栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

赤城農相辞任で一件落着とはならない。

2007-08-01 17:50:45 | 視点
 赤城農相が今日辞任した。
安倍首相が首相官邸に呼び辞任するよう求め、それに応じて辞任したようだが、遅きに失した。
遅きに失したというのは辞任した赤城農相のことではない。
辞任を迫った安倍首相の方だ。

 赤城氏は不明朗な事務所費の明細について明らかにすべきで、まず辞任ありきではない。
いわんや、これで幕を引こうとしているならとんでもないことだ。
 安倍首相の方は何を今更という感じである。
当初、あれだけ赤城氏に代わり弁明に終始し、守ってきたのに、今ごろになって参院選に負けたのはお前のせいだ、とばかりに辞任を迫るのは、桝添議員が言うように「とかげのしっぽ切りみたいな感じで、かえってマイナスイメージになる」だろう。

 ただ、自民党内にはまだまともな神経の持ち主もいると見え、自民党総務会では「割りを食う青木幹雄参院議員会長が辞任して、敗北の原因を作った側がそのままというのはおかしい」(加藤紘一氏)、「『私を選ぶか民主党の小沢一郎氏を選ぶか』と訴え、その結果、小沢氏が勝った。挙党一致では説明にはならない」(石破茂氏)、「参院選で政権選択を迫ってしまった。道は一つしかない。ご決断した方がいいのではないか」(野田毅氏)、「続投の発表が早すぎる。議論を順序立ててする必要がある」(深谷隆司氏)という意見が続出したのがせめてもの救いだろう。

 たしかに赤城農相がもっと早く辞任していれば状況は変わっていたかもしれないが、状況を悪化させたのは他ならぬ安倍首相本人である。
赤城氏に限らず、それ以前の問題閣僚も当初発言を問題視せず守ったのも安倍首相自身である。
つまるところ、今回の敗北の原因は安倍首相自身ということになる。

 結局、赤城農相の辞任、内閣改造で一件落着とはいかないだろう。
ジタバタした挙げ句に追い詰められて安倍氏本人が辞任ではなんともみっともない。
「美しい国」づくりどころか、見苦しい動きである。




パーソナルコミュニケーター“mylo”ホワイト
( 49017808450843)
小型軽量ボディにフルキーボード搭載。ワイヤレスLANでインターネットコミュニケーションが楽しめるパーソナルコミュニケーター“mylo(マイロ)”ソニースタイル限定販売にて新登場!