声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

マスカレードホテル

2020-03-08 13:53:00 | 映画・ドラマ・読書

『ホテル』が舞台の映画といえば、

『有頂天ホテル』

『本能寺ホテル』などを思い浮かべるけれど、

どの作品も、ワクワクしてくるタイトルで、

この『マスカレードホテル』も例外ではない。


映画の中で実際に使われているホテル名は、

『ホテル・コルテシア・トウキョウ』なのに

“マスカレード”(仮面)ホテル』をタイトルにしたところに、

この映画の言わんとしている奥深いテーマが垣間見える…。


そうだ、

高級ホテルに出入りする人々は仮面を被っている。


私も仕事で都内の有名ホテルを訪れることはあるが、

ロビーで人間ウォッチングをしていると、

仮面をかぶって訪れる客から、
現実の生活を想像するのは難しい。


映画を観ながら思い出した事がある…

いつだったか、

ずいぶん前になるが、

私が関西にいた頃、

“一流”で知られる大阪の某ホテルのロビーで顔見知りの女性に偶然会った事があった。

彼女は、たぶん40代半ばだっただろうか…

当時、私が所属していた音楽団体では、
いつも目立っている派手な存在だった。

ロビーでは、
大学生くらいのスラリとした男子と一緒だったので、

次に会ったときに

「ご一緒にいたのは息子さん?」

と訊くと、

「アラ、いや〜ね、ツバメに決まってるでしょ?」

と、

全く悪びれた様子もなくシナを作った彼女の、
艶かしい真っ赤な唇から溢れた意味深な笑いが忘れられない。
(ー ー;)

「お友だちとランチするのよ」

と言って出かけるにはピッタリの場所でもある一流ホテルは、

有閑マダムのアバンチュールには恰好の場所でもあるのだ。



映画「マスカレードホテル」でも、

妻に隠れて若い愛人を部屋に呼ぶ中年男性客の浮気の現場や、

遥か昔の怨みを根に持つ、見た目も陰険な男性客の執拗なハラスメントや言いがかり、

常識の通用しないクレーマーと化した客が魑魅魍魎のように蠢く姿が描かれているが、

みんな、事件を起こしそうな怪しい人間に見えてくる。

それが、ホテルマンに扮して潜入捜査をする新田刑事(キムタク)を混乱させるのだ…。

で、最後の最後になって

ようやく犯人の足を掴むのだが、

それが部屋に備えられたペイパーウェイトの置き方などの“匂わせ”もあり、

敢えて説明を控えた、さりげなく憎い演出もある。

で、
もう一つ、エンドタイトルで気になった事があった。

明石家さんま(友情出演)

とあったのだが、

どこで出ていたのだろう…

全く気がつかなかった。

仮面でもつけていたのだろうか?


東野圭吾氏の原作。

ハチャトリアンの『仮面舞踏会』風のワルツが、冒頭のわさわさした場面で流れていたが、

この手の映画に有りがちなイメージ。

もう少し、軽めのBGMでも良いような気がした。


日本アカデミー賞で肩出しドレス姿も講評だった長澤まさみさんは、

やはりスタイルバツグンだ。





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