猿ヶ京関所の敷地内にある、
50cmほどの小さな祠。
《やる気稲荷》と書かれた立札には…
このお稲荷さんを拝むと
“やる気が出てくる”と書いてある。
この文を、むかし話ふうに語ってみると…
『むかしむかし、関守の家の婆さまが、
やる気のない孫を心配して、立派な関守りになるようにと寺に修行に出したんじゃ。
毎日、庭石に座り、寺の方向に向かって祈り続けたそうな。
その甲斐あって孫は立派になって帰ってきたんじゃが、
その時には、
なんと、婆さまの身体は、
いつのまにか凝り固まって石になっとった…。
関守の孫は、哀れに思い、
石になった婆さまで祠を造り、お稲荷さまを祀ったところ、
やる気のなかった関守の孫だけでなく
関所の足軽も、雑役も皆んなやる気が出るようになった。
それだけじゃぁないんじゃ。
村人だけでなく旅人も、皆んなやる気が出るようになったんじゃと…。
今でも、受験や勝負する前にこの“やる気稲荷”に詣ると、
やる気が出るようになるんじゃと。
めでたしめでたし…』
ちっとも目出度い話ではないではないか!
この祠は、
お婆さんが凝り固まって庭石と一体化した“石”で造られているらしい…
(ー ー;)
そう言われてみれば、
お婆さんが、ちょこんと正座しているように見えなくもない…
お詣りすれば、
“やる気”が出るらしいが、
その前に、
このストーリーのインパクトの強さに圧倒されてしまって、
お詣りするのを忘れて、写真だけ撮ってきた。
本当は怖い、日本昔ばなし。
くわばらくわばら…。