本年3月12日ダイヤ改正で宇都宮線(東北本線宇都宮〜黒磯間)・日光線はE131系600番台による全面置き換えが実施され、同時にワンマン運転を開始しています。これにより、2013年から運用されて来た京葉線・埼京線から転入の205系600番台は全編成が運用を終了し、JR東日本管内から新製時からの原型の先頭車を組み込んだ編成が消滅することになりました。宇都宮線・日光線では9年と比較的短い活躍になりました。
先代107系のレトロ調デザインをイメージした配色を纏う日光線色のY2編成。この帯色はY1〜2・Y4編成が該当し、Y3編成は観光列車"いろは"に改造され3編成体制となっていました。引退間際は限定運用が解除され湘南色の編成が日光線で運用、また逆に日光線色が宇都宮線運用に入るなど、狙うのがやや難しくなっていた編成です。
太陽が傾いて来た中を日光方面へ折り返す同編成。このメルヘン顔とあだ名される205系は1990年に京葉線の東京駅延伸開業を控えて導入されました。沿線には東京ディズニーランドがあるため、基本設計を変えずに楽しいイメージを表現しようとして生まれたグループですが、世界的テーマパークを有する東京湾岸エリアからの引退後に世界遺産日光へのアクセス路線へと移ったのは、なかなか華々しい生涯であったと云えるでしょう。
代走に入った湘南色編成。日中は2編成が往復する運用で、最末期は観光列車いろはのY3編成が固定で入るようになっていたため、日光線色が運用される機会が減少しました。
車内は前回の宇都宮線用湘南色編成と全く同一です。妻面貫通扉の窓から車椅子対応トイレが設置されているのが僅かに確認出来ますね。ドア付近の点字ブロック化は京葉車両センター時代に施工されました。
かつては首都圏の通勤路線の顔ともいえる存在だった205系ですが、いよいよ関東は南武支線・鶴見線の先頭車化改造編成グループと、関西ではJR西日本の奈良線で運用される体質改善工事を施工された0番台・高速対応型の1000番台のみとなりました。何れも遠くない将来の置き換えが想定されるので、残存する各線とも乗車・記録をしておきたいですね。