町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

歴史は繰り返す?山手線から中央総武緩行線に転じたE231系500番台

2022年11月30日 | JR東日本

山手線は20022005年にかけ205系置き換え用として独自仕様のE231500番台を導入し運用して来ましたが、201411月に次世代車となるE235系が発表され、捻出されるE231500番台は中央総武緩行線への転用が報じられました。これにより、ホームドア新設対応に伴い6扉車の代替で新造された付随車サハE231-4600E235系に編入する改造を行う為10両編成化された上で三鷹車両センターに転属しています。転用先となる中央総武緩行線では経年が浅い209系500番台が1998年、E231系0番台が2000年より運用されていましたが、この2形式は玉突きで武蔵野線、八高・川越線に転用され205系と209系3000・3100番台への置き換えに充当されることになりました。

中央線の緩行線を行くA506編成。山手線時代はトウ506編成で、2020120日まで運用され最後まで残った編成です。なお、この編成に組み込まれていたサハE231-4606は残念ながら余剰車となり転用されること無く460246044605と共に解体されてしまいました。

E231500番台は緩行線車両ですが、時折出入庫の回送や試運転などで快速線を走行する姿も見られます。写真のA514編成は元トウ514編成で、山手線時代は2014年に東京駅100周年記念ラッピングを施され注目を浴びました。

登場以来殆ど変わらない車内設備。座席の緑系モケットは山手線への導入ということで採用されたもので、他番台では路線に関係なく青系のモケットを使用していた為、初めてカラーバリエーションが増えました。中央総武緩行線転用後も特に交換されることなく使用されています。

E231系では初採用となった液晶画面も15インチのまま表示内容の改修のみを行い継続使用されています。後継となるE233E235系では画面サイズが拡大され映像も鮮明になった為、さすがに2世代前の車両という印象ですね・・・。

国鉄時代の山手線では1961年に101系電車がカナリア色で新製配置され運用されていましたが、1963年に登場したウグイス色の103系に置き換えられ1969年までに中央総武緩行線に転属し、カナリア色が同線の路線カラーになったことは有名ですが、理由こそ違えど平成末期から令和にかけて再び山手線中央総武緩行線への大規模な転属が発生したことは実に興味深い点です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1都5県を結び大活躍する首都圏の顔・JR東日本E231系1000番台(国府津車)

2022年03月19日 | JR東日本

横須賀線・総武線快速用E217系の登場から、JR東日本では中距離路線でも4扉車両導入を推し進めることになり、2000年には209系、E217系の実績を元に新開発の列車運行システムを採用し通勤型と近郊型の性能を併せ持つ一般型電車E231系が登場。通勤仕様の0番台が中央総武緩行線に、編成内にセミクロスシートやトイレ設備を備えた近郊仕様の1000番台宇都宮線(東北本線)・高崎線に導入され、前者は103201系、後者は115系置き換えを進める事になりました。2001年からは湘南新宿ラインの運転開始で東海道線にも乗り入れるようになりましたが、2004年からは満を持してダブルデッカー型グリーン車を連結した東海道線仕様の1000番台が国府津車両センターに登場し、それまで同線で主力だった113系の置き換えに着手した他、普通車のみで構成されていた小山車両センターの宇都宮線・高崎線用の編成にもグリーン車を連結し200410月のダイヤ改正からは湘南新宿ラインの列車をグリーン車連結のE231系で統一するなど、瞬く間に勢力を拡大しました。

基本編成10両+付属編成5両の15両の在来線最長編成で快走するE231系国府津車(K-39編成)。近郊型に分類されるグループは2000年から小山車両センターに導入されていますが、2004年から増備された国府津車は更なる改良が施されており、具体的には冷房装置の増強、運転台のグラスコックピット化で針による表示を一掃、情報提供装置(VIS)の搭載で車内案内表示の充実化、VVVFインバーター制御装置のラジオノイズ対策(SC59からSC77へ、磁励音は同一)を施した仕様に変更など様々な点が異なります。東海道線向けの編成の新製に当たっては、K-01編成以外は8両で新造し、小山車両センター所属車からグリーン車組み込みで捻出されるサハE231を組み込む工事が発生しました。

S-18編成を先頭にした湘南新宿ライン特別快速高崎行き。湘南新宿ラインの運転系統は東海道線〜高崎線系統は国府津車、横須賀線〜宇都宮線系統は小山車と運用が分けられて来ましたが、2015年の上野東京ライン開通以降はそれらの制約は撤廃され、同時に211系置き換え用に大量導入されたE2333000番台との共通運用化に伴う併結運転も開始されています。何れの運用も非常に広範囲に渡り、片道で実に200キロを超える長距離運用も珍しくありません。

高崎地区普通列車に転用された211系3000番台と並ぶK-37編成。ちょっと昔の上野口か、はたまた東海道線のどこかの駅を想像させる眺めです。かつてはこのような並びは珍しくも無い日常の光景でしたが、今となってはどこか懐かしさを感じるようになりました。

半自動ドアスイッチ以外は通勤型と変わらないロングシート仕様の車内。座席が硬いという利用者の声を受け、Sバネを組み込んだ改良品を採用し、座り心地は向上しました。なお基本編成67号車の元小山車は座席・LED表示とも交換はされていない為簡単に判別出来ます。

小山車では宇都宮線・高崎線基準で基本編成の上野寄り2(12号車)をセミクロスシートとしましたが、観光需要が高い東海道線では910号車もセミクロスシート仕様としています(付属編成は1415号車のまま変わらず)。また、トイレ設備は小山車は1号車に車椅子対応、6号車に小型のトイレ設備を設置しましたが、110号車に車椅子対応大型トイレを設ける形に改められています。

E231系グループでは初めてとなるダブルデッカー型グリーン車の2階席車内。駅ホーム上の専用機で予めSuicaにグリーン券情報を書き込み、荷棚部の読み取り機に読み込ませて車内改札を省略するシステムは本形式から始まりました。LEDの車内案内表示は車端部の壁面に設置します。

1階席は赤系の座席が並びます。グリーン車のこの車内は、その後登場するE531系、E2333000番台にも引き継がれ、両形式も車内はほぼ同じ配色となっています。またE217系も後年にグリーン車の座席モケットを更新し、類似したイメージになっています。

山手線と並ぶ首都圏の顔的存在となったE231系1000番台近郊型ですが、早いもので小山車は登場から22年、国府津車は18年が経過してしまいました。2018年の一部報道では、東海道線・宇都宮線(東北本線)・高崎線にもE235系を導入する(→暗にE231系置き換えを示唆)ことを明言する内容が見られましたが、その後続報が無くなり小山車に続いて国府津車もVVVFインバーター制御装置・戸閉装置の更新を実施するようになりました。現在は新型コロナウイルスの影響で車両計画も全て見直されているようですが、現状を見ると横須賀・総武線系統のE217系のように東海道線・宇都宮線・高崎線を離れず老朽廃車まで活躍するのかも知れないですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相模線、E131系500番台によるワンマン運転を開始

2022年03月17日 | JR東日本

1991年の全線電化と同時に205500番台の運用を開始し、その後20002010年代に入り他線区の205系が大規模転属が見られるようになってからも車両陣容に変化の無かった相模線ですが、全線電化30周年を迎えた2021617日にE131500番台を導入することを発表、同年1118日より運転を開始しました。E131系は千葉支社管内の房総半島各線を初めとした末端区間のワンマン運転化の為に導入された形式ですが直流電化で短編成の車両が運用される線区での標準車両としての位置付けもあり、他線区への導入もJR東日本運輸車両部車両技術センターより明言されていましたが、それが実現した形となります。

現在はワンマン運転を実施している相模線のE131500番台。205500番台の運用は2022225日で運用を終了し、全列車のワンマン化は312日ダイヤ改正から開始されました。車掌が乗務していた際は種別表示が「各駅停車」でしたが、ダイヤ改正日からは「ワンマン」に改められています。

運転開始から311日までの朝夕通勤時間帯は横浜線八王子までの直通運転がありました。こちらも205系の運転開始と同時に設定された列車ですが、30年目で幕引きとなり、E131系充当は半年にも満たない4ヶ月余りと短期間に終わりました。

車内設備は横須賀・総武線快速用のE235系に類似したロングシートの車内で、ラインカラーと同じく青系の座席モケットです。205系と同様、駅間隔が比較的短く長距離利用も多くはない通勤路線での運用になる為トイレ設備は設置されませんでした。

ドア上の液晶画面は路線図や次の停車駅を表示する17インチ画面を1台を千鳥配置とされ動画広告用(トレインチャンネル)は省略しました。何も設置していない鴨居部にはせめて紙の路線図を掲出して欲しいですね・・・。

相模線ワンマン化と同日には宇都宮線・日光線用600番台も運転を開始し、既に次の導入路線には仙台支社の仙石線(あおば通〜石巻間)が候補に上がっています。本形式はホームドア設置が進行する首都圏の状況に合わせて導入された事が示されていますが、E233系大規模転用が中止になった今後どこまで数を増やすか注目されます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

205系600番台、日光線・宇都宮線の運用を終了。原型の先頭車は関東から消滅へ

2022年03月13日 | JR東日本

本年312日ダイヤ改正で宇都宮線(東北本線宇都宮〜黒磯間)・日光線はE131600番台による全面置き換えが実施され、同時にワンマン運転を開始しています。これにより、2013年から運用されて来た京葉線・埼京線から転入の205600番台は全編成が運用を終了し、JR東日本管内から新製時からの原型の先頭車を組み込んだ編成が消滅することになりました。宇都宮線・日光線では9年と比較的短い活躍になりました。

先代107系のレトロ調デザインをイメージした配色を纏う日光線色のY2編成。この帯色はY12Y4編成が該当し、Y3編成は観光列車"いろは"に改造され3編成体制となっていました。引退間際は限定運用が解除され湘南色の編成が日光線で運用、また逆に日光線色が宇都宮線運用に入るなど、狙うのがやや難しくなっていた編成です。

太陽が傾いて来た中を日光方面へ折り返す同編成。このメルヘン顔とあだ名される205系は1990年に京葉線の東京駅延伸開業を控えて導入されました。沿線には東京ディズニーランドがあるため、基本設計を変えずに楽しいイメージを表現しようとして生まれたグループですが、世界的テーマパークを有する東京湾岸エリアからの引退後に世界遺産日光へのアクセス路線へと移ったのは、なかなか華々しい生涯であったと云えるでしょう。

代走に入った湘南色編成。日中は2編成が往復する運用で、最末期は観光列車いろはのY3編成が固定で入るようになっていたため、日光線色が運用される機会が減少しました。

車内は前回の宇都宮線用湘南色編成と全く同一です。妻面貫通扉の窓から車椅子対応トイレが設置されているのが僅かに確認出来ますね。ドア付近の点字ブロック化は京葉車両センター時代に施工されました。

かつては首都圏の通勤路線の顔ともいえる存在だった205系ですが、いよいよ関東は南武支線・鶴見線の先頭車化改造編成グループと、関西ではJR西日本の奈良線で運用される体質改善工事を施工された0番台・高速対応型の1000番台のみとなりました。何れも遠くない将来の置き換えが想定されるので、残存する各線とも乗車・記録をしておきたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首都圏一般型電車の決定版・JR東日本E233系0番台(中央線快速)

2022年03月03日 | JR東日本

JR東日本では209系での実績を基に2000年から通勤型・近郊型の基本的仕様を統一した一般型電車のE231系を開発、中央総武緩行線を皮切りに国鉄型車両が残存する首都圏の各路線に於いて輸送・サービス改善を実施して来ました。2005年にはE231系をベースとした常磐線中距離電車向けである直流・交流両用E531系も加わり世代交代が加速しますが、東京圏の重通勤路線として全国的な知名度が高い中央線快速には、E231E531系で培われた技術を更に発展させた標準型車両E233系が導入されることになりました。現在は中央線快速用の10両固定編成(T編成)43本、6両+4両分割対応編成17本、青梅線・五日市線用の6(600編成)10本、4(400編成)8本の合計692両が豊田車両センターに配置されています。

10両固定編成のT41編成。来る2023年から中央線(東京〜大月間)・青梅線(立川〜青梅間)ではグリーン車サービスを予定しており、順次T編成とH編成に2階建グリーン車を増結されますが、その準備段階として4号車に車椅子対応大型トイレの新設と連結位置変更を進めています。T41編成は2019年にトイレ新設改造を受け、中央線のE233系としては3本目、長野総合車両センターで施工された最初の編成となりました。離合しているのはグリーン車増結工事の予備車確保で常磐緩行線から転入して来た2091000番台です。

6両+4両のH54編成。H編成は分割対応の為、非常に運用範囲が広く中央線(東京〜大月間)の他、青梅線(立川〜奥多摩)、五日市線(拝島〜武蔵五日市)、八高線(拝島〜高麗川※20223月ダイヤ改正で終了)に加え私鉄の富士急行線へも定期で直通運転が存在するなど、極めて多彩な運用をこなしています。このH54編成は、上のT41編成同様長野総合車両センターでトイレ新設・連結位置変更・SIV増設を施工し2020年11月に出場しました。

車内設備。E531系から暖色系の配色になりましたが、E233系では更に発展させユニバーサルデザインの採用や、客用ドアも化粧板仕上げにするなど大変明るい印象の車内になりました。オレンジ系の座席の背ずりモケットの柄は「情報の歴史」を表現しテレックス・バーコード・QRコードを模しています。半自動ドアボタンもE231・531系では箱型で車内側に出っ張っていましたが、E233系ではコンパクトに収められデザイン性も向上しています。

全ドア上に設置される15インチ液晶画面。この装置自体は当時山手線用だったE231系500番台で初採用されましたが、E233系では伝送速度が向上したのか映像がより鮮明になりました。17インチが主流になった現在、他形式と比較すると小振りに見えてしまいますね。

先述の通り2階建グリーン車導入に伴う準備が進行していますが、予定通りグリーン車増結が進行し2023年にサービス開始される事になれば在来線の一般型電車で単独の編成としては最長(T編成は12両固定編成化)になります。また、近年の省力化に伴い青400編成4本に対しワンマン対応化改造を実施の上で、こちらも2023年春からの運用を計画していることが発表されました。これまでも青670編成の南武線転属や2020年に突如としてT71編成が増備されるなどの動きはありましたが、来年からは運用・編成形態が大幅に変わる為、しばらくは観察する楽しみが尽きなさそうです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする