2018年、大量に活躍している8500系の本格的な置き換えに着手すべく2020系の運転が開始されましたが、同年の4月22日から東急文化村に関連する広告電車として、8500系8637Fによる「Bunkamura号」が運用を開始しました。この編成は文化村のラッピングを前にドア部を赤・緑・黄・青の4色で装飾して運用に入り大きな話題を呼びましたが、広告電車となった現在もカラフルな装いで一際目立ち、独特の存在感を放っています。
東急ケーブルテレビジョンの広告電車として青帯が巻かれ、その後先頭車にシャボン玉の装飾を施して貸切広告電車TOQ-BOXとして運用されて何かと注目される機会が多かった8637Fですが、8500系の置き換え再開と同時期の運転開始だったこともあり引退前の花道といった趣です。
Bunkamuraとは株式会社東急文化村が運営する渋谷区の複合文化施設で、東急グループの文化戦略を担う中核企業ですが、敢えて最新の2020系や主力の5000系ではなく引退を控えた8500系を起用する辺り鉄道マニア目線では非常に英断ですね。
9000系と同時期に増備された為、同系に準じて設計変更された車内。以前に記事にした編成とは異なり扇風機や箱型の吹き出し口が姿を消しラインデリアを設置しています。また、座席の中仕切りや袖仕切りは新製時から設置されました。ドア窓もガラス押さえが変更されて車内側に段差が出来ています。
2005年初頭に交通バリアフリー対応で設置された車内案内表示器。ドアチャイムと共に乗り入れ先を含全区間で現在も稼働していますが、残念ながら自動放送装置は更新が見送られたようで使用停止になってしまいました。
いよいよ引退が近付いて来た8500系ですが、車齢が9000系とほぼ同期の8637Fは最後の方まで残存することが予想され暫くは楽しませてくれそうです。