今日はフランス料理教室へ行ってきました
こうして続くのは珍しいことなのですが、前回に続いて今回も地方料理を教えて頂きます
ウェルカムドリンクを頂きながら、まずは講義の時間。今日のドリンクはりんご・レモン・ミントなどを入れて作ったデトックス・ウォーターでした
今回取り上げられたのはブルターニュ地方。大部分が太平洋に面した地方で、イギリスから移り住んだケルト民族の特色の強い地域です
フランスは大部分がラテン民族であるのに対してブルターニュ地方の人々はケルト民族の流れをくんでいるため、独特なブルトン語という方言が使われていたり、自分たちをフランス人ではなくブルトン人であると表現したりするそうです
海に面しているだけあって海の幸には恵まれているものの、土地が痩せているため小麦が作れず、主に蕎麦を栽培していたそうです。
こういう土地ではブドウの栽培もできないためワインは作られず、代わりにりんごのお酒(シードル)や洋梨のお酒、蕎麦の花のハチミツから作ったシュシェンというお酒などが名産品です
テーブルコーディネートはブルターニュ地方の旗の色(白黒)にちなんで、黒をベースにしたシックな色合いになっていました
そこに差し色でカンペール焼きの鮮やかな黄色や青が入り、パッとした華やかさを添えています
続いてお料理に入ります。まずはデザートの「Galettes bretonnes」から作ります
室温に戻したバターをクリーム状になるまでよく練り、粉糖・塩・卵黄・ラム酒を加えて混ぜ、薄力粉・ベーキングパウダー・アーモンドパウダーを振るい入れて混ぜ合わせたら、ラップに包んで1時間ほど冷蔵庫で休ませます。
休ませた生地を打ち粉をしながら1cmほどの厚さに伸ばし、セルクルで型抜きをしたらフォークで表面に模様をつけて卵液を塗り、アルミカップに入れます。
170度のオーブンで25分焼けば完成です。ガレットブルトンヌ専用のアルミカップが売っていますが、一般的な銀色のアルミカップを2枚重ねて形を整えて代用しても良いそうです
続いてもう1種類のデザート「Far breton」を作ります。Farとはおかゆのような意味合いですが、とても柔らかいデザートで、出来たてを熱々で食べても、冷やして食べても美味しい一品
薄力粉・砂糖・塩を振るって合わせて振るい、溶き卵を加えたら、牛乳を少しずつ入れて混ぜ合わせ、生地を作ります。
型にバターを塗り、プルーンを並べたら、生地を流し入れて200度のオーブンで30分焼けば完成です
混ぜて焼くだけのとても簡単なデザートですね。焼き上がりに粉糖を振るのを忘れずに。
次はメインの「Cotriade bretonnne」を作ります。ブルターニュ版のブイヤベースといったお料理で、白いスープであることと、ドレッシングをかけて食べるのが特徴です
バターを溶かしてスライスした玉ねぎをじっくりと炒めたら、半月切りにスライスしたジャガイモを加えて炒め、白ワインを加えてアルコールを飛ばします。
ひたひたになるまでの水・ブーケガルニを加え、中火で5分ほど煮込みます。小麦粉をまぶした鯖を加えてさらに8分ほど煮たら、アサリ・エビを加えて5分煮込み、最後に塩胡椒で味を整えれば完成です。
お皿に取り分けたら、オリーブオイル・白ワインビネガー・マスタード・塩胡椒・レモン汁・みじん切りのイタリアンパセリで作ったフレンチドレッシングを添えます。
アミューズはブルターニュ特産のアーティチョークを2種類の調理法で頂くもの。一つはビネグレット和え、もう1種類はりんごと一緒にそば粉の衣でフリットしたもの。
最後は前菜の「Galette complete」を作ります。小麦粉が取れない地域なので、代わりにそば粉を使ったお料理が色々とあります。
ブルターニュ地方ではカフェの数よりもクレープ専門店の方が多いそうで、こういったそば粉のガレットや、小麦粉のクレープなどが売られています。そば粉のガレットは食事として塩味のもの、小麦粉のクレープはデザートとして甘いものというのが定番だそうです。
そば粉・塩を混ぜたものに溶き卵・水の一部を加えてしっかり混ぜ合わせたら、残りの水を少しずつ加えながら、手で空気を含ませるようにして粘り気が出るまで混ぜ合わせていきます。
表面にプツプツと気泡が見えたら冷蔵庫で一晩休ませます。本場ではつなぎとなる卵は入れず、生地を数日寝かせて作るそうですよ
休ませた生地は冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。しっかりと熱して油をひいたフライパンに生地を流し入れて円形に薄く伸ばし、中央に卵を割り入れ、チーズやハムを盛り、四隅を折りたたんで胡椒を振れば完成です。
パリッと焼き上げるにはフライパンがしっかりと高温になっていること、生地を薄く伸ばすことがポイントだそうです
具材は今回のように卵・ハム・チーズが定番ですが、スモークサーモン&クリームチーズ、魚介のホワイトソース、キノコのソテーなど色々なアレンジがきくようなので、楽しいですね
お料理が出来上がったところで、お待ちかねの試食タイムです
アミューズはアーティチョークを2種類の調理法で。ビネグレット和えと、りんごとともにフリットしたもの。ねっとりした食感が美味しいです
前菜はガレット・コンプレット。いわゆるそば粉のガレットです。生地を薄く伸ばすのが難しくて少しもっちりした出来上がりになってしまいましたが、とても美味しかったです
ブルターニュではクレープ専門店にグラスではなくカップが置いてあって、このカップにシードルを注ぎ、ガレットを食べながら飲んだ後、デザートのクレープを食べて、最後はに食後酒のカルヴァドス(りんごの蒸留酒)をカップに注いで飲むのが定番だそうです
メインはコトリヤード。鯖はなかなか使わない食材なのですが、こうしてブーケガルニとともに煮込んでしまうと臭みもなくとても美味しいですね。ドレッシングをかけて食べるととてもさっぱりしていて、これも面白かったです
デザートはファー・ブルトンとガレット・ブルトンヌの2種盛りという豪華な一皿。ファーブルトンはとても素朴な味で誰もが好きな一品、ガレット・ブルトンヌはまるで売り物のようにザグザクッとした食感に仕上がりました
紅茶はプロヴァンスの紅茶メーカー「Janat」の「ポムダムール」という焼きリンゴのフレーバーのものを選んでくださいました
今日の地方料理も講義がとても面白く、また次回はどの地方になるか楽しみでなりません