録画しておいたEテレの特集を見た。
分福(ブンブク)という変な名前のミックス犬がいる特養があるらしい。
分福は元保護犬らしいが、施設で飼われている事で、多くの高齢者に可愛がってもらっている、いわゆるセラピー犬でもある。
しかも、彼は特殊な能力を持っていると言う…
入所者の死期が近づくと、
亡くなる直前に部屋にやってきてベッドに上がり、身体をスリスリさせたり顔を舐めたりする…
分福は《看取り犬》と呼ばれている。
専門家は犬独特の嗅覚によるものではないか、と話すが、
その不思議な行動は、まるで儀式のようにも見える…
入所者が現世から来世に旅立つ時の、
分福独自の《見送りの儀式》だ。
番組では亡くなった直後の御遺体をそのまま映していた。
御遺族の許可を得ての事だとは思うが、
ちょっとドキッとした。
中には不快感を持った視聴者もいるかもしれない…
が、
分福の《儀式》を映すには必要なシーンだったのかもしれない。
私は、胸がいっぱいになった…
夫も鼻をすすっていた。
笑える場面もあった。
入所者同士の会話、特にお婆さんたちの《入れ歯談義》は微笑ましい。
番組では家族たちの思いも丁寧に伝えていた。
若い頃から大変な苦労をしてきた母親を入所させた一人息子、
認知症の母親を12年も介護してきた60代の娘さんの葛藤…
確かに、家族には最後まで自宅でみられなかったという後ろめたさがある…
その娘さんの母親が、
亡くなる前日に分福に顔を舐められそうになるシーンは印象的だ。
ベッドに寝たままのお婆さんが顔を歪め怒って分福を手で払いのける…意識がしっかりしている証拠だ。
私もそうだが、いくら犬好きでも舐められるのは苦手な人もいる。
分福は、それがわからずに同じようにしようとする…
その目的が達成できないとガッカリした表情で居室の外の廊下でジッとしている。
その時の表情がとても人間っぽい。
不思議な犬だ。
TVで紹介されていた横須賀市の特養は、
愛犬と一緒に入居できるホームらしい。
将来のことが心配で、
Halで犬を飼うのは終わりにしようと思っている夫と私には、羨ましい環境だ。
そういうペット共生型の老人ホームが増えていくといいのに…
息子からの写メ、伊東の辺りかな?