同一の業務に労働者派遣を受け入れられる期間は、「専門26業務」や「産休・育休代替要員」等を除き、原則として「1年間まで」とされている。
1年を超える労働者派遣を受け入れようとする場合は、予め労働者の過半数を代表する者(労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその組合)に対し、派遣を受けようとする業務・期間等を書面で通知し、その意見を聴かなければならない。これによって、派遣受入れ期間の上限は「1年間」から「3年間」に延長される。
この意見聴取は、行政機関への届け出は不要であるが、労使間のトラブルの火種となる例も少なくないので、不備の無いようにしておきたい。
まず、意見を聴くべき「労働者代表」は、「派遣受入れ期間についての意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票・挙手等により選出された者」でなければならない。職場の親睦会長が自動的に労働者代表になるとか、時間外労働に関する労使協定(三六協定)締結のために選出された労働者代表から派遣受入れ期間についての意見も聴取する(このケースが最も多い)といったものは、適正な選出方法でないので、その意見聴取自体が無効となってしまう。
そして、意見聴取を行うにあたっては、通知してから意見を聴くまでに充分な考慮期間を設けなければならず、また、「派遣受入れ期間が適当でない」との意見が出された場合には、「その意見を勘案して再検討する」または「会社の考え方を説明する」といった対応により、労働者代表の意見を尊重するよう努めなければならない。
もっとも、労働者代表から反対意見が出されたとしても、適正な手続きで意見聴取されている限り、派遣受入れ期間の上限は延長される。
であればこそ、誠意をもって従業員の理解を得られるよう努めるのが会社として望ましい対応と言えるだろう。
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