季節の花と言葉の花束

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季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「桔梗(ききょう)」

2018-09-08 04:47:25 | 暮らし
名言名句(377)

「鬼灯(ほおずき)やわが唇に十五の唄」『光 秋』

ある日、ふと、たわむれに鬼灯を口に入れて見たのです。大のおとなが

子供っぽいことを、と思いましたが、それもほんの一瞬のおとで、昔を

振り返りながら鬼灯を小さく鳴らしてみると、なんと、心までが少年の

日にかえっていくのでした。しかも、一番多感な十五、六歳のころに

かえっていくのです。鬼灯は、少女の唇によく似あいますが、文学少年

であった私は、今では想像も出来ないほど、ときに感傷的な思いにひた

ることがありました。そういう時代のあったことを、私は、決して後悔

していません。むしろ、荒っぽく、男くさくしようと努めWることは、

自然の成長を妨害するものはないか、とも考えます。感傷時代は感傷

時代のまま、自然に暮らすことが大切です。やがて、いくら感傷を味わ

ってみたくても、味わえない時代を迎えるのです。

歳時記

白露


9月8日。 および秋分までの期間。

太陽黄径165度。処暑から数えて15日目頃。

この日から仲秋になります。 

草の葉に白い露が結ぶという意味。夜の間に大気が冷え込み、

草花に朝露が宿ることから名づけられたのでしょう。

野には薄の穂が顔を出し、太陽が離れていくため空が高くなる

など、本格的な秋の到来を感じられる頃です。

日中はまだ暑さが残りますが、朝夕の涼しさの中に肌寒さも感

じ始めます。

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秋の七草「桔梗(ききょう)」

開花時期は、 6/10 ~ 8/10頃。
・秋の七草のひとつ。
・漢名の「桔梗」を
 音読みしたら「ききょう」。

・開花直前の
 丸くふくらんだ状態がおもしろい。
 これは、開花前には花びらが
 互いのふちで  
 くっついたまま膨れていくために、
 つぼみのときは
 風船のようにふっくらして見える、
 ということらしい。
 プチュッとつまむと
 水がはじけ出る。
 (花がかわいそうなので
  やめましょう♪)

・漢方では太い根を干して
 せきやのどの薬にする。
 また、この薬用成分の
 サポニンというものは
 昆虫にとっては有毒なため、
 昆虫からの食害から
 自らを守っている。
 (キキョウサポニンと呼ばれる)

・昔から武士に好まれたようで、
 家紋に取り入れられたり、
 江戸城には「ききょうの間」や
 「桔梗門」の名前がある。


・万葉集に出てくる「あさがお」は、
 この桔梗の
 ことだろうといわれている。

・平安時代の辞書には
 「阿利乃比布岐(ありのひふき)」
 として載る
 → 「蟻(アリ)の火吹き」
  蟻が桔梗の花びらをかむと、
  蟻の口から
  蟻酸(ぎさん)というのが出て、
  桔梗の花の色素アントシアン
  というのを変色させるために、
  紫の花の色が赤く変わる。
  (蟻が火を吹いたように見える)


・「桔梗」は「きちこう」とも読む。

・8月12日、9月2日の
 誕生花(桔梗)
・花言葉は「清楚、気品」(桔梗)


・「桔梗の花
  咲く時ぽんと 言ひそうな」
   加賀千代女 

 「朝顔は
  朝露負(お)ひて
  咲くといへど
  夕影にこそ 咲きまさりけれ」
   (朝顔=桔梗)
   万葉集 作者不詳


(季節の花300より)



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