咲夜もユキちゃんが2階のベランダに登ってきた。
ニャオニャオ鳴いて私を呼び起こすのは、いつもの事だ。
ユキちゃんは、やはり飼い猫になりたいのだろうか?
自由に外で遊べる方が生きやすいのではないかな?
Halに追いかけられる毎日じゃ、イヤだろうに。
咲夜も妙な夢をみた…
「今度から注意してください」
と後輩から言われた。
「はい」
と答えたところで目が覚めた…
イヤな夢だった。
映画のワンシーンを切り取って、コメントをつけて15分程度の短い番組を作るのが自分に与えられた仕事だった。
本番は当日の夕方なのに、
まだ編集作業が終わらない。
それどころか作りかけた番組のデータも、どこにあるのか見つからない。
たぶん、この辺だと思いながら探しているが時間だけがムダに過ぎていく。
(このままでは間に合わない)
そう思っていると、後輩が手伝ってくれると言う…
彼女は確かフリーランスだったはずだが、
現実の世界では接点が少ない。
出てきた場所は、
昔お世話になった関西のラジオ局だ。
雑然とした場所でビルの何階にあったか忘れたが、
技術さんの顔に見覚えがあった…
もう何十年前の事だったか…
結局、本番に間に合ったのか間に合わなかったのか…結末は不明だが、
あの後輩の冷たい声が耳に残っている。
もう、
そんな仕事をする事もないのに。
時間に追われるなんてまっぴらゴメンだ。
(~_~;)