おすすめ度 ☆☆☆
Unext鑑賞 2015年製作
1951年の発売以来、青春小説の名作として読み継がれているJ・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に魅了された青年の成長を描いた青春映画。
仲のよい兄の勧めで全寮制の名門男子校に入ったジェイミー(アレックス・ウルフ)が主人公。サリンジャーの著作に惚れ込み、その舞台化を試みようとするジェイミーは、体育会系が体制派として大手を振るう学内では浮いた存在。皆からクソ呼ばわりされだり、いじめにあったりしている。そんな文化系いじめられっ子が舞台化の許可を得るためにサリンジャーに会いに行くという物語だ。
ジェイミーが彼に会うことがいかに困難なことだったかがすぐに理解できた。映画は中盤から彼を探し出す旅、つまりロードムービー風な展開となる。付き添うディーディーが馬鹿に積極的なところが微笑ましい。ジェイミーには本命は別にいたのだけど、このディーディーの積極さと優しさが彼の頑なに閉じた心を広げていく役割を果たす。
サリンジャーの家を探し求める行程が『ポツンと一軒家』みたいだった。
監督自身の高校時代の映画化で、本当にサリンジャーを探し当てている。青春時代ならではの無軌道なエネルギーで突っ走る主人公は見ていて心地よい。