町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

快適通勤への試金石・京急600形(3代目)

2020年01月20日 | 京浜急行電鉄

京急では都営浅草線直通運用に就いていた初代1000形初期車の置き換えの為、1500形に続く新形式として1994年より600形(3代目)を導入しました。日本の地下鉄直通運転に対応する通勤電車では極めて珍しいオールクロスシート車両として設計され、特に2人掛けと1人掛けが乗務員室からの操作で転換するツイングルシート(※ツイン・シングルと星のツインクルを掛けた造語)と呼ばれる設備は、マスメディアにも取り上げられ大きな注目を集めました。

しかし、斬新な設備設計は中々上手く行かないもので、機能維持に手間が掛かることを理由にツイングルシートは2002年より固定化、更に2005年からはロングシート化改造が施行され、本形式は新1000形に近い設備の汎用通勤車になっています。

42本併結の8両編成でエアポート急行に充当される600形。新逗子~羽田空港間の自社線運用では、必ずしも貫通編成である必要が無いので、このような組成が多く見られます。ちなみにこの新1000形まで引き継がれている丸味を持たせた前頭部は気球をイメージしており、600形から始まりました。登場時はワイパーカバーがグレーでしたが、1年程でアイボリーに改められ、更新改造時には形式の数字が入れられ印象が変化しています。

京急ファンフェスタで展示される600形トップナンバー。余り撮影する機会がない左アングルでの構図です。行先は京成本線の成田空港行きですが、実際に京成本線の他、成田スカイアクセス線のアクセス特急運用にも対応しており、100010次車と共通で運用されています。

ロングシート化で本形式独自の設備は全て失われ、新1000形に近づいた車内。乗務員室直後の前向き座席は更新改造後も存置されています。

ドア上の車内案内表示は登場時は設置されず、後年に改造でドアチャイムと共にLED表示が新設されましたが、更新工事の際に液晶画面に換装されました。

2024年には登場から30年目に入る600形ですが、陳腐化も見られず耐久性の高いアルミ車ということで、今後も長きに渡り主力車両として活躍して行くでしょう。


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令和の弘南鉄道訪問(その2)

2020年01月04日 | 東京急行電鉄

弘南線の往復後は、前に訪問した時と同じように土手町循環100円バスで大鰐線の中央弘前駅へ向かいました。以前も書きましたが、2013年6月27日の廃止表明から一転し存続されることなった大鰐線は利用促進や存続を考える団体が沿線自治体や経済団体で立ち上げられ、発表時の廃止予定時期だった2017年から3年、新元号の令和時代と2020年を迎えることが出来ました。現在は多種多様な催しが見られるようになった大鰐線ですが、2019年7月からは弘前さくらまつりの公式応援キャラクターに初音ミクが就任したことを受け、さくらまつりの期間までラッピング電車を運行しています。

中央弘前駅で折り返しの準備を行っている7039‐7040編成。車体の上半分が桜ミクに彩られているため非常によく目立ちます。同編成は6000系と共に1988年に弘南鉄道入りした地方私鉄譲渡第一陣で、実に32年も弘南鉄道で活躍しており既に東急の在籍期間を上回りました。

千年駅に入線する同編成。パンタが串刺しでエライことになってますが、記録程度にということで何卒ご容赦を(汗)ドア部分にも桜ミクのデフォルメキャラが貼られています。しかし近年は地方私鉄と二次元美少女キャラのコラボが目立つようになりましたね・・・。

帯が剥がされ、90周年のマークとスノープロウ以外は非常に原型に近い7037‐7038編成。令和の現在に入ってからも、高度経済成長期真っ只中に登場した車両が主力を務め、更に冷房車が1両も存在しないのも時間が止まっているかのようです。

桜ミクのラッピング車の車内。ドアにミクのステッカーが貼られているのが分かりますが、両面仕様ではないので車内からはシルエットのように見えます。また前回と違うのは、車内広告に大鰐線の支援を行う団体・企業名が掲示されるようになったことですが、まだ予断を許さない状況に変わりは無いので、大鰐線も100周年まで走り続けていることを願わずにはいられません。

 

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令和の弘南鉄道訪問記(その1)

2020年01月01日 | 東京急行電鉄

皆様明けましておめでとうございます。このしょうもないブログですが、また暇を見つけては鉄活動の備忘録として更新していきたいと思います。新元号に移行した昨年は大規模な事件・事故・災害が相次いだ波乱の新時代開幕になりましたが、2020年代は少しでも平穏な1年になることを心より願うばかりです。

2020年最初の記事は、毎年冬の訪問が筆者の中で恒例行事になっている弘南鉄道で未だ活躍を続ける7000系です。経営状況に余裕があるとはとても言えない状況ですが、近年は同じ元東急7000系を保有する事業者とのコラボレーションや、沿線自治体とのイベント開催など、積極的な営業展開が見られるようになりました。同社は2017年9月7日で90周年を迎えていますが、このまま100周年を迎えるまで、また100周年のその先も頑張って欲しいものです。車両に関しては当ブログでは2018年1月に記事にしているので、詳細は割愛しますが、訪問した日は中間車を先頭車化改造した7105‐7155編成が稼働していました。この編成は1990年に弘南鉄道入りし、正面窓周りを黒色仕上げにしています。原型車は何度か撮影していますが、改造車をまともに撮影するのは初ですね・・・。

黒石駅での折り返し待ちに2編成並び。改造車の7102‐7152編成と原形の7013‐7023編成です。こちらの7102‐7152編成は1989年度入線で、正面窓の黒色処理は施されていません。初めて見たときは、簡素で何とも無愛想な顔つきに見えましたが、今となっては事業用車両のような味わい深さを感じますね。

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