ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ホーリー・トイレット」、本当にヤバイ!

2023-07-19 16:33:27 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

PG12

仮設トイレに閉じ込められ絶体絶命の危機に陥った男を描いた、異色のシチュエーションスリラー。

頭部を負傷して意識を失った建築家フランクは、リゾートホテルの建設現場で横倒しになった仮設トイレの中で目を覚ます。記憶が欠落し、状況がよく飲み込めないなか、右腕には鉄筋が突き刺さっており、トイレの周りには大量の解体用ダイナマイトが仕掛けられ、34分後の午後2時ジャストに爆発するということを知る。誰かに助けを求めるか、もしくは自力で脱出しなくてはならないが、身動きは取れない。

仮設トイレの中だけで全編が進行する設定と、過激なブラックユーモアやエログロ描写で世界各国のファンタスティック映画祭で話題を集めた。

トイレだから、狭い臭いは、当たり前だが、一番の肝は、腕に刺さった鉄棒だ。

終わり近くなって、ほかにやりようがなく腕を切断しようとする痛さは切実。

演出がうまいのか、こちらまで、痛い。

いろいろ、時間稼ぎのシーンが満載だが、痛みが中心なので、目が離せない・

アイデア勝負。

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「ヒトラーのための虐殺会議」、1100万人のユダヤ人絶滅政策!

2023-06-17 17:05:38 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

ただし、会議を撮影したもので、会話が主体。ドラマ性はない。

第2次世界大戦時、ナチス政権が1100万人のユダヤ人絶滅政策を決定した「バンゼー会議」の全貌を、アドルフ・アイヒマンが記録した議事録に基づいて映画化。

1942年1月20日正午、ベルリンのバンゼー湖畔に建つ大邸宅にナチス親衛隊と各事務次官が集められ、「ユダヤ人問題の最終的解決」を議題とする会議が開かれた。「最終的解決」はヨーロッパにいるユダヤ人を計画的に抹殺することを意味する。国家保安部代表ラインハルト・ハイドリヒを議長とする高官15名と秘書1名により、移送、強制収容、強制労働、計画的殺害などの方策が異論すら出ることなく淡々と議決され、1100万人ものユダヤ人の運命がたったの90分で決定づけられた。

大量殺人の計画が、淡々と語られ、人を殺すことが目的の会議。

あまりにも、事務的な発言に唖然とする。

まさに記録映画に勝るフィクション映画。

 

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「西部戦線異状なし」、Netflix配信!

2023-04-04 17:08:25 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

アカデミー賞を受賞した1930年のルイス・マイルストン監督による映画版でも広く知られる、ドイツの作家エリッヒ・マリア・レマルクの長編小説「西部戦線異状なし」を、原作の母国ドイツであらためて映画化した戦争ドラマ。

148分の長尺

第95回アカデミー賞で作品賞ほか9部門にノミネートされ、国際長編映画賞、美術賞、撮影賞、作曲賞の4部門を受賞した。

第1次世界大戦下のヨーロッパ。17歳のドイツ兵パウルは、祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴く。しかし、その高揚感と使命感は凄惨な現実を前に打ち砕かれる。ともに志願した仲間たちと最前線で命をかけて戦ううち、パウルは次第に絶望と恐怖に飲み込まれていく。

広大な戦線で、銃ひとつで、戦闘するまさに、白兵戦の連続。

特に、ラスト、停戦協議がなされたあとの、無意味な戦闘は、戦争のむごさを、痛いほど感じさせる。

今、再映画化した意味は?

独仏戦争という、因縁の対決。今はNATOとして両者は、味方同士の関係にあるが?

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「バグダッド・カフェ」、好きなら好きと言って!

2023-03-16 17:03:18 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

NHK BS プレミアム  鑑賞  1987年製作 (その後、完全版が出ている)

簡素なガソリンスタンドとモーテルを併設し、ハイウェイ沿いに建設されたカフェ、バクダッドカフェを舞台に、夫と別れたドイツ人ジャスミンと、家族経営のカフェを取り仕切る強気な女性マランダの関係性を主軸にした人と人との繋がりを描く。

しょっぱな、夫婦げんかの末、ひとりトランクを引きずるちょっと太めの婦人。

彼女を怪しんだカフェの女主人は疑いまくる。

前半の怪しげな雰囲気と打って変わって、後半は、夫人とカフェの女主人が仲直り。

マジックを披露して、カフェの客たちを楽しませる。

楽しい後半だ。

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「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」

2023-02-01 19:18:16 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆

哲学的映画好き ☆☆☆★

PG12

ドイツの児童文学作家エーリッヒ・ケストナーが1931年に発表した大人向け長編小説「ファビアン あるモラリストの物語」を、「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリング主演で映画化。

女優を夢見るコルネリアとの恋や、唯一の親友であるラブーデの破滅。世界が大きく変わる予感と不安の中、ファビアンはどこへ行くべきか惑い、焦りを募らせていく。

時代は1931年のベルリン。狂騒と頽廃の20年代から出口のない不況へ、人々の心に生まれた空虚な隙間に入り込むように、ひたひたとナチスの足音が聞こえてくる。どこか現代にも重なる時代、作家を志してベルリンにやってきたファビアンはどこへ行くべきか惑い、立ち尽くす。コルネリアとの恋。ただ一人の「親友」ラブーデの破滅。コルネリアは女優を目指しファビアンの元を離れるが……。

178分の長尺。

コルネリアとの恋にかなりの部分を割いている。そのラブラブな様子は、これだけで一本の映画になりそう。

カメラは現代のベルリンの地下鉄駅から始まり、ノーカットのまま階段を上ると1931年のベルリンとなるなど、様々な映像の凝りよう。

哲学的なセリフもあり、やや難解な映画。

 

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「ピエロがお前を嘲笑う」、あなたが目にしたものは真実か?

2022-12-20 19:49:22 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆

ミステリー映画好き ☆☆☆★

NHK BS プレミアム鑑賞  2014年製作 PG12

並外れたコンピューターの才能を持つ青年ベンヤミンは、正体不明のハッカー集団「CLAY」からメンバーになるよう誘いを受ける。彼らはやがて危険な陰謀に巻き込まれ、警察からもマフィアからも追われる身となってしまう。

コンピューターのハッキングというちょっと敬遠したくなる題材。

ただ、ラストの二転三転のサスペンスはさすが。

かなりサスペンスの濃い映画で、白マスクが無気味。

 

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「欲動する肉体」、愛はタブー!

2022-11-18 18:07:17 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆

劇場未公開  R15+

ベルリン国際映画祭ノミネート

“映画祭で最も過激な作品” -The Criterion Collection“2022年、最も大胆不敵で、価値があり、物議を呼ぶ映画”-C7NEMA“タブーに挑むのではなく、超越してる”-

有名なバレエダンサーとして活躍していたナージャは10代の頃に出産し、バレエに専念するため、幼い息子マリオを母に預けて疎遠になっていた。今ではバレエを教える日々を過ごしているナージャは、数年ぶりに家族の集まりでマリオと再会することに。逞しく成長したマリオと共に行動する中で、その自由奔放さや鍛え上げられた肉体に惹かれ、二人はモラルを超えた激しく情熱的な関係を築いていく…。

バレエ教師の美しい母と逞しく成長した息子との久々の再会。息子の大胆な行動、精悍な肉体を見て触れたい衝動に駆られていく・・・愛と狂気の歪んだ関係を描く、

 

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「クレッシェンド 音楽の架け橋」、イスラエルとパレスティナの若者が一緒になったら!

2022-10-30 17:46:19 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

長く紛争の続くイスラエルとパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成し、コンサートに向けて対立を乗り越えていく姿を、実在する楽団をモデルに描いたヒューマンドラマ。

イスラエルとパレスティナ、この複雑な二国に加えて、本人が親がナチスだったと告白する指揮者。

楽団員を選ぶ面接のときから、二国の対立は色濃い。

アルプスの南チロルでの21日間の合宿が始まり、対立から合同へといろいろな試みが施される。そして徐々に打ち解けていく。

が、シーラとオマルのカップルの存在がSNSで流出し、双方の家庭にまでバレて、二人は合宿所を脱走し、取り返しの出来ない悲劇となり、オーケストラ公演は流れてしまう。

ラスト、空港のガラス越しにユダヤ人とパレスチナ人の合奏による「ボレロ」が流れる。ドイツ人の指揮者が加わり、歴史の罪という闇が深くなり、架け橋としての音楽がより輝いた。

二国の歴史的背景から、なかなか仲直りはできないだろうが、少しずつでも、進歩してほしい。

 

 

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「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」、実在の殺人鬼をモデルに!

2022-09-10 17:11:48 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆

殺人鬼の映画好き ☆☆☆★

R15+/ドイツ・フランス合作

2019年・第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。

実在の殺人鬼の映像がエンドロールで。

監督の演出技術と、主演のヨスナダスラーのメイクと演技のうまさ。

1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間で4人の娼婦を殺害した連続殺人犯の日常を淡々と描いたサスペンスホラー。

全裸、暴力、サイコなシーンの連続。

彼はハンブルクにある安アパートの屋根裏部屋に暮らし、夜になると寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」に足繁く通い、カウンターで酒をあおっていた。フリッツがカウンターに座る女に声をかけても、鼻が曲がり、歯がボロボロな容姿のフリッツを相手にする女はいなかった。

死臭漂う男だが、女にはもてず、哀愁が漂う。

 

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「ヒトラー 最期の12日間」、彼の敵は世界!

2022-08-11 16:16:00 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞 2004年製作

独裁者アドルフ・ヒトラーの最期の12日間を克明に描いた実録ドラマ。ヨアヒム・フェストによる同名研究書、およびヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録「私はヒトラーの秘書だった」を基に描いた映画。

実録だけに、ヒトラーの晩年がよく描かれている。

ソ連の包囲網が迫る中、何とか有利な状況を模索するヒトラー。

やがて次々と敗戦が近づくにつれて、降伏はならぬと言い続けて、自らは妻とともに死を選ぶ。

地下施設の中、軍の上層部の緊迫したやり取りは、手に汗。酒におぼれる人たちもいる。

秘書が、回り舞台の進行役。

重要人物のその後が、エンドロールで流される。

なかなか貴重な映画。

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