京王電鉄は2024年5月10日に京王線用の新形式2000系の導入を発表し、2026年初頭に10両編成1本が運用開始、2027年までに4編成40両が増備されることが明らかになりました。2023年3月24日のニュースリリースでは車両代替新造による非貫通編成の解消が表面されており、7000系6両+4両と6両+2両、9000系8両+7000系2両の3種類の組成を廃止する方向を示しましたが、これらは2000系によって実施されることになります。編成単位で初の廃車は2017年12月の7706Fで、その後も5000系増備で緩やかながらも廃車が発生しており、現在110両が運用されていますが、本格的な置き換えがいよいよ見えて来ました。
2023年7月23日に運用を離脱した7705F。1984年に5両編成で新製され、1987年に中間車(デハ7155)を増備して6両編成化されました。新製配置から39年が経過しており、京王の車両としてはかなり長寿命でした。廃車になる直前の6月末までは「陣馬」のヘッドマーク掲出や、京王110周年記念撮影会にも登場するなど最後を飾るかのように注目を集めました。運用離脱後は若葉台で主要機器類の撤去と車体の切断を行い8月1日から搬出されています。
2024年6月24日にはビードプレス車体の後期車で4両編成の7804Fが廃車になり、マイナーチェンジを行った後期車で初の廃車発生になりました。行先表示器のフルカラー化や車内LED照明化も実施されましたが、非貫通編成解消のため廃車の順序は初期車・後期車も関係なくなったようです。新製は1993年で31年の活躍でした。7803Fと共に、車内案内表示器をLEDスクロール式からコイト電工の液晶画面である「パッとビジョン」に換装されているのが特徴でしたが、京王での採用は見送られ2023年にはLEDに再び戻されていました。写真は110周年記念ヘッドマークを取り付けて運転していた頃の姿です。
コルゲート車体の初期車(左)とビードプレス車体の後期車(右)の違いが良く分かる連結面。7000系も貫通扉を備えており、初期車には渡り板も設置されていましたが6000系とは違い幌で繋げられることはなく、非常用という位置付けでした。
戸袋にも窓が設けられ、6000系以来一時期の伝統だった角ばった窓のドアの組み合わせも7000系のみになりました。液晶画面や自動放送装置を備えた後期車の10両固定編成は2000系登場後もしばらく活躍すると思われますが、昭和の京王帝都時代から運用されている車両には確実に終焉が近付いて来ました。