町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

相鉄は次の時代へ。“YOKOHAMA NAVYBLUE”を纏う9000系

2019年09月08日 | 相模鉄道

相鉄では、来たるJR東日本との相互直通運転による東京都心乗り入れに向け、デザインブランドアッププロジェクトの一環として2015年に横浜の海をイメージしたという、深みのある青の「YOKOHAMA NAVYBLUE」(以下YNB)で車体塗装を統一することを発表しました。これは、ステンレスの無塗装仕上げの車両が増える中で車体全体を塗装した人目を引く車両を走らせ、知名度向上と共に利用者から相鉄沿線を居住地の選択肢に入れて貰うことを意図しています。その第一弾として選ばれたのが9000系の9703Fで、2016年3月10日に公開され、4月10日のいずみ野線40周年記念の臨時列車で営業運転を開始しました。

YNB化され、正面の連結器カバー撤去や前照灯の移設で印象が激変した9000系。自動車用の塗料に使用されるマイカ(雲母)を配合している為、独特な輝きを持ち、見る角度や天候などによって色調が変化して見えます。

秋晴れの空の下で撮影した9707F。夏空で撮影した上写真の9702Fとは色調が異なって見えます。この色を選定するに当たっては、阪急電鉄を参考にし、「100年経っても色褪せない、変えない」をコンセプトにしているそうです。これから先、10年・20年・30年と過ぎた先に、相鉄のカラーは伝統の海をイメージした紺色として認識されるようになるでしょうか。

車内もグレーをキーカラーに定めた高級感と落ち着きを備えた設備に大幅に変更されました。8000系室内更新車ともまた異なる形状の袖仕切に、グレートーンのバケットシートを備えています。卵型の独特な形状の吊り手はこのプロジェクトの為に新規に開発されました。

相鉄名物のセミクロスシート車は、ボックス席部分にパーテーションのような形状になり、座席部分はスコットランド製本革シートに改められています。この他、通勤電車では初の試みとして時間帯や季節で色合いが変化するLED照明を採用しました。9000系の兄弟系列である8000系の設計コンセプトは「走る応接間」でしたが、この改造で、よりその思想が濃くなった印象です。

都心直通は新形式12000系が充当されることになりましたが、長年相鉄の主力として馴染み深かった9000系や8000系がYNB化を受けた姿で、JR線乗り入れを行う場面が実現しないのは、少々残念ですが(そもそもJR東日本があのガラパゴス化の極みのような車両の入線は許さないでしょう)、今後は長らく続いた相鉄の技術的特徴を今に伝える車両として、20年でも30年でも長く活躍して貰いたいと思います・・・。

 

 

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