西武鉄道初にして唯一のステンレス車である6000系は、1996年度の増備車より更なる車体の軽量化・省エネルギー化を図るべくアルミ車体で製造されることになりました。ステンレス車では10両編成全体の重量が339.2tありましたが、アルミ車体に設計変更された5次車では325.1t、戸袋窓省略・台車変更が為された6次車では310.1tとなり、実にステンレス車とは29.1tの重量差が生じています。
東横線に乗り入れた6153F。ステンレス車とイメージを揃えてる為にグレー塗装が施されています。在来車の流れを汲み戸袋窓を備えていましたが、車内側に広告枠を設置する為、現在は閉鎖されました。完全には埋め込まれず、車内側は窓があった位置を化粧板で塞ぎ外側のガラス部は塗装を施す簡易的な工法で、9000系にも同様に施工されています。
新製時より戸袋窓を廃止し、モノリンク式ボルスタレス台車に設計変更した最終増備グループの7次車。6156F〜6158Fの3編成が該当し、以後の西武通勤車はアルミ車体で製造される事になりました。写真はメットライフドームでのコンサート開催時の臨時列車で西武球場前に姿を見せた場面です。
戸袋窓が省略された7次車車内。6次車も戸袋部閉塞工事で大差が無くなりましたが化粧板で塞いだ形跡がある為、容易に判別可能です。戸袋以外にもステンレス車では単層ガラスだったドア窓が複層ガラスに変更されドア本体との段差を無くし結露や手の引き込み防止を図っています。
ステンレス車と同様にLED表示器から交換された15インチ液晶画面。同時にドアチャイムが鳴動するタイミングも変更されました。現在は40000系同様の左右一体型17インチ画面に換装される編成が出ています。
現在は機器更新工事も完了し、有楽町線や副都心線、東急東横線直通運用に用いられ幅広い活躍が見られる6000系ですが、40000系のロングシート仕様車が増備を控えており、将来的には自社の地上線への本格的な転用などがあるかどうかも含めて動向が注目されます。