先週の土曜日、2次会で福岡市中央区今泉の小さな小料理屋というか食事処に数人で入った。
一見さんはまず来ないだろうなという感じの小さな古いビルの3階に、その店はあった。
中は座敷テーブルとカウンターで20人は入れそうだったが、収容人数に比べこぢんまりとした感じだった。
我々の仲間の一人が行きつけというか、その店のママとは山登り仲間だといっていた。
正確に言えば山登り仲間が一度山に連れてきた仲間で、店に来るのは今回が二度目ということだから、馴染みとはいえないようだ。
「おばさんが一人でやっている店だけど行ってみますか」
「おばさんっていくつぐらいですか」
「30代ではないかと思います」
「30代でおばさんは失礼でしょう」
「いや40前ですよ。おばさんじゃないですか」
「40前後ならお姉さんでしょ」
そんな会話を交わしながら店に入った。
ドアを開けて中に入った時からちょっと変わった店だった。
ママは愛想がいいわけでも、悪いわけでもない。
まるでアルバイトの女性のような、どこかオドオドしているというか、まだ水商売になれてないというような態度だった。
我々はすでに前の店で飲み食いしていたので、もう飲み物しか飲まなかったが、そのうち一人がメニューを眺めながら
「生ゴミのかき揚げって生ゴミを天ぷらにしたやつですかね?」
と言うから全員顔を見合わせた。
「かき揚げは天ぷらだけど、生ゴミをかき揚げにしてどうするんだ」
「いや、メニューに書いてあるんですよ」
「まさか! 生ゴミを出すわけないだろう」
「いやー、でも、ちゃんとそう書いてあるんですよ。ね、ママ」
「生ゴミといっても三角ゴミに捨てる前の物ですよ」
とママ。
当たり前だ。捨てた物を拾ってかき揚げにして出されたらたまったものではない。
一体どんな物か一度食べてみるか、とは誰も言わなかった。
よく見るとほかにも変な名前のメニューが結構あったが、ほかは皆忘れた。
ブラックユーモアだろうと思ったが、ママの顔を見ると存外マジかもしれないと感じた。
その瞬間なぜか、旅人を泊めて夜中に包丁を研ぐ鬼婆の日本昔話のシーンを思い出してしまった。
そうだ、なにかこの店が変だと思ったのは、ママの目が笑ってないからだ。
何も食べなくてよかった。
帰る時密かにそう思った。
北海道まるごとお届け!!産地直送友の会
11月のお勧めは6種類の海鮮を贅沢に盛った「海鮮しゃぶしゃぶ」
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中は座敷テーブルとカウンターで20人は入れそうだったが、収容人数に比べこぢんまりとした感じだった。
我々の仲間の一人が行きつけというか、その店のママとは山登り仲間だといっていた。
正確に言えば山登り仲間が一度山に連れてきた仲間で、店に来るのは今回が二度目ということだから、馴染みとはいえないようだ。
「おばさんが一人でやっている店だけど行ってみますか」
「おばさんっていくつぐらいですか」
「30代ではないかと思います」
「30代でおばさんは失礼でしょう」
「いや40前ですよ。おばさんじゃないですか」
「40前後ならお姉さんでしょ」
そんな会話を交わしながら店に入った。
ドアを開けて中に入った時からちょっと変わった店だった。
ママは愛想がいいわけでも、悪いわけでもない。
まるでアルバイトの女性のような、どこかオドオドしているというか、まだ水商売になれてないというような態度だった。
我々はすでに前の店で飲み食いしていたので、もう飲み物しか飲まなかったが、そのうち一人がメニューを眺めながら
「生ゴミのかき揚げって生ゴミを天ぷらにしたやつですかね?」
と言うから全員顔を見合わせた。
「かき揚げは天ぷらだけど、生ゴミをかき揚げにしてどうするんだ」
「いや、メニューに書いてあるんですよ」
「まさか! 生ゴミを出すわけないだろう」
「いやー、でも、ちゃんとそう書いてあるんですよ。ね、ママ」
「生ゴミといっても三角ゴミに捨てる前の物ですよ」
とママ。
当たり前だ。捨てた物を拾ってかき揚げにして出されたらたまったものではない。
一体どんな物か一度食べてみるか、とは誰も言わなかった。
よく見るとほかにも変な名前のメニューが結構あったが、ほかは皆忘れた。
ブラックユーモアだろうと思ったが、ママの顔を見ると存外マジかもしれないと感じた。
その瞬間なぜか、旅人を泊めて夜中に包丁を研ぐ鬼婆の日本昔話のシーンを思い出してしまった。
そうだ、なにかこの店が変だと思ったのは、ママの目が笑ってないからだ。
何も食べなくてよかった。
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