ひろの映画見たまま

映画にワクワク

春との旅

2010-05-27 19:24:02 | 日本映画
小林政弘の長回しとロングとアップ。

その情念の描写は、今の日本映画では図抜けている。

現代の姥捨て山ともいわれる本作品。

でも最後は、しっかりと孫娘に抱かれて……

仲代達也迫真の演技が、老いのさみしさを切々と訴える。

孫娘と二人になった、元漁師の老人は、

孫娘に厄介かけてはいけないと

きょうだいに面倒を見てくれるように訪ね歩く。

しかし、それぞれ事情を抱えるきょうだいに

結局は、断られる。

それまでの人生がエピソードでよみがえり、

自分勝手だとののしられ、きょうだいの愛はあるのだが

引き取るまでの余裕はない。

最後に孫娘の離婚した父親の新しい嫁に

一緒に住んでもよいと言われるが

結局、自らの家に帰ることに。

丁寧に練られたシナリオが、現代を浮き彫りにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする