朝4:11
霧の中をHalの散歩に出る。
遠くでウグイスの鳴き声が聞こえる。
途中で何度か、Halが何かの気配を確かめるように止まる…
イノシシか鹿が来たのだろうか、
地面から湿った名残のような獣臭が立ち込めている。
昨晩の寝入り端に、
田村正和さんの訃報が配信された。
亡くなって1ヶ月以上も経っている…
最後にTVで見たのはいつだっただろうか。
ほとんど私生活を出さない人だった。
それはそれで、いつもカッコいいなぁ、と思っていた…。
昨日の《徹子の部屋》で
ゲストの上野千鶴子さんが言っていたが
「人は少しずつ死んでいく…」
というものらしい。
上野さん独特の言い回しだが、
何となくわかる。
様々な機能が衰えて身体が動かなくなっていき、そして朽ちる…
事故や大病は別として、
通常はそういう死を迎えるものらしい。
その昔、
哲学者の内山節さんが講演会で
「人の死は、その人の死を知った時か、それとも死んだ時間そのものか、どちらだろう…」という話をされていたが、
上野さんの言うように
《少しずつ死んでいく》ものなら、
老いて迎える死は、瞬間ではなく長いスパンで考えるものなのだろう。
いずれにせよ、
何かをやり終えて、スーッとF.Oする…
そんな生き方はカッコいい。
田村正和さんは、
見た目も、生き方も引き際も、すべてがカッコいい…
そんな俳優さんだった。
合掌。