町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

205系600番台、日光線・宇都宮線の運用を終了。原型の先頭車は関東から消滅へ

2022年03月13日 | JR東日本

本年312日ダイヤ改正で宇都宮線(東北本線宇都宮〜黒磯間)・日光線はE131600番台による全面置き換えが実施され、同時にワンマン運転を開始しています。これにより、2013年から運用されて来た京葉線・埼京線から転入の205600番台は全編成が運用を終了し、JR東日本管内から新製時からの原型の先頭車を組み込んだ編成が消滅することになりました。宇都宮線・日光線では9年と比較的短い活躍になりました。

先代107系のレトロ調デザインをイメージした配色を纏う日光線色のY2編成。この帯色はY12Y4編成が該当し、Y3編成は観光列車"いろは"に改造され3編成体制となっていました。引退間際は限定運用が解除され湘南色の編成が日光線で運用、また逆に日光線色が宇都宮線運用に入るなど、狙うのがやや難しくなっていた編成です。

太陽が傾いて来た中を日光方面へ折り返す同編成。このメルヘン顔とあだ名される205系は1990年に京葉線の東京駅延伸開業を控えて導入されました。沿線には東京ディズニーランドがあるため、基本設計を変えずに楽しいイメージを表現しようとして生まれたグループですが、世界的テーマパークを有する東京湾岸エリアからの引退後に世界遺産日光へのアクセス路線へと移ったのは、なかなか華々しい生涯であったと云えるでしょう。

代走に入った湘南色編成。日中は2編成が往復する運用で、最末期は観光列車いろはのY3編成が固定で入るようになっていたため、日光線色が運用される機会が減少しました。

車内は前回の宇都宮線用湘南色編成と全く同一です。妻面貫通扉の窓から車椅子対応トイレが設置されているのが僅かに確認出来ますね。ドア付近の点字ブロック化は京葉車両センター時代に施工されました。

かつては首都圏の通勤路線の顔ともいえる存在だった205系ですが、いよいよ関東は南武支線・鶴見線の先頭車化改造編成グループと、関西ではJR西日本の奈良線で運用される体質改善工事を施工された0番台・高速対応型の1000番台のみとなりました。何れも遠くない将来の置き換えが想定されるので、残存する各線とも乗車・記録をしておきたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首都圏一般型電車の決定版・JR東日本E233系0番台(中央線快速)

2022年03月03日 | JR東日本

JR東日本では209系での実績を基に2000年から通勤型・近郊型の基本的仕様を統一した一般型電車のE231系を開発、中央総武緩行線を皮切りに国鉄型車両が残存する首都圏の各路線に於いて輸送・サービス改善を実施して来ました。2005年にはE231系をベースとした常磐線中距離電車向けである直流・交流両用E531系も加わり世代交代が加速しますが、東京圏の重通勤路線として全国的な知名度が高い中央線快速には、E231E531系で培われた技術を更に発展させた標準型車両E233系が導入されることになりました。現在は中央線快速用の10両固定編成(T編成)43本、6両+4両分割対応編成17本、青梅線・五日市線用の6(600編成)10本、4(400編成)8本の合計692両が豊田車両センターに配置されています。

10両固定編成のT41編成。来る2023年から中央線(東京〜大月間)・青梅線(立川〜青梅間)ではグリーン車サービスを予定しており、順次T編成とH編成に2階建グリーン車を増結されますが、その準備段階として4号車に車椅子対応大型トイレの新設と連結位置変更を進めています。T41編成は2019年にトイレ新設改造を受け、中央線のE233系としては3本目、長野総合車両センターで施工された最初の編成となりました。離合しているのはグリーン車増結工事の予備車確保で常磐緩行線から転入して来た2091000番台です。

6両+4両のH54編成。H編成は分割対応の為、非常に運用範囲が広く中央線(東京〜大月間)の他、青梅線(立川〜奥多摩)、五日市線(拝島〜武蔵五日市)、八高線(拝島〜高麗川※20223月ダイヤ改正で終了)に加え私鉄の富士急行線へも定期で直通運転が存在するなど、極めて多彩な運用をこなしています。このH54編成は、上のT41編成同様長野総合車両センターでトイレ新設・連結位置変更・SIV増設を施工し2020年11月に出場しました。

車内設備。E531系から暖色系の配色になりましたが、E233系では更に発展させユニバーサルデザインの採用や、客用ドアも化粧板仕上げにするなど大変明るい印象の車内になりました。オレンジ系の座席の背ずりモケットの柄は「情報の歴史」を表現しテレックス・バーコード・QRコードを模しています。半自動ドアボタンもE231・531系では箱型で車内側に出っ張っていましたが、E233系ではコンパクトに収められデザイン性も向上しています。

全ドア上に設置される15インチ液晶画面。この装置自体は当時山手線用だったE231系500番台で初採用されましたが、E233系では伝送速度が向上したのか映像がより鮮明になりました。17インチが主流になった現在、他形式と比較すると小振りに見えてしまいますね。

先述の通り2階建グリーン車導入に伴う準備が進行していますが、予定通りグリーン車増結が進行し2023年にサービス開始される事になれば在来線の一般型電車で単独の編成としては最長(T編成は12両固定編成化)になります。また、近年の省力化に伴い青400編成4本に対しワンマン対応化改造を実施の上で、こちらも2023年春からの運用を計画していることが発表されました。これまでも青670編成の南武線転属や2020年に突如としてT71編成が増備されるなどの動きはありましたが、来年からは運用・編成形態が大幅に変わる為、しばらくは観察する楽しみが尽きなさそうです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大井町線に新型車導入決定、東急9000系は置き換えへ

2022年03月01日 | 東京急行電鉄

202217日に東急電鉄から鉄軌道運賃の改定申請が発表されましたが、その補足資料の中の設備投資計画で、田園都市線に続き大井町線で新型車両への置き換えを実施する旨の記載がありました。田園都市線の8500系が置き換えを完了すると大井町線各駅停車用の9000系が最古参になる為、遂にその順番が回って来るようですが、急行専用に導入された60006020系を除くと長らく田園都市線・東横線からの転用車で運用される事が多かった大井町線では1988年に導入された9007F以来、久々の新型車となります。

東横線時代は貸切広告電車のTOQ-BOXに指定されていた2次車の9006F。登場時の1988年から1997年までは虹や街並み、シャボン玉、1997年からは虹と楽器、音符のイラストを8両編成全体に配され非常に目立つ存在で、化粧板修繕工事も早期の2003年に施工されました。2008年に側面装飾を撤去し大井町線への転用を控えた2010年に正面に残存していたTOQ-BOXロゴも撤去の上、同年7月に東横線から運用離脱、大井町線では8月より運用を開始しています。

3次車9011F(前回の記事と同じ編成です)198810月に増備された編成で、1次車(試作の9001F)2次車(90029007F)と比較して仕様が若干ながら簡素化され側面赤帯部分が凸型から平面になり、ステンレスの継ぎ目なども変化しています。大井町線転用後も登場時からのGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を維持し、草創期の磁励音を今でも耳に出来る貴重な存在でしたが、いよいよ消滅が迫って来ました。

化粧板修繕工事に加えて床材もグレーの新品に更新され、印象が変化した車内。9000系の床材はキーストンプレートの塗り床で茶色でしたが、近年は傷みが目立っていたための措置と思われ現段階では9003900690119012Fが施工されています。

車内案内表示器とドア周り。戸袋側に注意喚起のステッカーが貼り付けられたのに加え、戸当たりゴム付近には黄色の警戒色テープが貼られ賑やかな印象になりました。LEDの車内案内表示器は東横線時代の2003年から設置が開始された設備ですが、液晶画面が主流になった今では珍しさを感じるようになってしまいました

9000系は関東私鉄では新京成電鉄に次いで、直流1500V鉄道車両では2例目のVVVFインバーター制御車として注目を集め、導入に合わせて捻出される車両を他線に転属させ間接的に旧型車置き換えにも関わり輸送力増強やサービス改善に大きく貢献した画期的な車両でした。今後は置き換え発表で先が見えて来たものの、元東急車を既に多数導入している地方私鉄(東急グループの伊豆急行や省エネ車への置き換えを発表している長野電鉄など)への譲渡も発生するか、また田園都市線の2000系を改番・改造し走行機器は最新形式並みになっている9020系の措置など、今後は目が離せなくなりますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする