお告げで問題解決?『やってきたC11鏡筒』
2024年09月20日
|
機材
(
前回記事
までの あらすじ )
8月のある日、
雲上
(
くもがみ
)
は天体写真仲間から使っていない大きな反射鏡筒をもらってくれないかと誘いを受ける。
手持ちの赤道儀には荷が重すぎると最初は断ったが、
「引き受けてくれなければ捨てるしかない」と言われ、家に持ち帰った。
やってきたのは口径28㎝もある30年くらい前の米国製の
C11
という鏡筒。
あまりの大きさと重さに持ち帰った事を後悔したが、他の仲間からのパーツの提供もあり
ついに腹を固めて みずからも不足していた物品の購入を行い、赤道儀への搭載を試みるに至った。
しかし結果は 鏡筒の重さに耐えかねて妻に助けを求め、なんとか赤道儀に搭載するという みじめな結末となった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜の事
(正確には
翌日早朝
)
空が白み始めたころ レム睡眠から目覚めた
雲上
は直前に見た夢を思い出していた。
( これ以降はディズニープラスで感化された
SHOGUN
モードから抜けて・・ )
これまでも 作成中のブログ記事のタイトルが定まらなかった時などに
早朝のうたた寝で”ふっと” 浮かぶことはあったのですが、
今回は夢の中でこんなイメージが浮かんできました。
睡眠中でも頭の中では昨日の失敗の解決策をいろいろ考えていたようです
忘れない内にと朝食を済ませるとすぐに夢で見たイメージを再現してみました。
室内で実際に検証してみたところ、そう単純ではない事がわかってきました。
以下は室内での検証を繰り返した結果たどり着いた 実行可能な手順を整理したものです。
C11鏡筒
搭載
手順
搭載手順 ①
スチール三脚を低くした
EM-200赤道儀
の横に、踏み台、
C11鏡筒
を並べて置く
(踏み台の上の本の役割は後ほどわかります)
搭載手順 ②
踏み台に
C11鏡筒
を乗せる
搭載手順 ➂
赤道儀の赤経・赤緯の固定ハンドルをフリーにして、アリガタの向きを鏡筒のダブテールバーの向きに合わせる
搭載手順 ④
アリガタの向きが合ったら、鏡筒(ダブテールバー)を少しづつ押し込んで、アリガタの固定ノブをしっかり締める
(
*
これがなかなかうまくいかなかったのですが、その理由はアリガタを目いっぱいゆるめてもダブテールバーの幅とほぼ同じためで
今後は並行に押し込むのではなく、まず
片側を入れ込んでから もう片側を入れる
とうまく行きそう )
搭載手順 ⑤
アリガタがダブテールバーを均等にしっかり挟んでいることを再確認する
(指さし呼称で
アリガタ ヨシッ!
)
搭載手順 ⑥
ここで赤道儀のバランスウェイト(5kg×3個)を取り付ける
搭載手順 ⑦
鏡筒側とバランスがとれるように、ウェイトの位置を調整する
搭載手順 ⑧
バランスを確認しながら、手でゆっくり鏡筒を持ち上げ向きを変える
(バランスがとれていれば、わずかな力でスムーズに鏡筒が動いてくれるはず)
(
*この時の鏡筒の前後のバランスは、スチール三脚と踏み台の高さで決まるため あらかじめ調整しておく必要があります
)
ここまでできれば
C11鏡筒
の搭載は無事完了したと言え、あとはいつもどおり
EM-200
赤道儀
本体の設定
EM-200赤道儀
の極軸望遠鏡を使って北極星で「極軸設定」を行う
続いて
ステラショット
を立ち上げて、赤道儀の「天頂」設定を行う
ステラショット
での設定
鏡筒を天頂にむけ
ステラショット
の「天頂」設定を行う
( 鏡筒を「天頂」に向けるには水準器を使っています )
これ以降は
ステラショット
を使って撮影対象の導入・撮影を行う
C11鏡筒
取り外し
手順
搭載した時と逆の手順で行えばよいのですが、途中うっかりすると大変危険な工程があるので掲載しました。
取り外し手順 ①
手で鏡筒の向きを変えながら、横に置いた踏み台にゆっくり着地させる
取り外し手順 ➁
鏡筒が着地している事を確認して赤道儀の赤経固定ハンドルを緩め、バランスウェイトを外していく
(
*最初の検証で15kgのバランスウェイトを付けたままで鏡筒を外して、とても怖い思いをしました!
)
取り外し手順 ➂
赤道儀のバランスウェイトが外れている事を確認して、
(指さし呼称で
ウェイト
ナシッ!
)
アリガタの固定ノブを緩めて鏡筒を引き離す
取り外し手順 ④
これで
C11鏡筒
取り外し完了
以上のように夢のおかげで、体力を使わずに重いC11鏡筒を安全に搭載する方法が見つかったのですが、
この方法が、夜中に しかも設置場所である屋外のスロープでもトラブルなく実施できるかは
実際にやってみないとわかりません。
= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =
先日 今回の記事の掲載に先立って「上越天体写真友の会(J-APA)」の月例会で
お世話になった皆さんに今回のC11鏡筒の搭載方法について報告させていただきました。
今週は雨続きで屋外での設置の検証はできそうにないのですが、
ネット検索すると、シュミットカセグレンのミラーシフト問題や
密閉鏡筒ゆえの温度順応に時間がかかるなど、やっかいな問題が山積み。
もともと持っている鏡筒たちが”やきもち”を焼かない程度に
気長に付き合ってあげることにします。
昨年4月から月例会で利用してきた施設が閉館になるための記念撮影
年は取っても気持ちは若い、頼りになる面々です
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