【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

夏の薔薇へのオマージュ

2012-07-16 16:53:16 | 薔薇の追憶





【淑女の薔薇】





天頂には 青空 が開けた。
いつか図書館の美術全集で見た
フォンテエヌブロオ派の天井画風な、
気取った吝嗇りんしょくな青空。
思わせぶりな雲と共に、
抒情的に装ったこの青空は、
決して夏の空ではない。                
   【三島由紀夫著 「天人五衰」 ~ 『豊饒の海 第4巻』】








   


   今日も昨日同様の炎天の空となりました。
  猛暑日も2日目。昨日以上の暑さです。

   この暑さで長らく咲いていたパンジーも、
  さすがに終焉を迎えたようです。もう7月ですものね。

   枝を伸ばせば切り詰め、又、そこから新芽。
  そんな繰り返しでおよそ10ヶ月。
  “御苦労さま!” と心から言いたい気分です。

   ところで本当に久し振りの空の写真。
  写真は午前11時頃の空ですが、今視界にある空は雲一つなく真っ青な空。

   昨日から感じていた、陶器のような硬い空とは
  こんな空だったのか・・と思ったり。
  (勝手に夏の空に硬い空は、あり得ないと思っていましたから)

   それにしても今日の三島由紀夫の空の描写。
  『アンの世界』 のそれとは違った意味で素晴らしいな・・と。

   「吝嗇な青空」 に 「思わせぶりな空」・・。
  これらの語彙(ごい)には、やはり惹かれてしまいます。







【バニラ色の薔薇 ~ 「白い貴婦人」】



   


   さて、暑さに滅法強い薔薇。  
  ただ、蕾から開花までのスピードは早く、息つく暇もありません。

   庭で開花したものを花瓶に挿し、それから何日も楽しめた、
  あの春の日がまるで遠い昔のよう。もう少し遡って・・

   晩秋の薔薇に至ってはこれ以上伸ばす首がない程、
  その開花を待ち侘(わ)びましたっけ・・。

   ところで今日の薔薇。昨日はまだ堅い蕾でしたのに。
  それこそ一夜にして開花。リラ版 「淑女の薔薇」 ですね。

   薔薇は白もいいけれど、紅もいい。
  白に接すればその清(すが)しさに心を洗われ、紅にはその格調高さに心酔う。

   いいえ、いつ見ても、どの色も厳粛で華麗。
  1輪でも堂々と咲き、群れればより重厚感を増す・・。

   「たかが薔薇、されど薔薇」。
  薔薇の一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)に心を奪われています。