昨日は小満。様々ないのちが次第に満ちていくころです
初候である5/21~5/25は「蚕起きて桑を食う」。
蚕が桑の葉をたくさん食べて育つころ。エネルギーを蓄えて、絹糸となる繭玉を紡ぐ体を作っていきます。この時期に美味しいのは空豆。桜が咲いた2か月後が、空豆の旬なのだそうです
この時期には浅草で浅草神社の例大祭である三社祭が行われます。
次候である5/26~5/30は「紅花栄う」。
染料であるの紅の原料となる紅花が一面に咲くころです。紅花というのにお花は黄色なのを昔は不思議に思っていましたが、花びらの上の方には黄色い色素が、下のほうには赤い色素が含まれているのだそう。この黄色い色素は水溶性ですが赤い色素は水溶性ではないので、水に何度もさらして赤い色素を取り出します
まだ本格的な夏にならないこの時期は、潮干狩りの旬でもありますね。先日も、兄家族が潮干狩りに行って、たくさんのアサリを取って来てくれていました
ちなみにこの「潮干狩り」という言葉。漢字が読めるようになってからは間違いませんが、昔は「ひおしがり」だと思っていました。というのも私の母は生粋の江戸っ子のため、「ひ」と「し」の発音が混ざります
そのため、この2つの言葉が含まれる単語は、ある程度大きくなるまでは勘違いをしたままのものが多かったです
末候である5/31~6/4は「麦秋至る」。
麦の穂が豊かに実り、収穫を迎えるころです。秋はたくさんの穀物の収穫時期にあたりますが、麦にとっての収穫時期は初夏。そのため、収穫時期を表す「秋」という字を使って、麦秋=麦の収穫時期という言葉になったのだそうです
この頃は衣替えの時期でもありますね。学生時代は6月に入ると冬服から夏服に変わって「もうそんな時期か」と感じていましたが、今では袷の着物から単衣の着物に変わることで季節を実感します
着物や帯だけでなく、和装時に持つ袋物や風呂敷、懐紙挟みに扇入れ、足袋入れから化粧ポーチなどの小物も絽で出来たものに変わり、簪なども珊瑚から翡翠でできたものに変わります。いつも6月最初の和装は準備にバタバタしています