名言名句(377)
「鬼灯(ほおずき)やわが唇に十五の唄」『光 秋』
ある日、ふと、たわむれに鬼灯を口に入れて見たのです。大のおとなが
子供っぽいことを、と思いましたが、それもほんの一瞬のおとで、昔を
振り返りながら鬼灯を小さく鳴らしてみると、なんと、心までが少年の
日にかえっていくのでした。しかも、一番多感な十五、六歳のころに
かえっていくのです。鬼灯は、少女の唇によく似あいますが、文学少年
であった私は、今では想像も出来ないほど、ときに感傷的な思いにひた
ることがありました。そういう時代のあったことを、私は、決して後悔
していません。むしろ、荒っぽく、男くさくしようと努めWることは、
自然の成長を妨害するものはないか、とも考えます。感傷時代は感傷
時代のまま、自然に暮らすことが大切です。やがて、いくら感傷を味わ
ってみたくても、味わえない時代を迎えるのです。
歳時記
白露
9月8日。 および秋分までの期間。
太陽黄径165度。処暑から数えて15日目頃。
この日から仲秋になります。
草の葉に白い露が結ぶという意味。夜の間に大気が冷え込み、
草花に朝露が宿ることから名づけられたのでしょう。
野には薄の穂が顔を出し、太陽が離れていくため空が高くなる
など、本格的な秋の到来を感じられる頃です。
日中はまだ暑さが残りますが、朝夕の涼しさの中に肌寒さも感
じ始めます。
================================
秋の七草「桔梗(ききょう)」
開花時期は、 6/10 ~ 8/10頃。
・秋の七草のひとつ。
・漢名の「桔梗」を
音読みしたら「ききょう」。
・開花直前の
丸くふくらんだ状態がおもしろい。
これは、開花前には花びらが
互いのふちで
くっついたまま膨れていくために、
つぼみのときは
風船のようにふっくらして見える、
ということらしい。
プチュッとつまむと
水がはじけ出る。
(花がかわいそうなので
やめましょう♪)
・漢方では太い根を干して
せきやのどの薬にする。
また、この薬用成分の
サポニンというものは
昆虫にとっては有毒なため、
昆虫からの食害から
自らを守っている。
(キキョウサポニンと呼ばれる)
・昔から武士に好まれたようで、
家紋に取り入れられたり、
江戸城には「ききょうの間」や
「桔梗門」の名前がある。
・万葉集に出てくる「あさがお」は、
この桔梗の
ことだろうといわれている。
・平安時代の辞書には
「阿利乃比布岐(ありのひふき)」
として載る
→ 「蟻(アリ)の火吹き」
蟻が桔梗の花びらをかむと、
蟻の口から
蟻酸(ぎさん)というのが出て、
桔梗の花の色素アントシアン
というのを変色させるために、
紫の花の色が赤く変わる。
(蟻が火を吹いたように見える)
・「桔梗」は「きちこう」とも読む。
・8月12日、9月2日の
誕生花(桔梗)
・花言葉は「清楚、気品」(桔梗)
・「桔梗の花
咲く時ぽんと 言ひそうな」
加賀千代女
「朝顔は
朝露負(お)ひて
咲くといへど
夕影にこそ 咲きまさりけれ」
(朝顔=桔梗)
万葉集 作者不詳
(季節の花300より)
「鬼灯(ほおずき)やわが唇に十五の唄」『光 秋』
ある日、ふと、たわむれに鬼灯を口に入れて見たのです。大のおとなが
子供っぽいことを、と思いましたが、それもほんの一瞬のおとで、昔を
振り返りながら鬼灯を小さく鳴らしてみると、なんと、心までが少年の
日にかえっていくのでした。しかも、一番多感な十五、六歳のころに
かえっていくのです。鬼灯は、少女の唇によく似あいますが、文学少年
であった私は、今では想像も出来ないほど、ときに感傷的な思いにひた
ることがありました。そういう時代のあったことを、私は、決して後悔
していません。むしろ、荒っぽく、男くさくしようと努めWることは、
自然の成長を妨害するものはないか、とも考えます。感傷時代は感傷
時代のまま、自然に暮らすことが大切です。やがて、いくら感傷を味わ
ってみたくても、味わえない時代を迎えるのです。
歳時記
白露
9月8日。 および秋分までの期間。
太陽黄径165度。処暑から数えて15日目頃。
この日から仲秋になります。
草の葉に白い露が結ぶという意味。夜の間に大気が冷え込み、
草花に朝露が宿ることから名づけられたのでしょう。
野には薄の穂が顔を出し、太陽が離れていくため空が高くなる
など、本格的な秋の到来を感じられる頃です。
日中はまだ暑さが残りますが、朝夕の涼しさの中に肌寒さも感
じ始めます。
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秋の七草「桔梗(ききょう)」
開花時期は、 6/10 ~ 8/10頃。
・秋の七草のひとつ。
・漢名の「桔梗」を
音読みしたら「ききょう」。
・開花直前の
丸くふくらんだ状態がおもしろい。
これは、開花前には花びらが
互いのふちで
くっついたまま膨れていくために、
つぼみのときは
風船のようにふっくらして見える、
ということらしい。
プチュッとつまむと
水がはじけ出る。
(花がかわいそうなので
やめましょう♪)
・漢方では太い根を干して
せきやのどの薬にする。
また、この薬用成分の
サポニンというものは
昆虫にとっては有毒なため、
昆虫からの食害から
自らを守っている。
(キキョウサポニンと呼ばれる)
・昔から武士に好まれたようで、
家紋に取り入れられたり、
江戸城には「ききょうの間」や
「桔梗門」の名前がある。
・万葉集に出てくる「あさがお」は、
この桔梗の
ことだろうといわれている。
・平安時代の辞書には
「阿利乃比布岐(ありのひふき)」
として載る
→ 「蟻(アリ)の火吹き」
蟻が桔梗の花びらをかむと、
蟻の口から
蟻酸(ぎさん)というのが出て、
桔梗の花の色素アントシアン
というのを変色させるために、
紫の花の色が赤く変わる。
(蟻が火を吹いたように見える)
・「桔梗」は「きちこう」とも読む。
・8月12日、9月2日の
誕生花(桔梗)
・花言葉は「清楚、気品」(桔梗)
・「桔梗の花
咲く時ぽんと 言ひそうな」
加賀千代女
「朝顔は
朝露負(お)ひて
咲くといへど
夕影にこそ 咲きまさりけれ」
(朝顔=桔梗)
万葉集 作者不詳
(季節の花300より)