中日新聞の「くらしの作文」に「盥(たらい)で3代」というタイトルで、60歳の女性が投稿されていました。
昔は洗濯するのに欠かせないものだったけれど、洗濯機が普及したことで、家庭から姿を消してしまった盥。
その盥が我が家には残っている。
60年前に私の両親が買った金盥だ。
その盥を使い行水している写真に写っているのは、2歳になる私だ。
頭にタオルを巻き笑っている。
今から58年前の昭和40年の夏のことだ。
時代は平成になり、結婚した私に娘が生まれたのは平成5年。
その年の夏、7ヶ月になった娘を、私が使った盥で行水させてやった。
その時の写真の娘は、盥の縁に両手をかけ、不安そうな表情を浮かべて写っている。
そして時代は流れ、元号が令和と改まり、その娘が結婚して双子の男の子を産んだのが、一昨年の10月。
その孫が10ヶ月になった昨年の8月、私と娘が使った同じ盥で2人一緒に入れるには、ちょっと窮屈かもしれないと思ったけれど、行水をさせてやった。
その時の写真の2人の表情は「これは何?」というような顔をしている。
まさか時代を超え、3世代にわたって同じ盥で行水することができるなんて思ってもみなかった。
何だかとても嬉しい夏の出来事だった。
できることなら次の世代に送り、次の時代でも使ってほしいと思っている。
これも違った意味で「盥回し」だろうと、私は思っている。
以上です。
盥(たらい)って、こんなに難しい字を書くんだと思いました。
昔は夏になるとよく盥で行水しました。
いい大人の女性でも行水しました。
もちろん垣根はありますが、覗こうと思えば覗けるのに。
それでも当時の女性は、平気だったように思います。
時代が、のんびりしていましたね。
今は盥で行水するなんていう大人はいないでしょうね。
私も小学校低学年頃ぐらいしか経験していません。
そういえば投稿者さん宅は、赤ちゃんを盥で行水させていらっしゃいますね。
私のところは盥がなかったので、赤ちゃん用のベビーバス(プラスチック)を買って入院先から帰ってきた息子を入れました。
息子の両耳を水が入らないように片手で防ぎ、ベビーバスに入れるんですが、プラスチック製なので息子の身体が滑って流れそうになるので苦労しました。
盥があれば、その方が入れやすかったかも知れないですね。
銀の雨