現在首都圏の事業者では新型エルガの大量導入が進行し、初期エルガを新エルガで置き換えることも最早珍しいことではなくなりました。いすゞ車のヘビーユーザーで知られる小田急バスも例外ではなく、既にPJ-規制の車両にも多数の廃車が出ています。その中で、新車攻勢に曝されながらもしぶとく生き残り活躍中の古参エルガを捕らえました。これらの車両は筆者が中学生の時に導入されたグループで、個人的感覚では未だにそこそこ新しいイメージが拭えないのですが、既にいつ置き換えられてもおかしくない年代になったことに時間の流れの速さを実感させられます。
毎度おなじみ、狛江営業所所属車を撮影するには好適な狛江駅北口乗り場付近で。04-D9060号車(KL-LV280L1・2004年式)。2000年6月20日より販売された型式で、エンジンはV型8気筒の8PE1型を搭載しており、小田急では車番9006番以降の車両からこのエルガの採用になります。当初は町田・生田に配置され、2002年春より狛江にも登場し東京都区部の路線でも姿を見るようになりました。
調布駅南口ロータリーで待機中の05-9101号車。型式はPJ-LV234L1です。この型式はそれまで販売されてきたKL-規制車に代わり、いすゞ自動車より2004年12月21日に設定が発表され小田急バスには販売開始から僅か3日で吉祥寺を皮切りに各営業所へ導入されています。乗客視点では気付かない変化として、エンジンが先代モデルから更に改良された6HK1-TCC型を搭載するようになり、走行音が同時期の中型車エルガミオにも類似した音になりました。同車の冷房装置にはサーモキング製を搭載しており、デンソーの冷房を搭載する上の04-D9060と比較すると、屋根上の冷房ユニットが異なるのが分かります。同じように見えて、細かな差異が存在するのが面白いところですね。
武蔵境営業所の05-C9107号車。同営業所の大型路線車は1999年に導入された三菱ふそうのノンステップ車を除けば、いすゞ車のみで統一されており(現在は日野自動車のブルーリボンシティハイブリッドが在籍中の為、この原則は崩れています)当然のごとくエルガも大量導入が実施され、翌年2006年には一気に10台が導入、それまで主力だった8100番台のU-LV324系列の廃車が本格化しました。
小田急グループマテリアルズ仕様の車内。模様入りの青色の一般座席と赤紫の優先座席は末期のKL-車から引き継がれました。2008年頃に、中扉のドアブザーはチャイムに更新されています。
ノンステップバス化100%達成後も、よく観察すれば結構違って面白い路線バスですが果たしてこれらは何時まで残存するか、見守って行きたいところです。
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