労働者派遣法改正案は、足掛け5年(この間に政権交代あり)に及ぶ紆余曲折を経て今年3月に衆参両院で可決され、この10月1日から(「直接雇用申し込みとみなす制度」についてのみ3年後から)ようやく施行された。
今回の改正点のうち、派遣労働者を受け入れる側として特に注意しておくべきなのは、「日雇い派遣を含む短期派遣の原則禁止」についてだろう。
これは、日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣を禁止するものであり、“ワーキングプア”解消策の一つとして当初から盛り込むことを前提で審議してきた、言わば“改正法の目玉”だ。
この件に関しては一部に誤解されている向きもあるようだが、今般禁じられたのは、あくまで“労働者派遣”についてであって、会社が“直接雇用”するのであれば、日雇いや短期での労働契約自体が違法となるわけではない。
ただし、会社が直接雇用する場合は、単に賃金を直接支払うだけでなく、当然、雇用に伴うリスク(雇い主に課せられる各種の法的義務や民事上の使用者責任等)も発生することは承知しておくべきだが。
また、短期派遣のすべてが禁止されたわけでもない。次の3種類に該当する場合は、例外的に短期派遣が許されている。
(1) 専門性の高い業務として政令が定める18業務
(2) 60歳以上の者
(3) 昼間学生・生業収入のある者・主たる生計者でない者(いわゆる「アルバイト」)
これまで労働者派遣を利用してきた業態においては、こういったことを正しく理解したうえで、「今後労働力をどのように調達していくか」を考えなければならない。なお、その際には、先ごろ公布された労働契約法の改正項目やパートタイム労働法の改正に向けての動き等も踏まえておく必要があるだろう。
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