季節の花と言葉の花束

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季節の花「浜梨(はまなす)」

2019-05-04 04:13:07 | 暮らし
名言名句(612)

「死に近き母に添寝のしんしんと 遠田のかはず天に聞ゆる」
『斎藤 茂吉』


西岡光秋氏の父は49歳で肝硬変で亡くなりました。同氏が23歳の

ときでした。亡くなる三月前、丁度夏休みを利用して、彼は、東京

から故郷の広島に帰りました。家のすぐ近くの個人病院の一室で入院

中の父を見舞うためでした。広島から40キロほど山奥に入った田舎

に、彼の家がありました。田舎に帰った日の夜、彼は、病室の父の

ベッドの下に寝ました。夏でした。毛布一枚で十分でした。病院の裏

は、川幅30メートルほどの川でした。寡黙な人だった父は、やつれ

た顔でしたが、我が息子を見守る目の光は、優しさに満ちていました。

毛布にくるまった彼の耳に、川の方から、河鹿の鳴く声が聞こえてき

ました。父も耳をすませていました。もう、30年も昔のことになる

そうです。

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5月から咲く花「浜梨(はまなす)」

開花時期は、 5/ 1 ~ 6/15頃。
・海岸近くに植えられる。
・葉や枝に
 こまかい「とげ」がいっぱいある。
・よい香りの花。

・夏に、ミニトマトのような形の
 だいだい色の実がなる。固い。
 食べられる。

・甘酸っぱい味の実を
 梨にたとえて、
 「浜の梨」の意で名づけられた
 「はまなし」が
 東北弁でなまって
 「はまなす」になった。

・アイヌの人々は
 魔よけのために戸口に立てて、
 実は食用、
 種子をイヨマンテの祭りに用いた。

・薬効   下痢止め
・薬用部位 花、つぼみ 

・「浜茄子」とも書く。

・北海道の道花(浜梨)
 「♪ 知床の岬に~
    はまなすの咲く頃~」
     (知床旅情)


・「はまなすや
  今も沖には 未来あり」
   中村草田男

(季節の花300より)



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