現在の小田急通勤電車の最多数派3000形ですが、2010年から輸送力増強の為6両編成の後期製造分に4両の新造中間車を増結し10両固定編成化が施行され3091F~3095Fの5編成が登場しました。その後しばらく組成変更は一時中断になりましたが2017年度より8両編成に2両の中間車を増結することが発表され、同年中に落成した新造中間車を3665Fに組み込み、新たに3081Fとして営業運転を開始しました。現在進行中の代々木八幡駅の大規模改良工事が完了すれば新宿~本厚木間で近郊各停も10両編成になることが計画されている為、今後も更に複数の編成の10両固定化が進行していくものと思われます。
元・3665Fの3081F10両編成。1000形で初登場した10両固定編成は車両番号の10の位を90番台にしていましたが、3000形では3095Fの続番とならず、新たに80番台の車号が付与されました。他の10両編成とは異なり、帯のインペリアルブルー化と車内案内表示器の換装(15インチ画面1台から17インチ画面2台)、主電動機の全密閉式化など、単なる増結だけではない更に踏み込んだ内容の工事になりました。
在来の8両編成も、6・7次車を中心に帯の更新や液晶画面の換装など順次改造工事を受けており最新形式の4000形に近い水準に改められつつあります。しかし3次車を初めとしたグループには未だ更新が及んでいません。
10両編成化に伴い新造された中間車の車内。基本的な仕様は3091~3095Fの新造中間車に準じていますが、表面を加工して滑りにくくした手摺や近年採用が相次いでいる三菱電機セサミクロの17インチワイド液晶画面による車内案内表示など更に改良した設備に改められています。
従来の車両も改良されていますが、ドア付近の黄色化や手摺の増設、座席の交換は見送られており同一編成内でまたサービスレベルに差異が生じました。もっとも編成組み換えや転配を繰り返して滅茶苦茶な状態の東急5000系列に比べれば軽微な差ではありますが・・・。
今後は10両編成化の進行は勿論、沿線火災で被災し工場入りしている3651Fの出場時期や登場年数を考えればVVVF制御装置の更新予定が出てきても不思議ではなく、しばらくは楽しませてくれそうな予感です。