声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

石見人トシテ

2020-07-06 05:24:00 | 最近の話題
「島根だから出雲大社ですよね!」

というのが昨夜の『ポツンと一軒家』での女性タレントの言葉…

確かに、

島根というと出雲大社を思い浮かべる人が大半だが、


島根は

出雲地方と石見地方とに分かれている事は、

あまり知られていないらしい…


最近は個人情報の問題もあって

どこであるかが特定できないように

工夫しているらしく、


最後まで、集落がどこなのかわからなかった…

が、聞き覚えのある言葉だった…。

私の出身地に近い、

明らかに石見地方の方言だ。


ウメダという姓のアクセントは

共通語だと平板だが、石見弁では頭高になるし、

「世話ない」という言葉は

字幕スーパーではそのまま『世話ない』となっていたが、

本来は“大丈夫”という意味で使う。


映し出されたのは、

山間部の小さな限界集落である。

住民は6人、取材は昨年の秋だろうか?

もと住人が帰ってきても10人に満たない少人数で営まれる祭りの全貌を、

番組は取り上げていた…

農作物の恵みに感謝する新嘗祭だ。

神輿を担ぐ人がいないのを

軽トラに乗せて太鼓を叩きながら集落を廻り、

年に一度の祭りを維持している…

なんと涙ぐましいことか。
(T . T)

ひとり暮らしの老女を心配して助け合う生活が

当たり前のように、そこにはあった…


そういえば、

今年喜寿を迎えた従姉が、

「近所の人が、いつも手伝ってくれるんよ」

と言っていたが、

番組で映し出されたのは、まさにそんな生活だった。


他人の好意を信じて疑わない日常が、
そこにはあった。

日本一、長生きの高齢者が多いのも頷ける。

ここ数年、
里心が強くなっているというのに

このコロナ禍で、帰省しづらいせいもあって
故郷がますます遠ざかっている…

複雑な思いを抱きながら眠った。


今朝は、

雨音で起こされたが、

まだ昨夜の里心を引きずっているらしく、

目覚めと同時に、

かの文豪が最期に残した言葉を思い出した。

『余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス』

森鴎外が死の三日前に友人を呼んで託した言葉だが、

その日が、

奇しくも今日、

7月6日なのだそうだ。

チラシは

津和野にある森鴎外記念館で今月開かれる講演会。






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