名言名句(372)
「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」『釈 迢空』
葛の花は秋の七草の一つです。その葛の花が誰かに踏みしだかれて、
鮮やかに変身した色を見せてくれている、滅多に人の通らないこの
山道を、通って行った人がいるのだ、という短歌です。一読、なん
でもない平凡な抒情歌のようですが、視覚に訴える鮮明さと、この
歌の底にひそんでいる意味深いものとが、静かに蘇ってくるのです。
意味深いものとは、こういうことです。ほとんど人の通らない山道
を、自分より先に歩いて行った人がいる、未知の山を行く不安と、
山道のかなたに存在する新しい光景、つまり新しい世界を知る期
待とが、葛の花の踏みしだかれた様子から窺い知ることができる、
というのです。新しい世界を知ろうとする心の憟え、期待感を、
この歌から知ることが出来ますが、この感覚は、人生の未知の世
界への踏破をも予感させてくれるものを持っています。
===============================
9月から咲く花「金木犀 (きんもくせい)」
開花時期は、 9/25 ~ 10/10頃。
10月中旬頃にもう一度咲いて
「再びあの香り♪」
ということもある。
・とてもよい香り。
9月下旬か10月上旬頃の
ある日突然、
金木犀の香りが始まる♪
(それは年によって
9月26日だったり、
10月3日とかだったりする。
それまで匂わなかったのに
どの花も一斉に匂い出す。
不思議♪)
咲いているあいだじゅう
強い香りを放ち、
かなり遠くからでも匂ってくる。
(どこで咲いているのかを
探すのも楽しみのひとつ)
・春の沈丁花と同じぐらい香る。
・咲いたあとで雨風があると
あっけなく散ってしまう。
はかない。
・中国南部の桂林地方原産。
中国語では
”桂”は木犀のことを指し、
「桂林」という地名も、
木犀の木がたくさん
あることに由来するらしい。
日本では木犀といえば、
ふつう思い起こすのは
金木犀ですね。
金木犀の中国名は「丹桂」。
丹=だいだい色、
桂=モクセイ類。
・”犀”の字は
「固い、鋭い」の意味あり。
枝が固いからかな?
・江戸時代初期の頃、渡来した。
・「散らし雨
道端染める 金木犀」
'92 (筆者)
(季節の花300より)

「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」『釈 迢空』
葛の花は秋の七草の一つです。その葛の花が誰かに踏みしだかれて、
鮮やかに変身した色を見せてくれている、滅多に人の通らないこの
山道を、通って行った人がいるのだ、という短歌です。一読、なん
でもない平凡な抒情歌のようですが、視覚に訴える鮮明さと、この
歌の底にひそんでいる意味深いものとが、静かに蘇ってくるのです。
意味深いものとは、こういうことです。ほとんど人の通らない山道
を、自分より先に歩いて行った人がいる、未知の山を行く不安と、
山道のかなたに存在する新しい光景、つまり新しい世界を知る期
待とが、葛の花の踏みしだかれた様子から窺い知ることができる、
というのです。新しい世界を知ろうとする心の憟え、期待感を、
この歌から知ることが出来ますが、この感覚は、人生の未知の世
界への踏破をも予感させてくれるものを持っています。
===============================
9月から咲く花「金木犀 (きんもくせい)」
開花時期は、 9/25 ~ 10/10頃。
10月中旬頃にもう一度咲いて
「再びあの香り♪」
ということもある。
・とてもよい香り。
9月下旬か10月上旬頃の
ある日突然、
金木犀の香りが始まる♪
(それは年によって
9月26日だったり、
10月3日とかだったりする。
それまで匂わなかったのに
どの花も一斉に匂い出す。
不思議♪)
咲いているあいだじゅう
強い香りを放ち、
かなり遠くからでも匂ってくる。
(どこで咲いているのかを
探すのも楽しみのひとつ)
・春の沈丁花と同じぐらい香る。
・咲いたあとで雨風があると
あっけなく散ってしまう。
はかない。
・中国南部の桂林地方原産。
中国語では
”桂”は木犀のことを指し、
「桂林」という地名も、
木犀の木がたくさん
あることに由来するらしい。
日本では木犀といえば、
ふつう思い起こすのは
金木犀ですね。
金木犀の中国名は「丹桂」。
丹=だいだい色、
桂=モクセイ類。
・”犀”の字は
「固い、鋭い」の意味あり。
枝が固いからかな?
・江戸時代初期の頃、渡来した。
・「散らし雨
道端染める 金木犀」
'92 (筆者)
(季節の花300より)
