2010年代前半には続々と首都圏の主要路線へE233系の導入が実施され、世代交代が急速に進行しましたが、かつては他路線からの転用車が中心となっていた南武線にもその波は及び、2014年から同線向け8000番台の導入を発表し、同年10月4日から運用開始。それまで主力として運用されて来た205系と209系の置き換えが始まり、最後まで残った209系2200番台置き換え用に豊田車両センターからの0番台を改造し転入させた8500番台の導入で2017年2月10日から南武線の定期列車は全列車E233系化されました。
ラインカラーはJR東日本発足後の1989年3月11日より導入の205系で採用された三色(黄色+橙+ぶどう色)の帯が引き継がれ、先頭車の乗務員室直後には「明るく弾み伸びゆく沿線」をイメージしたロゴと沿線の街並みを表現したイラストが入る楽しい雰囲気のデザインになりました。
同線から置き換えられた205系は廃車になる一方で新製導入並びに山手線から転属の0番台車はインドネシアへ譲渡された他、209系は最後まで残存した2200番台1編成が房総地区のジョイフルトレイン「B.B.BASE」に改造され何れも活躍中です。
路線別に座席モケットのカラーバリエーションが見られるE233系ですが、8000番台はラインカラーに合わせて模様入りの黄色+茶色系になり画一的な同系の中で他路線には無いオリジナル仕様とされています。
ドア上は当然のように17インチ液晶画面を設置しており、それまでは少数派の209系に次の停車駅を表示するLED式案内表示があったのみですから大変な進歩になりました。営業運転を開始した頃は他路線からの転入車が使用されているのは国鉄時代から沿線住民にとって周知の事実らしく、「南武線なのにTVが付いた新型車が入った…」との会話を耳にしたものです。かつての各駅停車のみで新車導入が途絶えた期間を思うと、駅改良工事や高架線化なども併せて見違える程改善されましたね。