


昨日の驚くような銀世界ではないけれど、
今日は違った意味で、ハッとする刹那の空に。
空気は澄み、くっきり、ハッキリした冬の空です。
それに思ったほど寒くはありません。
室温は2桁、11度ありますから。雪と言えば・・。
あの三浦綾子の代表的な作品、『氷点』。
もうすっかり忘れていましたが、次のような件(くだり)があったのですね。
何気にパラパラめくっていて発見しました。
昨日の雪では私も同じような事を思ったものですから、思わず笑ってしまいました。

(略) ・・・ 「おにいさん」 陽子は徹をふりかえった。 「なあに? 陽子」 徹は陽子の顔がひどく淋しそうなのに驚いた。 「雪って清らかね。おにいさん」 「ああ・・・」 「だけど、香りがないのね」 「こんなに一面積もっている雪に 香りがあったら大変だよ、陽子」 徹が笑った。つられて陽子も笑った。・・・ (略) 【三浦綾子著 「氷点」 より】 |


ところで、今日も三浦綾子の事。その熱、未だに冷めやらぬ・・といった処でしょうか。
引き続き、大作 『海嶺(上中下)』 を読み進めています。
今、上巻の3分の2を読み終わった処。
時は、江戸・天保時代。舞台は帆船(千石船、宝順丸)。
タイトルからも容易に想像出来ますね。
主人公の生まれ育った場所も三浦綾子には珍しく北海道ではありません。
愛知県の知多半島。伊勢湾に面した小野浦という小さな港町です。
江戸に向かっていたこの船は今丁度、遠州灘で難破し、漂流している処です。
船と言っても江戸時代の事ですから、ある意味命がけの航行であったようです。
最後には、アメリカまで漂着するようですが、
江戸時代の男たちの壮大な海のドラマ。この先どうなるのか・・興味津々です。
そうそう先日の茶香炉。今日は珈琲を入れてみました。(珈琲は少々の水で湿す)
これ、イケます。それに珈琲の仄かな香りと一緒の読書は最高。
この分でしたら今日中に上巻、一気に読めそうです。