【シェルブールの雨傘】
1時間ばかり雨と風に襲われて、 私は陽気に跳ね回っていたが、 丁度モンジューヴァンの沼の畔に立つ 瓦葺きの小さな掘立小屋の前に来た時は、 太陽が又顔を見せたばかりで、 それが放出する金箔は驟雨に洗われて、 再び空や木々の上や小屋の外壁や まだ濡れている瓦や、雌鶏が歩いている 屋根の上できらきらと輝いていた。 (中略) 水面と壁の表面に、空の微笑に応えるかの 如く青白い微笑みが浮かぶのを見て、 私は熱に浮かされたように、 閉じた傘を振り回しながら叫んでいた。 【プルースト作 「失われた時を求めて」】 |
こちらは又々、雨。断続的に降り続いています。
ただ再三、申していますが、今年は連日降り続くという事が
ありませんので、随分助かっています。
そんな事もあり、雨音に耳を傾ける心の余裕も。
“意外に癒やしの音だわ・・” ~なんて。
今、急に雨脚が強くなり、
部屋の中も薄暗くなって来ました。
こんな日は明るく楽しく、
「シェルブールの雨傘」 気分で。
それには手っ取り早く、
音楽がいいかも知れませんね。
カトリーヌ・ドヌーブの
「シェルブールの雨傘」、
それに続く、
「しあわせの雨傘」 の 【CD】 を。
それにしても雨に咲く華、
とりわけ薔薇の花は美しいですね。
折角ですので今日は、
手持ちの傘を並べてみました。
薄暗かった部屋に、パ~ッと
薔薇の花が咲き、途端に華やかに。
特別意識して、薔薇の傘を
求めたつもりはありませんが、
薔薇に限らず、花柄の傘は多いのでしょうね。
そうそう1番上の傘は、表面が無地(ゴールド)で、
内側が薔薇模様になっています。
傘をさしている本人が薔薇を楽しめますものね。
1番下の赤い傘は、抽象的な薔薇。
こんな風に傘の写真を撮ったのは初めてですが、何だか愉快です。
雨を喜ぶフランス人のように、
傘をクルクル回しながら歩いてみるのもいいかも知れません。
そう言えば子供の頃、そんな風にして歩いた記憶が・・。
ただし、人通りの少ない所で、ですね。
もう少し雨が小やみになりましたら、
そこら辺を傘をさして散歩に行ってみましょうか・・。