今年もインフルエンザシーズンが到来した。
12月1日、厚生労働省は、平成29年第47週(11月20日~11月26日)の定点あたり報告数が1.00を上回ったため、流行シーズン入りを宣言した。
ところで、従業員から、家族がインフルエンザに罹った旨の報告を受けたら、会社としてどのように対処したら良いだろうか。
従業員本人がインフルエンザに罹った場合、それが鳥インフルエンザ(A属H5N1型)または新型インフルエンザであったなら、そもそも就業してはならない(感染症予防法第18条)。
それでも本人が無理して出勤してきたら、会社としては、本人の健康と周囲に伝染させないという両面を慮って、やはり休ませるべきだろう。こうした場合には、就業規則や労働協約等で賃金を補償する特約を設けていない限り、法律上は、賃金を支払う義務は無いとされる。
しかし、インフルエンザに罹ったのが家族であった場合には(それが鳥インフルエンザや新型インフルエンザであったとしても)、従業員本人を休ませるべきかどうかは悩ましい問題だ。
本人も感染している疑いが濃厚であるとは言え、それでも本人が就労するつもりであるのに会社が休業を命じた場合には通常の賃金が発生するからだ。少なくとも休業手当(平均賃金の6割以上)を支払わなければ、労働基準法違反にも問われることになる。
詰まるところは本人の意向も踏まえたうえでの“経営判断”ということになってしまうが、このようなケースでの報告方法や休業命令のルールは、できれば事前に就業規則等に明記しておくのが望ましい。
なお、そのルールを作るに際しては、個別の対応にとどまらず、爆発的流行(パンデミック)において従業員の大多数がこれに該当してしまうケースまで想定した対処方法を考えておくべきだろう。
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