8月31日(月)の市場概況です。
赤字部は1日朝の更新
◆日経先物:10450円(-80円)OSC53%(-7%)8月27日の62%から下落調整中。 指数値倍率:95(+1)
◆日経平均:10493円(-42円)OC51%(-10%)8月26日の63%から下落調整中。
日経平均指数値倍率:95(同値)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:965.73(-3.6)OSC52%(-10%)8月26日の63%から下落調整中。
◆マザーズ指数:448.52(-3.21)OSC44%(-9%)8月26日の58%から下落調整中。
◆ヘラクレス指数:635.84(-1.78)OSC57%(-10%)8月19日の54%からまだ切り返し中。
◆ドル・円:93.07円(56銭の円高)OSC46%(+1%)27日の44%からダイバージェンス強まる。
更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.3475%(前日比-0.01313%)8月28日現在。まだ金利低下中。
◆米10年債利回り:3.451%(-0.006%)-28日終値。
◆日経先物イーブニングセッション:10430円(大証終値比-20円)
◆シカゴ日経先物:10460円(円建て、大証終値比+10円)
更新
◆NYダウ:9496ドル(-48ドル)OSC59%(-1%)8月27日の65%より下落中。
更新
ご覧のように、ヘラクレス指数を除いては、8月27日がOSCの直近のピーク値でした。はっきりと下落モードへと突入した感じです。
反発体勢にあるのは、250銘柄の監視銘柄中、わずか2銘柄です。
(3626ITホールディングスと、4519中外製薬)
先週金曜日段階では25銘柄ほどありましたので、如何に今日は押されたかの証拠にはなりそうです。
スクリーニング条件は、①OSCが前日以上、②始値より終値が上、③安値が前日より上、④VR改が前日より下、の4つです。
後場は、このスクリーニングがより簡単に行えるよう、RSSの集計シートを作ることにほぼ専念しておりました。
従って、持ち越しはゼロです。
きちんと落ちきり、節目の数字、例えば、日経平均だと25日移動平均の10390円あたりで止まらないと、買いに迂闊に入るのは、落ちるナイフを素手で拾うことになりかねませんので注意が必要です。
下げたとはいえ、まだ各種指標は上向きですので、空売りするにしても、持ち越すと踏み上げを喰らいますので、まだまだ早いと思います。
-------1日朝のコメント-------
イギリスFT100はバンクホリディで休場。独・仏の市場は1%前後下落。ダウは0.5%の下落で終了しております。
原油は70ドル割れ。株式や原油が下げた分、米国債利回りは低下。
各国株式や原油の下げは、やはり中国の上海総合指数が、193ポイントも下げ、200週移動平均の2786ポイントを割り込み2668ポイントまで下げたことが影響しております。
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)の8月分は、予想を2ポイント上回る、2008年9月の55.9ポイント以来の中立水準回復の50ポイントとなるも、こうした好結果には市場は反応しなくなっております。逆に言うと、特定の悪い材料には反応している訳ですが、今はまだそれが中国の状況という訳ですね。中国がおかしくなると米国債の消化難が生じるとの見方から、景気指数の良化=ドル高とはならずに逆にドル安となっております。
このシカゴPMIの中での雇用指数は、今週末の雇用統計の前兆となるものですが、これは7月より3.4ポイント改善して38.7ポイントとしているものの絶対値はまだ低い状態。しかし、5月の25ポイントを今年のボトムとして、6月の28.9からは着実に向上し、1月の34.8ポイントを抜いての最高値です。
なお本来、ドル安傾向はドル・インデックスの推移がもっともよく物語っております。これの週足を見れば、株価との連動性もよく分かります。
基本の流れは、ドルインデックスの上昇=世界経済の悪化です。
ちなみにリーマンショックの前は、72ポイント程度で底バイ安定しておりました。そして今年3月、ダウの安値マーク時には89ポイント越えまで上昇。現在は78ポイント程度です。
つまり、世間の一般常識のドル安=ドル暴落=アメリカ売りとは、逆の流れなのです。確かに双子の赤字がドル安を招いておりましたが、その赤字分だけアメリカに資金が流れ込み世界の景気を良くしていた訳ですが、問題は、資金の流入が当時よりも細り、その分貿易赤字も減っておりますが、ドルインデックスは低下していることです。
これは、やはり過剰に投入されたドル資金が売られて、他国通貨に代えて投資されていることを明らかに示しております。
結果、不思議な現象が起きております。米国債の3ヶ月ものの金利0.15%と、筆者がずっと追っている3ヶ月ものLIBORの金利(0.35%)との差(TED Spreadと言います)が0.2%にまで縮小していることです。(共に28日現在)円の3ヶ月ものTIBORの金利(31日は0.54%程度)とは逆転しました。これはドルを売って円を買っても投機筋は儲かることを意味します。(その分、円高が進行)
少なくとも、これまでのアメリカの住宅バブルを裏で演出してきた、円のキャリートレードが、このLIBOR金利の逆転により、今度はドルのキャリートレードに変化していることを示しております。
TED Spreadの縮小は、その分手持ち資金で米国債を買う動機がなくなるはずですので、勢い、米ドルLIBORの低下で過剰になった余剰資金は、株式や原油などの商品に向かわざるを得ません。
こうして、ここでもドルの過剰流動性が、静かに世界の株式市場や商品市場の今般の上昇を、裏で大きく演出していることが見て取れますね。
ところで、日銀が量的緩和を解除したのが2006年3月です。その後ゼロ金利までも解除したのが2006年7月です。この引き締めが、円キャリートレードをエンジョイしていたヘッジファンドなどの金利負担を増やし(レバレッジを上げていた分、その影響が見かけよりもかなり大きかった。)、その後のバブル崩壊まで至ったことは知る人ぞ知る事実です。
この過去がある故に、いわゆる出口戦略を拙速に進める事に対しての警戒感がある訳ですね。
まあ、とにかくドル・インデックスや国債の金利、そしてLIBORの金利などの情勢が、実体経済に大きく関与していることは分かります。イールドカーブの変化も含めて監視を続けたいと思います。こうした金融の重要指標に異変が出ない限り、すぐに2番底に転落するようなことはないと思っております。
最後に、ドル・円は予想通りに一度92円台半ばまで突入しましたので、これで8月27日からのダイバージェンスが強まり、またRSIも18%→21%と反転しております。この傾向が続けば、今日は円安への揺り戻しがあるのではないでしょうか?