中日新聞の日曜版「おじさん図鑑」に「19歳の君に」というタイトルで、飛島圭介さんがエッセーを書かれていました。
今から八百四十二年前(一一八〇年)、十九歳の若者だった歌人・藤原定家は、日記「明月記」にこう記したー「世上乱逆追討、耳に満つといえども、これを注せず。紅旗征戎(こうきせいじゆう)わがことにあらず」。
意味は「世の中は乱れているが、日記には記さない。追討の戦争まで起こっているけど、オレの知ったことじゃないのだ」。
これに対する反応には大まかに分けて二つ。
①自分は時代の争乱にくみしたくない。
興奮や熱狂とは距離をおき、己の仕事に集中するため「わがことにあらず」を貫く。
②時代の争乱とは誰も無縁でいられない。
「わがことにあらず」の態度は無責任極まる。
コトには積極的に関わるべきだ。
定家の場合は、もちろん詩歌がイノチで、①の選択になった。
おじさんの若いときは、お調子者だったこともあって、②にまっしぐらだった。
どちらが正しいとか誤りだとかいう話ではない。
十九歳の春真っ盛りの今こそ、自分の人生をどの方向に向けるかの大切な時期なのだ。
①でも②でも、それぞれが己の誠実を尽くせばいい。
新年度の始まりに臨んで、おじさんが十九歳の君に贈る言葉だ。
以上です。
うちの長男孫も、まもなく十九歳になります。
この飛島圭介さんの贈る言葉のように、己の誠実を尽くして大学の勉学に勤しんで欲しいです。
恋を知らなくて、この歌で恋というものはどのようなものかを夢想していました。😁
布施明 恋