おすすめ度 ☆☆☆
村上文学好き、イ・チャンドン好き ☆☆☆☆
劇場版とあるのは、同じ作品をNHKで放映した短尺ものが存在する。
アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが……。
村上春樹の原作は、短編小説で、本映画はそれを大胆にアレンジしたイ・チャンドン作品。148分の長尺だ。
ある意味村上春樹作品に沿っていて、意味不明だが、意味のある展開が続き、興味は惹かれるが疲れる作品だ。
特に後半、ビニールハウスの焼却の調査と、ヘミの行動追跡にさかれ、ラストの衝撃へと進む。
貧乏青年(農村青年)と金持ち青年ジョンスとの格差が現代を模していて興味深い。
二つの裸シーンも抒情的で、美しい。
並みの映画にない高揚をもたらす、不思議な映画だ。