1000形と同一の正面スタイルながら走行機器類や車内設備を一新して1995年より運転を開始した2000形は、1994年度末に2051・2052F、1998年度に2053F、2000〜2001年度に2054〜2059Fと段階的に増備されながら8両編成9本の72両という少数派に留まりました。本数の割に細かい小改良がされており、2053Fから通過標識灯の廃止、2054F以降からはUVカットガラス採用による側面窓ブラインド廃止(他編成にも波及)、7人掛け座席へのスタンションポール新設、優先席部の荷棚と吊り手高さ変更、車椅子スペース位置変更など編成間で数々の差異が見受けられます。近年は2059Fを除いて座席袖仕切りの大型化や行先表示器のフルカラーLEDへの換装、帯色のインペリアルブルー化、またVVVFインバーター制御装置のソフト改修が実施されていますが、抜本的なリニューアルの予定は無いようで、運用に制限がある8両固定編成という事もあり先行きが気になる形式になりました。
2001年1月25日に登場した2057F。2600形の8両編成を置き換える為に増備されたグループで、1998年の通過標識灯廃止を受け当初より設置が省略されました。2000〜2001年は増備のペースが上がりましたが、2001年度中に3000形の登場が決定していた為そちらに移行してしまい増備は終了、当初計画されていた千代田線直通対応の10両編成も実現することはありませんでした。
2000年12月28日登場の2056F。小田急通勤車両では20世紀に製造された最後の編成です。2054F〜2059Fまでは殆ど間隔を開けずに急ピッチで増備されました。1000形の時も日本車輌製造・東急車輛製造・川崎重工業の三社で分担して製造しましたが、2000形も前例を踏襲し、各メーカーに3編成ずつ均等に発注しています。
後期車の車内設備。以前に記事にした初期車と比べると当初からスタンションポールが設置されていた為、座席袖部に併設された曲線の手すりとは形状が揃っていないのが特徴です。また先頭車は車椅子スペースが車端部から乗務員室寄りに移設されました。
登場時は画期的な設備だったLEDによる車内案内表示も液晶画面が主流になった現在では前時代的印象が否めません。
本来なら2000形もリニューアルを実施してもおかしくない年代に差し掛かっていますが、1000形のリニューアル完了+未更新車全廃後は3000形3次車6両編成の3265Fがリニューアルの対象になりました。これの意味するところは、2000形と3000形1・2次車、LED車内案内表示器を搭載する3次車8両編成には大規模な更新はしないものと受け取る事が出来、特に江ノ島線や小田原線新松田〜小田原間で各駅停車に使用出来ない8両は将来的には新形式での置き換え廃車も視野に入れているのかも知れません。まだまだ予想の域を出ませんが、これからの動向に注目ですね。