総勢196両在籍する1000形の内、唯一の8両固定編成で経年も浅かった1081Fが他編成の更新に活用するサハ2両を残して5000形による置き換え対象とされていたワイドドア編成より先に廃車にされたのは衝撃的な出来事でしたが、今度は1054F4両と1055Fのクハ1155が廃車〜解体され、これにより当初発表されていた標準ドアの160両にリニューアルを施工する計画が大幅に変更されたことが確定してしまいました。
赤い1000形1059Fと10両編成を組んでいた1254F。多摩線で単独運用中の姿です。10両貫通化改造が予定通り施工されていた場合、1054Fと組んで109XFになる筈でしたが今回その相方になる1054Fが全車解体された為、この1254Fも編成単位で廃車にされてしまうことが予想されます。
未更新車の廃車開始とホームドア計画もあり、予断を許さなくなったワイドドア編成。検査期限は余り関係なさそうなので、いつ廃車になってもおかしくないだけに動向から目が離せなくなりました。
上の1751Fと共にクヤ検対応の1051F。トップナンバー編成で1988年3月から営業運転を開始し、このため小田原線新松田〜小田原間で最後の活躍をしていた2400形が置き換えられています。今年8月は1059Fの代走で箱根登山線運用に入り、滅多に先頭に立たないクヤと連結するクハ1151の顔を見ることが出来、1059Fと共に注目を集めました。
入生田駅で箱根登山カラーの1061Fと交換待ちを行う場面。箱根登山線小田原〜箱根湯本間で使用される編成は1058F〜1061Fの4編成あり、これらは何れも未更新ですが過去にリニューアル車による試運転を同区間で行っているため、遠くない内の施工か車両そのものの入れ替えも予想されますが実際はどうなることやら。
冒頭で衝撃の出来事と述べましたが、考えてみれば経年30年近くになりバリアフリーにも非対応、更にリニューアルにも費用が掛かるとなればVVVF化改造で3000・4000形並の性能・水準となった8000形より1000形を廃車にする方が効率が良いわけで、残念ですが合理的判断と言えましょう。しかし、1000形もHiSEと同じく60周年記念行事の一環で設計された記念すべき車両であり、珍しく登場時からほぼ原型に近い姿を留めているので、先頭車両を(欲を言えば乗り入れ対応車・ワイドドア車を1両ずつ)どこかに展示して欲しいところですが、小田急自身による保管は望めず一番現実味がありそうな傷みが進む辻堂海浜公園のクハ2658の代替にしても管理者である藤沢市がそもそも新しい車両の調達など考えているとは思えず、また名前の通り海からの潮風が来る車両保存には最悪の場所でもあり仮に保存されたとして、その後の整備(に掛かる予算の捻出)がされるのかも疑わしく、なかなか実現の望みが薄いのが実に惜しまれます・・・。