1994年12月7日、西武有楽町線練馬〜小竹向原間開通により営団地下鉄(現在の東京メトロ)有楽町線との直通運転に充当されるようになった6000系は2008年度より東京メトロ副都心線へも進出し、2013年からは東急東横線〜横浜高速鉄道みなとみらい線へも運用範囲を拡大し池袋線系統の主力車両として運用が続いていました。その後は座席指定列車用にデュアルシート・車椅子対応トイレを備えた40000系が登場し、更にトイレ設備を非設置としロングシート仕様とした50番台が加わるもステンレス車・アルミ車共にVVVFインバーター制御装置や車内案内表示装置の更新を受け安定した活躍を見せていましたが2023年3月6日より、ステンレス車の6108Fが地下鉄用のATCやワンマン運転用のモニタ装置を撤去の上で地上専用車両となり新宿線・拝島線系統で運転を開始しました。更に同月21日には6103Fも新宿線へ回送されやはり正式に転属し現時点では6103F〜6108Fが新宿線に籍を移しています。玉突きで新2000系の廃車が進められることになりました。
東急東横線〜東京メトロ副都心線で完結する急行和光市行きに充当される6110F。40000系50番台の増備進行により2024年3月30日にはアルミ車体の50番台も全編成が地下鉄への直通運転を終了し池袋線地上専用車両とされ、現在は6109F〜6117Fが引き続き直通運転に使用されています。地上専用になった編成には非常用貫通扉の窓上部に黄色テープが貼られ、運転台にも地下鉄非対応を示す表記がされました。
池袋線系統で直通運転対応だった頃の6107F。この編成は2024年8月2日より新宿線で運用を開始し、代わりに20000系20101Fが池袋線に転入しています。1994年の登場から1ヶ月間、池袋線で運用され2007年1月まで新宿線に在籍し副都心線対応改造を受け池袋線に復帰した経緯があり、再び元の運用形態に戻ったとも言えます。
車内設備はリニューアルが施されている訳ではないですが小改良が目立ち、車内案内表示装置が登場時からのLEDスクロール表示→15インチ液晶画面(西武呼称ではスマイルビジョン)→左右一体型17インチ画面と変化し、座席モケットも背もたれの人数区分柄が廃止された無地の青色モケットに更新されています。
再更新された画面はワイド化され左右が一体になったような仕様で同じく副都心線・有楽町線に乗り入れている東武50070系のLED表示器置き換えにも用いられているタイプです。写真は夜間の東横線〜みなとみらい線で完結する武蔵小杉行き急行運用で撮影しました。
長らく地下鉄直通運用の主力車両として運用された西武6000系ですが、今後は更に40000系の増備が進められることや、まだ構想の域を出ないものの特急車両001形Laviewの乗り入れ計画が存在し車両側も規格を合わせて設計されていること、また2030年代までに車両新製と他社車両の譲受で直流モーター車の全廃を打ち出している為、6000系の直通運用も遠くない内に見納めになると思われます。