町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

複雑怪奇なバリエーションの東急5000系(2代目・後期車)

2020年03月05日 | 東京急行電鉄

渋谷駅の東急(初代)5000系が話題を呼んでいるところですが、今日の記事は田園都市線と東横線で大活躍中の2代目5000系です。以前にも初期製造車を記事にしていますが、今回取り上げるのは2008年から製造の7次車で、ほぼ完成の領域に達したグループです。

田園都市線向けに10両編成で一括製造された5120F。この編成は元々6扉車を3両連結していましたが、ホームドア設置計画に伴い2016年に新造4扉車への組み替えを一番最初に受けました。外観は6次車までの在来グループと比較すると、正面の尖った強化型スカートが目立ちます。

本来は5000系は田園都市線向けの車両ですが、副都心線直通を控えて急ピッチで車両置き換えと増備を進めていた東横線にも一部転属が発生している他、一度も田園都市線で運用された実績が無い編成も存在します。写真の編成は元は5121Fで、6扉車2両(サハ5521・5821)とデハ5921の3両を外し、元サハ5420を連結し下り方先頭車クハ5021はクハ5821に改番されています。外観こそ5050系と大差ないものの、車内は青系の配色のまま存置されており、容易に区別出来ます。ATO搭載改造を受け副都心線や東武東上線・西武池袋線への直通にも充当されており、田園都市線には戻らず東横線で運用されて行くのでしょう。

7次車の車内設備。化粧板仕上げの側扉は6次車から採用されましたが、7次車では袖仕切りを大井町線急行用の6000系と同じ形状に改め、ドア開閉時に点滅する鴨居部には扉開閉表示灯も設置されました。東横線所属車もこの内装は変わりません。

6扉車置き換え用の新造4扉車では車内のデザインを大幅に変更し、ハイバックシートや緑系の配色など、2020系の先行試作車の要素を感じさせる設備が随所に見られます。この為、初期の編成ではサービスレベルが全く異なる車両が1編成の内に混在することになりました。

度重なる設計変更や路線別の仕様違いで、多彩かつ複雑なバリエーションが生まれた5000系グループですが、かつての主力だった8000系グループを凌ぐ勢いになりました。初期の車両は登場から18年が経過している為、今後はVVVF制御装置や室内の更新などが予想されますが、その際はまた新たなバリエーションが生まれる可能性があり、どんな動きを見せるか楽しみな系列です。

 

 

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