公園に設置されている路線バスは数多く存在するものの、その多くは遊具の延長のような扱いであり経年劣化が進むと撤去〜解体の道を辿ってしまうことが殆どのようです。その中でも、辛うじて僅かな車両が保存に近い形で設置されているケースがあり今回紹介する板橋区交通公園の元都営バスBU04もその一つです。
局番もそのままに園内で余生を送るG-C457号車(いすゞ製BU04V・1975年式)。今は亡き大塚営業所の所属車両で、いすゞシャーシに川重車体製ボディーを架装するグループです。文京区や豊島区の路線を中心に運用されていました。廃車は1987年で、都電7508号車と共に、既にこの地で30年余の時を過ごしています。
後方から。モノコック車ながらスケルトン車で採用のナックルカラーに塗装変更を受けたこの車両ですが、緑部分はすっかり色褪せて薄緑に近くなってしまいました。前面は行き先方向幕が埋め込まれてしまっていますが、こちら側は残存しています。
車内は柵で仕切られ、開放時間も限定している為か一部破損はあるものの、比較的良好な状態です。もちろんこの時代に冷房などなく、一部の窓には木製の床に紺色の座席モケットの組み合わせは今の40代以上の都民には懐かしい組み合わせのはず。
車内後方から。中扉付近には本棚が設置され絵本などが並べられていますが、この車両の現役当時はツーマン体制の路線も存在し、その場所が車掌が乗務するスペースでした。
かつては屋根が設置されていたようですが、それが撤去されてしまい雨晒しになっているので、車体外観が残念なことです・・・。数少ないツーステップバスで更に貴重なモノコックの保存車ということで、どうか管理している板橋区には、修繕や上屋の再整備などをお願いしたいところですね。そこまでの予算を割くのは難しいのかも知れませんが・・・。