町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

他社線乗り入れを活発に行うJR東日本・E233系7000番台(埼京線・川越線)

2023年07月17日 | JR東日本

1989年より長きに渡り埼京線の主力車両はドア窓を拡大した東日本オリジナルの205系でしたが、同系列を置き換えるべく2013年6月13日よりE233系7000番台が導入され運用を開始しました。基本的には他路線の車両の仕様を踏襲する部分が多いですが、車内照明に本格的なLEDを採用し、ドア上部の液晶画面のデザインを変更して唯一アニメーション表示を行うなど、更に設備は改良されており、JRの新型通勤電車の中では最も完成されたスタイルと言っても過言では無いでしょう。登場時より東京臨海高速鉄道りんかい線と相互直通運転を行っていますが、2019年11月30日からは相鉄線が直通先に加わり、運用範囲が更に拡大されています。

りんかい線〜埼京線直通列車に充当されるハエ125編成。直通列車の他にもJR車両による線内折返し列車が多数設定されています。更に、りんかい線70-000形車両による埼京線新宿~大宮間の運用も組まれている為、圧倒的にE233系の方が見る機会が多くなっています。

相鉄本線内を走行するハエ119編成。20191130日の相鉄新横浜線西谷〜羽沢横浜国大間開通により、新たに7000番台が直通列車に充当されることになりましたが、これにより地下鉄を介さずに第三セクター鉄道と大手私鉄の両方に直通を行うJRの通勤電車としては珍しい存在になりました。相鉄線内では写真の各停の他、特急になる列車も設定されている点も面白いところです。

車内設備。LED照明のせいか、従来よりも白い光が強くなった印象を受けます。座席はE231系500番台に類似の緑系モケットですが、中身は当然改良されており、占有幅が広がったことも併せて座り心地は大幅に改善されました。

ドア上の液晶画面。京浜東北線向けの1000番台から横方向に拡大された17インチワイド液晶画面は忽ち主流になり、在京私鉄各社でも採用されるようになりましたが、当然7000番台も搭載になりました。表示内容はデザインが変更されており、前述の通りE233系では唯一三菱電機セサミクロを採用している為、アニメーションによる表示を可能にしました。相鉄線・りんかい線内では表示デザインが直通先の車両と同等のデザインになるのも面白い点です。

※2018年8月24日の記事を修正

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21世紀の新世代湘南電車・JR東日本E233系3000番台

2023年04月17日 | JR東日本

東海道本線東京口で長らく運用されていた113系置き換えの為、2004年より国府津車両センターへのE2311000番台の配置が開始されますが、20063月のダイヤ改正を控え運用見直しで余裕が生じていた鎌倉車両センターの横須賀線・総武線快速用E217系の転用も併せて行うこととなり初期製造の付属編成4両+基本編成11両の3本ずつが10両+5両への組み換え工事を実施し国府津車両センターへ転入しました。しかし2008年にはE217系のVVVFインバーター制御装置更新に伴う予備車確保の為に15両が鎌倉総合車両センターへ復帰することになり、その穴埋めとしてE233系の近郊型となる3000番台(E01編成+E51編成)が初登場し同年310日より運用を開始しました。更に2010年にも横須賀線・湘南新宿ラインの武蔵小杉駅開業に伴う運用増加でE217系の鎌倉総合車両センター再転出の為E02E02編成が増備されています。この時点では東京〜熱海間の限定運用に留まりますが、2011年からは211系置き換え用として当時の田町車両センターにNT編成として(20133月で同所は廃止され全編成が国府津に転出、編成番号も基本編成はE03-E16、付属編成はE53-E66に改称)配置され、20082010年の製造車と比較し6号車にも洋式トイレを増設するなど仕様が見直されています。2012年からは高崎車両センターへの配置(基本編成L10-L17+付属編成D01-D016)も開始され、2014年には宇都宮線(上野〜宇都宮間)・高崎線の211系を完全に置き換えました。こちらは2015年の上野東京ライン運転開始と共に小山車両センターに転出し基本編成がU618-U633、付属編成がU218-232編成に改められています。

身軽な基本編成単独で東海道本線を下る小山車両センター配置のU621編成(L05編成)。登場からしばらくはE2311000番台と運用が分かれていましたが、2015年の上野東京ライン運転開始に伴い車両運用も大幅に見直され、両形式が共通運用になり相互に併結運転も見られるようになりました。2015年で一時増備終了になるかと思われましたが、2017年にも付属5両のE73E74編成が1本ずつ増備されています。国府津・小山の両車ともE2311000番台と共に、東海道本線(東京〜沼津間)・横須賀線・(大船〜逗子間)・伊東線・宇都宮線(東北本線東京〜宇都宮間)・高崎線・上越線(高崎〜新前橋間)・両毛線(新前橋〜前橋間)と、首都圏の広範囲で運用されています。

付属編成U229編成を先頭にした15(D13編成)6号車へのトイレ増設以外にも改良が施されており、VVVFインバーター制御装置が初期のE01-E02E51-52は日立製作所のSC90が採用されましたが、2011年以降からは互換性を保ちながら更に小型軽量化を図ったSC98(磁励音は同一)を搭載するようになりました。

E233系+E231系の併結部分。両系列共にシステムが異なっていますが、E233系側に併結時にインターフェースを図る読み替え機能が搭載されています。写真は小山所属車同士の連結ですが、国府津車+小山車、またこの逆の組み合わせも日常的に見られます。

ロングシート仕様の車内。基本的には通勤型と同様ですが、写真は2011年以降に登場したモハE232-3800(6号車)である為、車端部に一般型洋式トイレ設備(車椅子非対応型)と反対側は枕木方向の2人掛け座席を配置しています。また、このトイレ下部には汚物処理装置を搭載した為に補助電源装置(SIV)のスペースが確保できず、モハの連結位置も変更されています。

セミクロスシート仕様の車内。基本編成の両端2両ずつ(12910号車)と付属編成の宇都宮・高崎寄り2(1415号車)がこの仕様です。車内案内表示器はE231系に合わせて液晶画面は採用されず、2段式LED表示器が設置されました。

グリーン車の2階席。E233系列では初となるダブルデッカー型グリーン車ですが、トイレや洗面所、業務用室の位置、普通車とは異なり単層ガラス・ステンレス仕上げのドアなど基本的な車内設備はE231系サロに準じた仕様になりました。

赤系モケットの1階席。こちらもE231系サロとあまり区別できる点はありませんが、東海道本線内での列車でグリーンアテンダントへの暴行事件が発生したことから側面ドア、乗務員室、業務用室付近に監視カメラが新設されています。

現在はE231系の機器更新が進行している状況なので、両系列が共存する状態がしばらく続くかと思いますが、小山車両センターに導入された初期車は既に23年目に入り置き換えも視野に入って来る年代になりました。E233系も初期の編成から機器更新時期に入ろうとしています。もしもE231系初期小山車置き換えが計画されたら、何らかの動き(新型車導入により短編成化での地方転出など)が発生するのか、今後が色々気になる形式です。

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首都圏と甲斐・信濃を結ぶ俊足ランナー、JR東日本E353系

2023年02月21日 | JR東日本

中央本線の特急「あずさ」「かいじ」では、長らく国鉄時代からの183189系が充当されて来ましたが、JR東日本発足後の1994123日から競合する高速バス路線に対抗すべく開発された振り子式機構を備えるE351系を充当する「スーパーあずさ」が新設され、2001121日からは183189系を完全に置き換えるべくE257系が停車駅の多い「あずさ」「かいじ」で運転を開始し、長らくこの2形式による体制が続きました。しかしE351系の老朽化による代替とE257系の東海道本線への転用が計画され2014年度にE353系の導入が発表、2015725日に量産先行車が落成し2017年まで約2年余りの各種性能試験を実施し同年1223日より定期の営業運転を開始しました。2019316日ダイヤ改正で「あずさ」「かいじ」の全列車がE353系で統一され、同時にスーパーあずさの愛称は廃止されましたが、先代E351系に続いて車体傾斜機構を備えており、山岳地帯を走行しながら新宿〜松本間の225.1キロを2時間半で走破する列車が設定されています。

未来的なフォルムが目を引くE353系。外観デザインは「伝統の継承」「未来への躍動」をコンセプトにしており、アルミニウム合金製車体に特徴的な先頭部はFRP成形品を組み合わせ、基本9両編成のクハE353-0と付属3両編成のクモハE352-0は貫通構造で自動幌装置を搭載し連結時は車両間の移動を可能にしました。カラーリングは前頭部にストリームブラック、南アルプスの雪を表すアルパインホワイト地に、あずさ号のイメージカラーであるバイオレットの細帯、窓周りには松本城の青味がかった黒をイメージしたキャッスルグレーを配しています。先述のように車体傾斜機構を搭載していますが、先代E351系が制御付き自然振り子装置だったのに対して空気バネへ圧縮空気を吸排気して車体を傾斜させる方式に改められています。

写真は何も基本編成のみの身軽な運用ですが、9両+3両での12両編成での運転もあり、特に20181214日からは3両編成が富士急行線河口湖まで定期で直通する「富士回遊」が設定され、新宿〜大月間は「あずさ・かいじ」と併結し、大月駅で分割併合を行うなど機動性をフルに発揮した運用に就いています。

普通車車内。右に見えるのは大型荷物置き場のパーテーションです。インテリアは「活動的で明るい寒色」をコンセプトにしたグレー系に座席は沿線を流れる梓川の清らかな水面をイメージしたブルー系パターンが盛り込まれました。

グリーン車車内。車椅子対応座席以外はシートピッチを拡大して2列+2列の設置になっています。天井や妻面に配された赤色は沿線の特産品である葡萄の色をイメージしているとのこと。

瞬く間に中央本線の特急列車を全て置き換え主力に躍り出たE353系ですが、2023320日より新設される塩尻〜松本〜長野間の特急「信州」にも充当されることが発表され、地方都市間を結ぶ特急にも進出することになりました。今後とも長く主力車両として活躍が見られそうです。

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東京を地下で東西に縦断、JR東日本E231系800番台

2023年01月03日 | JR東日本

JR東日本の新系列電車で地下鉄線への直通に対応した車両は、1999124日に千代田線〜常磐緩行線の直通車として登場した2091000番台が最初でした。この時点ではE231系は開発途上であった為、既に実績のある209系列の導入となり列車増発を目的とした増備だったこともあり僅かに102本のみという少数派に終わります。しかし中央・総武緩行線〜営団(東京メトロ)東西線の直通運転に長らく充当されていた1031200番台・301系の置き換えが決定すると新系列電車第二世代であるE231系の導入が決定し、満を持して地下鉄対応編成である800番台が登場。200351日より営業運転を開始しました。

東西線内の高架線を走行するE231800番台K4編成。2091000番台に酷似した裾絞りが無い2800ミリ車体ですが、側面窓構造や床下機器が大幅に異なっている他、運転席のマスコンに東西線内でのみ使用するデッドマン装置を搭載するなど、様々な相違点があります。

朝の通勤時間帯に中央線の緩行線を行くK7編成。車体のカラー帯は誤乗防止の為、東西線車両に合わせた青と水色の組み合わせになっています。乗り入れ先の東西線は起点と終点の両方で同一会社線に接続する数少ない地下鉄路線ですが、日中時間帯は自社線区間に入らず東西線の中野〜西船橋間で完結する運用も多く存在するなどJRの通勤電車としては珍しい運用が組まれており、相互直通運転が活発な首都圏ならではの車両運用と言えます。

東西線内折り返し運用に充当され、三鷹〜千葉間の緩行線で運用されている500番台車と地上の中野駅で並んだ場面。正面の構造や車体幅の違いから別形式のように見えます。

車内設備は幅が狭い以外は0番台がベースになっており、座席モケットの色やドア上のLED表示器なども準拠していますが、車椅子スペースは地下鉄車に合わせて29号車に設けられました。サービス向上の為に500山手線(2003年当時)・0番台常磐快速線向けに続いて自動放送装置を搭載しており、東西線内でも全区間で対応しています。

運用区間などに変化が無く動きの少ない800番台ですが、登場から20年目を控えて202212月にK3編成がVVVFインバーター制御装置更新の為に秋田総合車両センターに入場しました。今後他編成も順次入場し変わらず活躍して行くと思いますが、継続使用するならドア上の1LED表示を液晶画面に換装して欲しいですね・・・。

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地下鉄から快速用に転身、209系1000番台中央線

2022年12月01日 | JR東日本

1999年、常磐緩行線は信号システム更新に伴う列車増発で2091000番台を新製導入し同年124日のダイヤ改正より従来の203系・207900番台と共に代々木上原〜取手間で運用を開始しました。その後2009年〜2011年の間にE2332000番台が新造され203系・207900番台の置き換えを完了させるも、置き換え対象外の2091000番台は継続して運用されましたが、2018年で車種統一の為に定期運用を終了する事となり、同年1013日に「ありがとう209系常磐線各駅停車引退の旅」を実施し常磐緩行線〜千代田線での19年に渡る運用を終了、グリーン車組み込みが予定されている中央線快速の予備車確保の目的で豊田車両センターに転属することになりました。

平日日中の運用に就く81編成。松戸から豊田への転属は2018112(実際の出場と回送は115)で、帯色変更と地下鉄対応機器の撤去などが実施されています。なお客用扉の半自動化などは実施されていない他、自動放送の設置も見送られました。

81編成とは少々期間が空いた2019125日に出場(転属は124)した82編成。短期間の運用を想定したので、制御装置の更新も施工されず、首都圏では珍しくGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を維持する珍しい存在になりました。運用は固定されており、常に97T99Tに入ります。

車内設備に変化は無く、常磐緩行線時代からそのまま使用されています。営団地下鉄のトンネル規格に対応する為、狭幅車体であるため主力形式のE233系と比べると収容力が違い中央線の最混雑時間帯には難がありますね・・・。

ドア上のLED表示も中央線・青梅線の表示に対応させた以外は目立つ改修はされませんでした。表示器下の広告枠には紙の路線図が入っていますが、これは209系の為だけに製作されたものです。

転属の目的が予備車の確保である為、ある程度E233系へのグリーン車連結が完了すれば廃車になると思われますが、今や都心部にも乗り入れる数少ないGTO-VVVF車であることから、今しばらくは活躍して貰いたいものです。

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