季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「馬酔木 (あせび)」

2018-03-06 04:03:07 | 暮らし
名言名句(171)

「一寸の虫にも五分の魂」『近松門左衛門』

取るに足りない小さな虫にも、体の半分をしめる魂がある、

の意味から、弱い立場にある者にも、それなりの意地がある

ものだ、という意味に使われています。

「何だ、碌な奴ではないか」と、地位とか風采で人間を判断

することがありますが、これではいけません。人物の本質を

見極めることが大事です。

「青蠅は小さいけれど、毒あって腹中に入って五尺の人の命

を取る。一寸の虫にも五分の魂」などと。近松門左衛門

(1653-1724)の『天智天皇』の中で使われていますが、青蠅

などと人の軽蔑するハエでさえ、人の命を取るほどに毒を持

っているということで、外見のみの判断で人を見ることを戒め

ているのです。

歳時記

啓蟄(けいちつ)

3月6日。および春分までの期間。

太陽黄径345度雨水から数えて15日目頃。

啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の

意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、

穴から出てくる頃。

菰(こも)はずし を啓蟄の恒例行事にしているところが多いで

すね。

まだまだ寒い時節ではありますが、一雨ごとに気温が上がり、

日差しも徐々に暖かくなってきます。春雷がひときわ大きく

なりやすい時季でもあります。

八百屋さんの店先に山菜が並び始めます。

旬の食材で春の訪れを味わいましょう。


※実際に、動物や虫(種類によって違いますが)が冬眠から

目覚めるのは、最低気温が5度を下回らなくなってから、

平均気温が10度以上になってからだそうです。

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3月から咲く花「馬酔木 (あせび)」

開花時期は、 3/ 5 ~ 4/15頃。
・「あしび」とも呼ぶ。
・壷形の花をいっぱい咲かせる。
・色は、うす紅色のものと
 白色のものがある。
・かすかに香る。


・枝葉に「アセボチン」という
 有毒成分を含んでいる。
 馬が食べると
 酔って足がなえることから
 「足癈(あしじひ)」
 と呼ばれ、
 しだいに変化して
 「あしび」そして
 「あせび」となった。

 漢字の「馬酔木」も
 その由来による。
 また、このことから、
 葉を煎じたものは
 殺虫剤としても使われている。


・「池水に
  影さへ見えて 咲きにほう
  あしびの花を
  袖に扱入(こき)れな」
   万葉集
   大伴家持
   (おおとものやかもち)

 「磯の上に
  生ふるあしびを
  手折らめど
  見すべき君が
  ありといはなくに」
   万葉集
   大来皇女
   (おおくのひめみこ)

 「わが背子に
  わが恋ふらくは 奥山の
  あしびの花の 今盛りなり」
   万葉集

 「河蝦(かわず)鳴く
  吉野の川の 瀧の上の 
  馬酔木の花ぞ
  末(はし)に置くなゆめ」
   万葉集


(季節の花300より)



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季節の花「三叉(みつまた)」

2018-03-05 04:37:06 | 暮らし
名言名句(170)

「青雲の志」『張 九齢』

青春時代に、とくに、なじみの深い言葉です。「ああ、おれも、

昔は、青雲の志を抱いたものだ」と、懐かしむ声も聞こえて

きそうです。青雲とは、学徳の非常に名高いこと、高位高官のこと、

高尚の志操のことなどを言いますが、現代では、立身出世への功名

心のことを、ここにいう「青雲の志」に表しています。

張九齢(678-740)は、中国の盛唐期の政治家で詩人でもありました

が、玄宗皇帝に宰相として仕えた時、讒言(ざんげん)にあって解任

され、野に退きました。丁度、唐期の国勢が下り坂になった頃でした。

===============================

3月から咲く花「三叉(みつまた)」

開花時期は、 3/ 5 ~ 4/10頃。
・原産地は
 中国中南部、ヒマラヤ地方。
 江戸時代初期に渡来した、
 とされるが、
 万葉集の「さきくさ」の名で
 歌われているのがミツマタである、
 との説があり、
 渡来時期が万葉時代以前なのか
 江戸時代なのかは
 確定していない模様。


・花芽は、
 ちょっと不気味な、不思議な形。
・花は、蜂の巣が
 ぶら下がったような形。
・枝が3本ずつ分岐する。
 (不思議!)
 これが名の由来♪


・樹皮には強い繊維があり、
 和紙の原料になる。
 しわになりにくく高級で、
 また虫害にもなりにくいので、
 1万円札などの紙幣や証紙など
 重要な書類に使われる。

 1876年(明治9年)に、
 政府印刷局で三叉を原料として
 紙幣を作ってから、
 三叉の利用度は
 非常に高くなった。
 紙幣以外でも、
 証書・地図用紙・コピー紙など
 各種の紙とその原料として
 幅広く使われている。


・「三椏」とも書く。
 「椏」は”あ”とも読み、
 「木の股」の意味がある。

・「赤花三叉
 (あかばなみつまた)」は、
 戦後、愛媛県の栽培地で
 発見され、
 今では黄色花とともに
 よく栽培されている。


・「春されば
  まず三枝(さきくさ)の
  幸(さき)くあらば
  後(のち)にも逢はむ
  な恋(こ)ひそ
  吾妹(わぎも)」
   柿本人麻呂


(季節の花300より)



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季節の花「三叉(みつまた)」

2018-03-05 04:37:06 | 暮らし
名言名句(170)

「青雲の志」『張 九齢』

青春時代に、とくに、なじみの深い言葉です。「ああ、おれも、

昔は、青雲の志を抱いたものだ」と、懐かしむ声も聞こえて

きそうです。青雲とは、学徳の非常に名高いこと、高位高官のこと、

高尚の志操のことなどを言いますが、現代では、立身出世への功名

心のことを、ここにいう「青雲の志」に表しています。

張九齢(678-740)は、中国の盛唐期の政治家で詩人でもありました

が、玄宗皇帝に宰相として仕えた時、讒言(ざんげん)にあって解任

され、野に退きました。丁度、唐期の国勢が下り坂になった頃でした。

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3月から咲く花「三叉(みつまた)」

開花時期は、 3/ 5 ~ 4/10頃。
・原産地は
 中国中南部、ヒマラヤ地方。
 江戸時代初期に渡来した、
 とされるが、
 万葉集の「さきくさ」の名で
 歌われているのがミツマタである、
 との説があり、
 渡来時期が万葉時代以前なのか
 江戸時代なのかは
 確定していない模様。


・花芽は、
 ちょっと不気味な、不思議な形。
・花は、蜂の巣が
 ぶら下がったような形。
・枝が3本ずつ分岐する。
 (不思議!)
 これが名の由来♪


・樹皮には強い繊維があり、
 和紙の原料になる。
 しわになりにくく高級で、
 また虫害にもなりにくいので、
 1万円札などの紙幣や証紙など
 重要な書類に使われる。

 1876年(明治9年)に、
 政府印刷局で三叉を原料として
 紙幣を作ってから、
 三叉の利用度は
 非常に高くなった。
 紙幣以外でも、
 証書・地図用紙・コピー紙など
 各種の紙とその原料として
 幅広く使われている。


・「三椏」とも書く。
 「椏」は”あ”とも読み、
 「木の股」の意味がある。

・「赤花三叉
 (あかばなみつまた)」は、
 戦後、愛媛県の栽培地で
 発見され、
 今では黄色花とともに
 よく栽培されている。


・「春されば
  まず三枝(さきくさ)の
  幸(さき)くあらば
  後(のち)にも逢はむ
  な恋(こ)ひそ
  吾妹(わぎも)」
   柿本人麻呂


(季節の花300より)



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季節の花「房(ふさ)アカシア、」

2018-03-04 04:37:30 | 暮らし
名言名句(169)

「日に三たび身を省(かえり)みよ」『論語・学而篇』


自分のことになると、なかなか反省しないのが人間全般の癖であり、

弱点ともいえるでしょう。この論語の言葉は、一般的には、日に

三度、わが身を反省してみよ、と解釈されますが、この意味の他に、

人の為に計って不忠なところはないか、友人と付き合って、不信な

点はないか、まだ学び足りない点を人に伝えるようなことをして

いないか、という意味とがあります。

「論語」では、あとの三つの項目に限って、日に三度の反省を行

うということですが、これから自分自身の行状の三省へと解釈の

広がりをみせたのでしょう。

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3月から咲く花「房(ふさ)アカシア、

開花時期は、 3/ 5 ~ 4/10頃。
・オーストラリア原産。
・けっこう大木になる。
・黄色い球形の花がびっしり咲く。

・葉が銀灰色をしているものは
 「銀葉(ぎんよう)アカシア」
 と呼ぶ。
 (でも、房アカシアと
  銀葉アカシアの区別が
  つきにくいので、
  同じページにしました♪)


・別名
 「ミモザアカシア」

   ミモザ(Mimosa)は、
   オジギソウなどの植物の
   属名(学名)。

   料理で「ミモザサラダ」
   というのがあるが、
   トマトの上に
   タマゴの黄身をこまかく
   いっぱいかけた様子が、
   この花びらを
   ふりかけたようすに
   似ていることから、
   ということらしい。


・フランスのカンヌでは、3月に
 ミモザの「花祭り」が行われる。
・南アフリカでは、
 樹皮からゴムなどを採取する。

・オーストラリアの国花は、
 この房アカシアに
 よく似た「ゴールデン・ワトル」。



(季節の花300より)


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季節の花「土佐水木(とさみずき)」

2018-03-03 03:51:28 | 暮らし
名言名句(168)

「石垣の石の一つが母に似てみつめていると自分でもある」『鳥海 昭子』

何気なく見過ごしている石垣、その石垣の一つがなんとなく

母に似ているので、じっと見つめていると、母だと思って

いた石の表面がなんと自分ににていることよ、と言った驚き

をうたっています。石垣の中の一つの石に、親子の顔の相似

点を見出していますが、微笑ましくも哀しみのある短歌です。

男女を問わず、母を想わない子供はいません。何気なく目に

触れた石垣、しかし、その時、母のことを思いながら石垣を

眺めたわけではありません。石垣の中の皺深いような凸凹の

多い一つの石に視線があてられたとき、初めて母を思い出し

たのです。鳥海さんは昭和四年生まれの歌人で、國學院大學

を卒業、歌集「花いちもんめ」を出していますが、鳥海さん

の年のころのお母さんの顔を、石垣の石に見たのかもしれま

せん。

歳時記

ひな祭り


中国では、3月の最初の巳(み)の日は忌日とされ、不浄・

邪気・けがれなどの恐ろしいものが襲ってくるといわれた

日でした。家の中にいると人の災難が降りかかってくると

いうので、人々は老若男女にかかわらず家を出て水辺へ行き、

みそぎをしました。このとき、人形(ひとがた)を作って、

それで体をさすり、身のけがれを移して供物と一緒に水に

流して厄払いをしたものです。

この人形(ひとがた)が、次第に手の込んだ立派な人形

(にんぎょう)になって行きました。これがいわゆる「流し

びな」の始まりです。

また、平安時代には、上流階級の子女が美しい人形で遊ぶ

「ひいな遊び」という、ままごとに近い遊びがあり、この両方

が結びついて、現在のひな祭りになっていったとされています。


==============================

3月から咲く花「土佐水木(とさみずき)」

開花時期は、 3/ 5 ~ 4/ 5頃。
・自生しているのは
 土佐(高知県)近辺の
 蛇紋岩地帯のみだが、
 全国で植栽されている。

・日向水木と比べて、
 一房の花の数が多くて花も大きい。
 おしべの部分は茶色。
 (開花直後はおしべは赤っぽい。
  花が開いてくると
  次第に茶色くなるようだ)

 土佐水木の仲間に
 支那水木がある。



(季節の花300より)


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