町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

相鉄バスに残る日産ディーゼル・スペースランナーRA

2023年04月03日 | 相鉄バス

相鉄線沿線の横浜市と神奈川県の県央部に路線を展開する相鉄バスは長年に渡り、いすゞ自動車・日産ディーゼル車に富士重工業製の車体を架装する大型路線車を導入して来ました。しかし2001年より、いすゞ車は前年に販売を開始したエルガに移行し日産ディーゼル車は富士重工業のバスボディ製造事業からの撤退を受け、2003年度下半期のKL-規制車より西日本車体工業の車体(96MC)が架装されるようになりました。その西日本車体工業も20108月で製造を終了してしまいますが、現在でも比較的まとまった数の日産ディーゼル車が綾瀬営業所に配置され、主に海老名駅発着路線でその姿を見ることが出来ます。

契約輸送の急行富士フイルムビジネスイノベーションに充当中の8857号車(PKG-RA274KAN2008年式)。鉄道・バス共に相鉄グループの新コーポレートカラーが制定された年の導入ですが、4月の納車(カラーリング移行は同年10月より)である為、旧標準塗装となっておりKL-規制車の廃車が進行した現在では貴重な存在になりつつあります。

8857号車と同年式でありながら白をベースに青とオレンジを中心にした新コーポレートカラーで大幅にイメージが変わった8862号車。200810月以降導入の車両はこの塗装で導入されるようになりました。なお2009年には89568960が横浜営業所に、8961が旭営業所に配置されますがに新型車で置き換えられ転属が発生しており、最終的には全車が綾瀬営業所に集結することになりました。特に8956号車は横浜綾瀬と2度に渡り転属しています。

8864号車をリア部から。綾瀬営業所に配置された88618864号車の4台は相鉄バスで初の新カラーで導入となった車両です。写真の西日本車体工業96MCボディーは20032009年の6年という短期間で増備終了となりました。

ノンステップ車に比べて段差が少なく収容力に優れた車内。降車時間短縮に効果のある中4枚折戸はかつてはよく見られた設備でしたが、ノンステップ化の進行で中引戸方式に回帰した為見られなくなって行きました。西日本車体工業製ボディーとの組み合わせは更に珍しくなっています。

現在もアフターサービスは続く西日本車体工業製ボディーですが、導入からの時間の経過を考えると近いうちに廃車が開始される事が予想され、コーチビルダーが手掛けた車両自体の消滅も目に見えて来ました。これらの車両も数が多いうちに記録しておきたいですね。

 

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環状鉄道計画は実現なるか?横浜市営地下鉄グリーンライン10000形

2023年04月01日 | 横浜市営地下鉄

2008年の330日に開通し、横浜市北部地域の足として親しまれる市営地下鉄グリーンラインは本年330日で中山〜日吉間の開通から15周年を迎えました。この路線は横浜環状鉄道として計画されていた区間の一部で、既存の湘南台〜あざみ野間を結ぶブルーラインとは異なり鉄輪式リニアモーター駆動の小断面地下鉄を採用しており、車両は開通より約2年早い20065月に川崎重工業で1000042本が製造され工事中の区間(1同形式登場時点では路線名は未定)で試験を実施、その結果を踏まえた量産車両13本が20077月から20082月までに開通に備えて落成しました。現在は2014年度に輸送力増強用として一部仕様を見直した2次車2編成が登場。更に6両編成化の為20224月からは既存の4両に増結する中間車の増備が開始され、2024年までに在籍する17編成のうち10編成を6両化することが決定しています。本記事を書いている202341日からは、資源循環局のゴミ焼却工場から発生するエネルギーを利用した電力で運転を開始し、1年間で排出されるCO211000t削減(実質排出0)になることが発表されました。

量産1次車である1000010081編成。製造時から将来の増結を考慮しており34号車を欠番扱いにして車号が付与されています。量産車は全編成が川崎重工業兵庫工場からJR線の甲種輸送とトレーラーによりで輸送されていますが、試作車に関しては神戸港から船舶で横浜港に輸送され、そこからはトレーラーでセンター北駅付近に陸上輸送の上で地上の高架線にクレーンで搬入する極めて珍しい方法が取られました。また、戸袋部のカラーもブルーからグリーンへ営業運転開始前に変更(量産車は当初からグリーン)にされるなど、余り他には例が無い経歴を持っています。

2019年までは公営地下鉄路線としては混雑度が最も高く、2020年からは新型コロナウイルスの影響で一時的に利用者が減少するも再び増加傾向にあることを受けて6両編成化された10121編成。現在10000形は増結を前にしてVVVFインバーター制御装置の更新が進行しており、更新車両は磁励音がIGBT素子ながら音階のようにも聞こえる非常に独特な磁励音を発するようになりました。

白い配色を基調とし強化ガラスを多用した座席の袖仕切り、妻面貫通扉と広がりを感じさせる縦縞模様の床面など車体幅の狭い小型車両ながら解放感がある車内。側扉はステンレス仕上げに接着式ガラスを採用する標準的なスタイルで、ブルーラインの車両との共通性が伺える部分です。

車内案内表示器は車高が低い為、ドアの左右に設置されました。写真は1次車の15インチサイズ液晶画面ですが、2次車からは17インチに拡大され、6両化された編成も17インチに換装されています。

リニアモーター駆動地下鉄では数少ない地上の高架線を走行し、車両の全体像を見る事ができる(編成写真をセンター南駅日吉寄りのみですが撮影可能です)他、センター南〜センター北間では車両の規格が全く異なるブルーライン(750V第三軌条集電・軌間1435mm、グリーンラインは1500V架線集電式)と並走する区間が日本で唯一存在するなど、趣味的にも非常に興味深い特色を持つグリーンラインですが、先述の通り横浜環状鉄道の一部である為、日吉〜鶴見・中山〜二俣川間の延伸が計画されており元町・中華街〜根岸間(みなとみらい線の延伸計画)と共に試算も行われました。しかし横浜市では2030年のブルーライン新百合ヶ丘〜あざみ野間の延伸を最優先事項とし、事業化への調査はその後としています。未だ構想段階で延伸実現には20年以上は掛かりそうなグリーンライン延伸ですが、今後が期待される路線です。

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