町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

登場から30年余を数える“Boso View Express”JR東日本255系

2024年03月03日 | JR東日本

千葉県房総半島に至る内房線・外房線方面と東京を結ぶ特急列車には国鉄時代の1972年以来183系電車を充当していましたが、平成時代に入り登場から20年以上が経過すると老朽化・陳腐化で置き換えが視野に入るようになりました。折しも同時期には東関東自動車道延伸と東京湾横断道路(現在の東京湾アクアライン)着工など高速道路網が相次いで整備されていた為、マイカーや高速バスへの競争力強化と房総特急のイメージアップを目的として255系が登場することとなりました。JR東日本発足後の特急電車として初のVVVFインバーター制御を採用し、当時の通商産業省(現・経済産業省)のグッドデザイン商品に選定されるなど意欲的な設計が評価された車両ですが、登場から30年以上が経過し、JR東日本の特急車としてはかなりの古参の領域に達しています。 

京葉線内の海沿いの高架線を行く255系。観光特急らしく拡大された窓とビビットなカラーリングが目を引きますが、ホワイト部分は夏のビーチ、ブルーは深みのある太平洋、イエローは太陽の光と房総半島に広がる菜の花畑をイメージしており、ブルーとイエローは同じ地区で運用される普通列車(209系)の帯色に採用されました。

登場時は保安装置の関係で京葉線経由の列車に限定運用されていましたが、2004年度に横須賀線・総武線快速の品川〜錦糸町間の地下区間がATCからATS-Pに切り替えられ、総武本線の運用にも保安装置の改造無しで対応できるようになっています。首都圏の電車では比較的珍しく東芝製GTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を搭載していた為、起動・停止時には独特の磁励音を耳にすることが出来ましたが、2014〜2016年度に掛けてIGBTによる新インバーター制御装置に換装されています。

普通車の車内。座席は255系用に新規設計され、シートピッチは970ミリを確保しています。観光需要の多さを踏まえて4人向かい合わせ時でも使用可能なインアームテーブルを肘掛けに収納し、これはグリーン車でも採用されました。

グリーン車車内。普通車よりもゆとりを持たせる為にシートピッチを1160ミリとしています。観光のみならず旺盛な遠距離通勤需要にも応えるため、本形式以降はグリーン車の車内設備も2人掛け+2人掛けの配列が基本とされるようになっています。

来る2024年3月ダイヤ改正では、これまで成田エクスプレス専用車であったE259系を房総方面各列車に転用し、255系は引退かと思われましたが、実際のプレスリリースでは続投を示唆する記述がありました。今後どれくらいの期間運用に入るのか注目ですね。

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