町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

廃車が開始された小田急1000形・未更新車

2020年09月17日 | 小田急電鉄

総勢196両在籍する1000形の内、唯一の8両固定編成で経年も浅かった1081Fが他編成の更新に活用するサハ2両を残して5000形による置き換え対象とされていたワイドドア編成より先に廃車にされたのは衝撃的な出来事でしたが、今度は1054F4両と1055Fのクハ1155が廃車〜解体され、これにより当初発表されていた標準ドアの160両にリニューアルを施工する計画が大幅に変更されたことが確定してしまいました。

赤い10001059F10両編成を組んでいた1254F。多摩線で単独運用中の姿です。10両貫通化改造が予定通り施工されていた場合、1054Fと組んで109XFになる筈でしたが今回その相方になる1054Fが全車解体された為、この1254Fも編成単位で廃車にされてしまうことが予想されます。

未更新車の廃車開始とホームドア計画もあり、予断を許さなくなったワイドドア編成。検査期限は余り関係なさそうなので、いつ廃車になってもおかしくないだけに動向から目が離せなくなりました。

上の1751Fと共にクヤ検対応の1051F。トップナンバー編成で19883月から営業運転を開始し、このため小田原線新松田〜小田原間で最後の活躍をしていた2400形が置き換えられています。今年8月は1059Fの代走で箱根登山線運用に入り、滅多に先頭に立たないクヤと連結するクハ1151の顔を見ることが出来、1059Fと共に注目を集めました。

入生田駅で箱根登山カラーの1061Fと交換待ちを行う場面。箱根登山線小田原〜箱根湯本間で使用される編成は1058F1061F4編成あり、これらは何れも未更新ですが過去にリニューアル車による試運転を同区間で行っているため、遠くない内の施工か車両そのものの入れ替えも予想されますが実際はどうなることやら。

冒頭で衝撃の出来事と述べましたが、考えてみれば経年30年近くになりバリアフリーにも非対応、更にリニューアルにも費用が掛かるとなればVVVF化改造で30004000形並の性能・水準となった8000形より1000形を廃車にする方が効率が良いわけで、残念ですが合理的判断と言えましょう。しかし、1000形もHiSEと同じく60周年記念行事の一環で設計された記念すべき車両であり、珍しく登場時からほぼ原型に近い姿を留めているので、先頭車両を(欲を言えば乗り入れ対応車・ワイドドア車を1両ずつ)どこかに展示して欲しいところですが、小田急自身による保管は望めず一番現実味がありそうな傷みが進む辻堂海浜公園のクハ2658の代替にしても管理者である藤沢市がそもそも新しい車両の調達など考えているとは思えず、また名前の通り海からの潮風が来る車両保存には最悪の場所でもあり仮に保存されたとして、その後の整備(に掛かる予算の捻出)がされるのかも疑わしく、なかなか実現の望みが薄いのが実に惜しまれます・・・。

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消滅間近の京王8000系・車体修理未施工車

2020年09月15日 | 京王電鉄(電車・バス)

2013年より本格的な車体修理が施工されるようになり、室内更新と共に中間に挟まっていた元先頭車を完全に中間車化するなど大きな動きを見せた京王8000系ですが、元6両+4両で組成されていた10両編成は全車両が工事を完了し登場時の面影を残す未修繕車は8両編成の一部を残すのみになりました。

2001年まで設定されていた橋本特急や各駅停車向けに製造された8729F。1995年以降は8両固定編成での増備に移行しています。GTOサイリスタの製造終了に伴う予備部品確保の為、大規模修繕に先駆けて8両編成の内8730Fの制御装置が2013年春に更新されデハ8130+デハ8180には東芝製1C1M方式のVVVF、同時に主電動機を永久磁石同期電動機に換装。デハ8030+デハ8080には日立製作所製の1C4M2群の制御装置と全密閉式主電動機への換装がそれぞれ施工されました。1編成の中に異なる制御装置・主電動機が混在する特異な編成となり注目を集める存在でしたが、2015年に今回撮影の8729Fが改造を受けると中間車両を交換の上編成内の機器を統一し8730Fは東芝、8729Fは日立の機器を搭載することになりました。車体修理と機器更新は別々に施工されているため、現在は写真のような機器更新済みで車体修理未施工、車体修理済みで原型のGTO-VVVFの編成が存在します。

最後まで6両+4両の形態を残し、注目されていた10両編成の8712F。この位置からでも元先頭車が中間に挟まっている様子が分かります。撮影時点で車体修理まで1年を切っていましたが、それよりも先に前照灯がLED化されています。同編成は一番遅く20194月の施工で、これを最後に10両編成への大規模車体修理は完了しました。同時に長らく見られた8000系の分割可能編成も見納めになりました。

長年見慣れた暖色系の車内設備。登場時と比べると大型袖仕切りや7人掛け座席へのスタンションポール、ドア上の車内案内表示器の設置でかなり印象が変化しています。車体修理時にはドアも複層ガラスで角のRが大きい窓の新品に交換しているため、6000系以来京王の伝統だった四隅が角ばっている窓のドアも更に減少してしまいます。

中間車化改造で不要になった前頭部の内、クハ8809(2011年以降は書類上サハ8559に変更)号車の運転台が201811月オープンの京王れーるランドアネックスに据えられ、編成単位で廃車になった7706Fのクハ7706と共に記念碑の如く展示されるようになりました。8809の運転台は京王ATCが導入される前の形態で、更に8800番台の制御車は消滅していることから貴重な存在です。

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廃車が続々と進行する相鉄新7000系

2020年09月13日 | 相模鉄道

相鉄新横浜線全通を控えて、12000系の増備車登場と20000系が量産体制に入ったことで新7000系VVVF車と8000系初期車の廃車が開始されました。新7000系は既に抵抗制御車が全廃され、更にVVVF編成も7755F、7753Fが廃車になり残すところ2編成となりましたが検査期限に関係無く運用離脱〜廃車の道を辿っている事から早ければ今年中にはその姿が見られなくなるかも知れません。

今年の815日で運用を離脱した7753F。抵抗制御編成は6両+4両、VVVFインバータ制御編成も5両+5両の分割可能編成で導入されていた為、この7753Fは相鉄では初めてとなる10両固定編成での導入となりました。これ以降、相鉄の旅客車両は先頭車を中間に挟まない10両・8両固定編成が基本になります。

1989年に新7000系では最終増備車として登場し、編成中に当時の4扉通勤電車では極めて珍しく5号車と8号車の車内をセミクロスシートにするなど実験的要素があった7755F。かつては新6000系と共に広告貸切電車の"GreenBox"に起用されていたことがあり、特別仕様のドアステッカーが貼られ2005年までは先頭車にはヘッドマークを掲出して運転されるなど何かと注目される編成でもありました。最終増備車ではありますが、3番目の廃車対象になってしまいました。

基本的には以前記事にした抵抗制御車と変わらない車内設備。VVVFインバータ制御化に伴って主電動機点検蓋は必要ないのですが、念の為に設置したのだとか。中吊りの車内広告が見当たらないのは緊急事態宣言解除直後に撮影したためです。

7755Fの最大の特徴である5号車・8号のセミクロスシート仕様の車内。ドア付近は2人掛けロングシートとし、それ以外の区画は4人掛けボックスシートにしているため、着席定員が増加しています。乗客からも好評で、8000系と9000系でも引き続き採用された他、首都圏近郊路線の4扉化を目論んでいたJR東日本でもこの設備を参考にして後のE217系・E2311000番台で実用化されました。

前述の通り初の10両固定編成やVVVFインバータ制御の本格採用、他社にも影響を与えたセミクロスシート設備など相鉄の中ではかなりエポックメーキングな車両に位置付けられる新7000系ですが、新型コロナウイルスの影響が強いこの御時世では引退イベントも開催されず静かな幕切れになってしまいそうです。また、場所の都合もあり車両保存がされるとも考えにくく、乗る事も見る事も出来なくなるかも知れません。残りの編成の活躍も最後まで心して見守りたいと思います。

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虹が丘営業所の新顔エアロスター・QPG-MP35FM

2020年09月05日 | 東急バス

東急バスの虹が丘営業所では、沿線に広がる巨大団地と田園都市線の駅を結ぶ路線の特性上、ノンステップバスが販売されて以降もツーステップ車を導入しており、低床車のみの販売に移行した2002年度以降の新車はワンステップ車を長らく配置していました。この原則が崩れたのは201010月のことで、弦巻・川崎・東山田の3営業所から三菱ふそう・いすゞ自動車のノンステップ車が転入し、2015年からは新車で三菱ふそうエアロスターのノンステップ車を導入しました。しかし、ワンステップ車も並行して導入している為正面ライト周りをモデルチェンジした新型エアロスターのワンステップ車も見ることが出来ます。

春爛漫の鷺沼駅ロータリーに到着したNJ1668号車(QPG-MP35FM2016年式)。標準尺の中4枚折戸仕様車で、この車両の導入と引き換えにNJ491号車(KL-MP35JM)が除籍され、北海道の宗谷バスに移籍しています。

同型式で2017年導入のNJ1770をリア部から。東急バスのワンステップ車は低床車である事を示す為、車体裾部や側窓上部にも赤帯が入っていましたが、ツーステップ車が全廃されている現在では識別の意味が薄れたので赤帯1本カラーに原点回帰しています。

以前は紺色を基調にカラフルな模様が入る座席モケットでしたが、シンプルな明るめの青系に変更されて瀟洒な印象の車内。やはりステップを備えた折戸の車両は路線バスらしさを感じさせてくれますね。

停留所名表示器は青葉台と同じくLED1段表示でした。ECOドライブのメッセージは車両によって貼られていないものもあるようです。同じ川崎市内の高津営業所管内では液晶式に置き換えが完了していますが、こちらはその予定は暫く無さそうですね。

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大井町線の主となった東急9000系

2020年09月01日 | 東京急行電鉄

2013年、東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転開始に伴いATO搭載や地下区間の急勾配に対応出来ない事から、全編成が大井町線に集結した9000系ですが、既に1986年の登場から実に34年の歳月が経過しました。現在は2000系の改造形式っある9020系も3編成が加わって大井町線のヌシ的存在になっている同系ですが、現在まで置き換えや機器更新の話題は無く、いつまで今の状態で活躍するのか気になるところです。

春爛漫の緑が丘付近を走行する9003F。1986年に量産先行車である9001編成の使用実績を踏まえて、1年空いた1987年から増備された量産車に当たる編成です。同年度は東横線向けに9002F〜9006Fの8両5編成、大井町線向けに9007F5両1編成が新造されました。9001FとはVVVFインバータ制御装置の型式や車内の天井に設置されている補助送風装置の形状が異なっています。

1988年度より増備された3次車(9008F〜9013F)は外板の幕板部と腰板を溶接からプレス加工に変更しました。これらの編成は全て東横線に配置され当時在籍していた8500系を田園都市線に転属させ列車増発に充当、先頭車が非貫通式の8090系の一部を5両編成に組み替え大井町線に転属、更に残存していた初代7000系と7200系を目蒲線と池上線に転用し初代3000・5000系列を置き換える大規模な車両転用が発生しています。

東横線所属時に化粧板修繕工事を施行された車両の車内。ドア上の車内案内表示器の設置や中仕切り撤去、7人がけ座席への手すり新設などは全編成に波及したものの、化粧板の更新は一部編成で終わってしまいました。混雑度がそこまで高くないせいか、特徴的な車端部ボックスシートはロングシート化改造などもされないまま存置されています。近年では更に床材の更新や監視カメラ設置などが施工されるようになりました。

ドア上部に戸開予告装置と千鳥配置されているLED表示。転属当初は無表示でドアチャイムのみが鳴動する状態でしたが、2012年から全編成で使用が再開されました。現在は他路線と共に更に表示内容が改修されています。

5両化の際に廃車にした中間車両の部品が潤沢に確保されている為か、全編成がVVVFインバーター制御装置の更新は受けておらず、未だに日立製GTOサイリスタの特徴的な磁励音を聞くことが出来ますが、他社の車両が大規模更新を受ける中で草創期のVVVFを維持しているのも中々に凄い事なのかも知れません。もし今後、部品が枯渇した際にどうなるかが注目ですね。走行機器を9020系同等の物に更新して継続使用なら一番理想ではありますが・・・。

 

 

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