二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

「四日間の奇蹟」もう少し

2005-06-28 23:25:19 | 映画「四日間の奇蹟」
手一杯な状況をやり過ごしつつ。(今日も仕事が終わらない。。。)

ぼけーっとしたいなぁ、と思うと、次の瞬間、「四日間の奇蹟」をもう一度見たいなぁ、と思う。そろそろ画像も音も荒れてくる頃だけど、できることなら大画面でもう一度。

2回見ただけだけど、けっこう映像として、また音として、記憶に残っている。

一番残っている絵は、角島に渡る、長く白い橋。何とも言えない美しさだった。多分、あの「絵」だけで、この映画はファンタジーとして成立する。ああいう橋の技術だけでも、国際的に誇れる域なのではないだろうか、とか、つい余計なことまで考えてしまった。(これは映画とは全然関係ないですね。失礼。でも、景観的にも優れているなぁ、とほれぼれしたもので。)

次に好きな絵は、冒頭でタイトルが出るところ、教会の錆色っぽく色あせた屋根と、その向こうの海の構図だ。何だろう、とても控えめでさりげない美しさがあった。ヨーロッパ映画みたいな雰囲気、といったらわかってもらえるだろうか。とてもクラシックで上品だったのだ。

その他、千織が恍惚としてピアノを弾く場面も、敬輔が未来に「千織ちゃんを憎んでいるのでしょう」と言われ、激情が突き抜けて静かに目を閉じて耐える場面も、サンドイッチを食べながら、憔悴しきった笑顔で、口調だけは気丈に未来に語りかける真理子の姿も、、、うん、色々覚えてるもんだな。

ああ、変なことに気づいた。この映画の主要人物は、疲れ切った人ばっかりなんだ。だから、見ていてすごく安らげる(?)、というか、押しつけがましさを感じない。存在の希薄さ、危うさが、優しさに近いように思えてしまうんだ。

へとへとな人間も悪いものじゃないかな、なんて思う。(自分がそうなったら、「冗談じゃない」と思うだろうが。)

全編通して流れるピアノ曲もいい。特に「月光」と「別れの曲」。「別れの曲」の場面はとても好きだ。あの2人が寄り添って生きていく姿が、とても暗示的に描かれていたと思う。そして、多分、あの場面は2人とも実際に弾いていたんだよね。(音は吹き替えかもしれないけど。)弾きながら頭を寄せ合うところに、ちょっと「ピアニスト」を感じた。弾くことで幸せになれそうな2人、に見えた。

あまり、大したことは書けなかったが。あと一週間頑張れ、の気持ちをこめて。
まだ観ていない人、映画館へ急がれたし。いい映画です。
コメント
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