町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

設備見直しで更にグレードを高めた西武鉄道30000系(7次車以降)

2022年07月04日 | 西武鉄道

長年の主力だった新101系・301系の代替の為製造され、現代の西武鉄道の顔として運用されている30000系は8両と2両を中心に増備が進められ、支線区での運用を視野に入れた6両編成3本の製造も計画されていました。しかし計画見直しにより2013年度増備の7次車から10両固定編成が登場し、このグループから車内設備の設計と搭載する走行機器の一部変更が実施され初期車とは差異が生じています。初期の計画では8両編成12本、6両編成3本、2両編成3本の120両を増備する旨を発表していましたが、最終的には10両編成6本、8両編成18本、2両編成6本の合計216両の製造になりました。

2014年度増備の30103F。10両固定編成なので他編成を連結する事が無くなり、自動分併装置が省略されました。この編成は8次車に区分され、このグループから正面のコーポレートロゴを廃止し側面ロゴを西武鉄道表記に改めています。撮影当時は内容までは確認出来ませんでしたが、戸袋部に何らかのラッピング広告が施されていました。

2015年増備の9次車30105編成。2013年度増備車に準じています。先述の通り、主制御装置の型式が6次車までのVFI-HR1820A2群、ユニット方式の電動車に搭載)・VFI-HR1420R1群、単独の電動車に搭載)からVFI-HR2820R2群)・VFI-HR1421B1群)に変更されている他、主電動機も通常の三相誘導電動機であるEFO-K60HS32534-15RB)を全密閉型TFO-K60S32532-04RB)としています。

車内設備は荷物棚を5cm下げ金属菅構成から強化ガラスを使用した物になり、ガラス製妻面貫通扉に描かれている衝突防止イラストも変更、また優先席部の座席モケットはより色が濃い物に改められました。車内照明は新造時よりLED式を採用しています。

車内案内表示は17インチ画面になり、三菱電機セサミクロになりました。また乗客の目に見えない部分の変化として、戸閉装置が富士電機システムズのリニアモーター式からナブテスコ製の「Rock⭐︎Star」に変更され、扉の動作音が大幅に低減しています。

バリエーションに乏しいかと思いきや、初期車と後期車を細かく分類するとロゴマークの有無やグラデーションの微細な変更、搭載機器の違いなど意外と変化していますね。

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伊豆箱根鉄道カラーで活躍する西武鉄道新101系

2022年06月27日 | 西武鉄道

支線区で最後の活躍が続く新101系グループですが、2017年度で伊豆箱根鉄道創立100周年・西武多摩川線開業100周年の節目を迎えるに当たりコラボレーション企画を実施することになり、多摩川線所属車に新101系を譲り受けて改造した伊豆箱根鉄道1300系のカラーリングを施されました。現在でも車体のカラーは変更されておらず、短距離ながら赤電塗装やツートン旧塗装と合わせたカラフルな3種類の装いで運用が続いています。

ホワイトをベースにライオンズブルーと呼ばれるカラーリングに改められた1241編成。この塗装は12491261編成も纏っていたことがありますが、1249編成はツートンカラー(旧塗装)に変更、1261編成は廃車になり(クハ1262のみがL-train101として西武球場前の広場に保存)唯一の伊豆箱根鉄道カラーの編成となりました。

登場したばかりの頃は、幕板部に入る帯が側面行先表示を避けるように上部に施されていましたが、後になってから帯の位置が若干下げられ、1300系の塗り分けをより忠実に再現した格好に改められています。

こちらが伊豆箱根鉄道1300形。先述の通り新101系の譲渡車で、駿豆線では3両編成を組む必要がある事から4両編成と2両編成をベースにクモハ1300+モハ1400+クハ2200とし、32編成の計6両が伊豆箱根鉄道入りしました。なお1301編成は西武旧塗装に改められ、イエローパラダイストレインとされています。

車内設備は他の新101系ワンマン対応車と全く変わらず、白の化粧板に青系のバケットシートを組み合わせています。西武通勤車ではお馴染みだった3扉車ならではの長いシート配置もサステナ(西武鉄道に於ける他社からの譲受車)車両導入による置き換え発表で見納めになってしまいますね。

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夢を乗せて、ドラえもんが駆け抜ける! 〜西武鉄道30000系・DORAEMON-GO!〜

2022年06月21日 | 西武鉄道

今やすっかり日本を代表する漫画作品として浸透し幅広い世代から親しまれているドラえもんは2020年で連載開始から50周年という節目を迎えました。その記念企画の一環で西武鉄道では新宿線で運用されている3000038101編成をフルラッピングを施し車内もドラえもんの特別仕様とした「DORAEMONGO!」とすることを発表、同年108日から新宿線・拝島線系統で運用を開始しています。202110月〜12月には期間限定で池袋線系統でも運転され111314日には西武秩父まで入線しました。

丸味の強い先頭部をドラえもんの顔に見立て、車体は青でフルラッピングされた38101編成。側面ドアの内2箇所も顔を模したデザインになっています。運用初日となった2020108日には上石神井車両基地で報道陣向け公開セレモニーも実施されました。

西武鉄道の沿線にはアニメーション製作会社が点在していることから何かとアニメ・漫画とは縁が深いですが、この「DORAEMONGO!」もドラえもんのTVアニメを製作しているシンエイ動画が西東京市田無町に所在することから実現する運びとなりました。

車内設備。座席は四次元ポケットを背凭れにデザインしたブルーの座席と、どこでもドアをイメージした貫通扉、青系で統一された吊り手やキャラクターが描かれた注意喚起のドアステッカーなど賑やかで楽しい雰囲気を演出しています。

ドア上に設置されている車内案内表示は登場以来の15インチ液晶画面で変わりありませんが、ドラえもん仕様のマナー喚起ステッカーが貼られました。

現段階では終了時期などの発表は無く今後も継続されるようですが、少しでも長い期間の運転を続けて貰いたいですね。

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西武鉄道「サステナ車両」導入へ、新101系などを置き換えか

2022年06月07日 | 西武鉄道

西武ホールディングスは、本年512日に20223月期決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(20212023年度)」の進捗を発表しましたが、補足資料内に「サステナ車両」の導入に関する記述があり、「無塗装車体、VVVFインバーター制御等の他社からの譲受車両を当社独自の呼称として定義」とあり、関東大手私鉄ながら他社車両の購入を検討している事が示され衝撃を与えました。その目的は抵抗制御、界磁チョッパ制御で残る車両の置き換えを目指して行くとのことで、支線からの導入になるとの事ですが、これらの情報を見るに、西武鉄道の路線群から孤立している多摩川線の新101系が真っ先に置き換えられるのではという予想が浮かびます。

窓周りがベージュのツートン旧塗装を纏う1245F。置き換えが完了すれば、長らく続いた西武の3扉通勤車の歴史に終止符が打たれることになります。余談ですが、この正面スタイルを一新して新101系と区別されるようになったグループは、西武通勤車としては初の外部への発注で、かつては箱根山・伊豆戦争で対立関係にあった東急グループの東急車輌製造(現在の総合車輌製作所)である事が特徴です。

現在は赤電塗装(写真)と黄色+ベージュ旧塗装に加え、伊豆箱根鉄道カラーの3色の新101系が運用され懐かしい昭和の雰囲気が漂う多摩川線ですが、他社車両で置き換えられるかも知れない事になるとは全く想定外でしたね。

ワンマン改造・リニューアルでイメージを一新した車内。かつてはクリーム系の化粧板に焦茶色の座席モケットでしたが、現在残るワンマン対応編成は白系の配色に青の座席となり爽やかで明るい雰囲気になりました。

ドア上にはLED表示器と開閉予告装置も新設され、同時に車椅子スペースも設けられたことからバリアフリーにも対応しています。

秩父線山岳区間にも対応出来る高性能車として、広範囲に渡り運用され秩父鉄道線への乗り入れも見られた101系ですが、いよいよその歴史にも終止符が打たれる日が近づいて来たようです。新たに導入予定の車両に関してはまだ協議中との事ですが、公式発表が期待されますね。

 

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次期標準車両として幅広い活躍を見せる西武鉄道40000系(50番台)

2021年08月09日 | 西武鉄道

西武鉄道初のデュアルシート装備車として20173月に登場した40000系は、有楽町線・副都心線との直通を行う有料座席指定列車「S-TRAIN」と、日中はロングシートモードで線内運用中心に運用されて来ました。2019年からは50番台に区分されるオールロングシート・トイレ設備無しの編成が登場し、6000系と共に日中は運用が設定されていなかった副都心線〜東急東横線・みなとみらい線にも姿を見せるようになりました。

前面の非常用貫通扉にLONGのマークを掲出する4000050番台。東急東横線内でFライナー特急運用に就く姿です。50番台は6000系同様に副都心線系統の他、有楽町線内折り返し列車や平日限定で元町・中華街〜渋谷間で完結する運用も存在し、幅広い活躍が時間帯を問わず見られます。デュアルシート装備の0番台同様に10号車に設置の車椅子・ベビーカー向けパートナーゾーン、半自動機能付きドアも引き継がれました。

自社線運用にも充当されており、池袋〜飯能間で地下鉄に関連しない優等列車に就く姿も。30000系のコンセプトを発展させた「人にやさしい、みんなと共に進む電車」として今後の標準車両に位置付けられている為、更なる増備が予定されています。

車内設備。座席は首都圏の標準車両で見慣れた片持ち式ですが、背凭れ形状が変化し独自性を出しました。白を基調にした清潔感のある配色で、袖仕切りのガラス部や青いロングシートのモケット、妻面貫通扉部分に桜の模様が描かれ瀟洒ながら楽しく華やかな雰囲気を併せ持っています。

ドア上には左右一体型ワイド液晶画面(西武スマイルビジョン)を設置。この装備は15インチ画面を搭載する30000系初期車や池袋線所属の6000系にも波及し換装された編成が登場しています。

西武鉄道の標準車両という事で地上線から地下鉄直通まで幅広い活躍を見せており、ペースは非常に緩やかながら今後も増備が予定されています。将来的には地下鉄用のATOを省略した新宿線用車両の登場も期待されますね。

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