中日新聞の報道より、転載させてもらいます。
↓以下、転載はじめ
米、日本にプルトニウム返還要求 核兵器50発分
【中日新聞】2014年1月26日

高速炉臨界実験装置の建屋=茨城県東海村(日本原子力研究開発機構提供)
核物質や原子力施設を防護・保全する「核セキュリティー」を重視するオバマ米政権が、日本政府に対し、
冷戦時代に、米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの、返還を求めていることが26日、分かった。
このプルトニウムは、茨城県東海村の高速炉臨界実験装置(FCA)で使う、核燃料用の約300キロ。
高濃度で、軍事利用に適した「兵器級プルトニウム」が大半を占め、単純計算で、核兵器40~50発分程度に相当する。
日本側ではこれまで、「高速炉の研究に必要」と、返還に反対する声も強かったが、
米国の度重なる要求に折れて、昨年から、日米間で、返還の可能性を探る協議が本格化している。
上の記事は兵器級プルトニウムについてですが、
これもまた、原子力施設と戦争が、密接につながっているものとして、ぜひ読んでいただきたいと思うので、
ラジオジャーナルで見つけた、『戦争と原発はつながっている』という小出氏のインタビューを、ここに続けて載せさせてもらいます。
西谷:
2月2日にですね、戦争と原発はつながっているということで、講演会をよろしくお願いします。
(→講演会情報はこちら)
小出さん:
ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
西谷:
日本では、戦争と原発は、別々に報道されているのですが……、
小出さん:
そうですね。
西谷:
実はこれはつながっているということを、まあ先生と私でやらしていただくということなんですけどね。
小出さん:
はい、ありがとうございます。
西谷さんがいて下さってうれしいです。
西谷:
このテーマに移らせていただく前に、
実はですね、1月7日に、日本原電が、青森県六ケ所村の再処理工場など4施設の安全審査を、原子力規制委員会に申請したということなんですが、
先生、これ、もう1回動かしたいということですか?
小出さん:
もちろんそうです。
日本というこの国では、今先ほど西谷さん仰って下さったように、
本当は、原子力と呼んでいるものと戦争はつながっているのですけれども、
政府、あるいはマスコミが、こぞって原子力は平和利用で戦争と関係ない、という宣伝をずっと流し続けてきたのですね。
しかし、もともと原子力というものは、核と同じものでして、
六ケ所村の再処理工場というのは、長崎原爆の材料だったプルトニウムというものを取り出すための、
ただただ、それを取り出す(ことを)唯一の目的にする工場なのです。
それを、何としても、日本の国が自前で動かしたい、ということを思ってきたわけですし、
その願いは決して捨てずに、これからもやる、という宣言をしたわけです。
西谷:
核燃料サイクルなんて破綻しているけれども、まだ、これを続ける、またそれを続けることで核兵器を潜在的に持ちたいという……、
小出さん:
そうです。
経済的にいえば、あまりに馬鹿げているということは分かっているわけですし、技術的にも大きな壁がたくさんあって、
もう20何回も、その計画を延期するというようなことになっていて、
当初の計画では、1997年だったと思いますが、本当であれば稼働するはずだったのに……。
西谷:
20年間で20回、失敗した。
小出さん:
そうです。
もう、話にならないほどデタラメな施設なわけですけれども、
日本の国というのは、核兵器を作るということを重要な目標にしていますので、どうしてもこれは諦めないということです。
西谷:
あの、本当にねえ、安倍内閣になって、安倍内閣は「あぶ内閣」とよく言われるんですが、
こんなことしたらまたね、テロの標的にもなるかもしれないし、一般の原発よりも、ものすごい量の放射能を出してしまうわけでしょ?
小出さん:
そうです。
1つの原子力発電所でまあ、たとえば核分裂するウランというのは、約1トンしか、1年間にですね、1トンしかありませんし、
使用済み燃料として取り出されるのは、1年ごとに約30トンなのですけれども、
青森県六ケ所村の再処理工場では、1年間に800トンもの使用済み燃料を、ドロドロに溶解して、その中からプルトニウムを取り出すという……。
西谷:
1年間に800トンも出るんですか。
小出さん:
そうです。
西谷:
これ動いたら、毎年これが出てくるということですよね。
小出さん:
そうです。
西谷:
絶対、止めないとだめですね、これはね。
小出さん:
はい、あの、原子力発電所が1年間で放出する放射能を、1日ごとに放出してしまうというほどの危険な工場ですので、
何としても止めたい、と私は思います。
西谷:
そうですね。
あの、私ね、イラクとかアフガニスタンで、劣化ウラン弾の被害をずっと追いかけているのですが……。
小出さん:
そうですね、ありがとうございます。
西谷:
原子力発電所がなければ、劣化ウラン弾なんて生まれないですよね?
小出さん:
まあ、米国、あるいはロシア等を含めてですね、核兵器保有国というところが、これまで大量に核兵器を作ったわけですが、
核兵器を作る時の副産物として、劣化ウランが出てくるのです。
ただし、そのことは、原子力発電をやろうという時もまったく同じでして、
原子力発電をやればやるだけ、劣化ウランというものが溜ってきてしまう、
そしてそれは、放射能を持った厄介なゴミでして、毒物で、毒性を消すことができないわけで、
核兵器保有国もみんな頭を抱えて、どうしたらいいかと悩んできたわけです。
ええ、米国としては、それのうまい解決法を見つけまして、
そんな厄介なものは敵地に捨ててきてしまえばいいと。
西谷:
リサイクルして弾に詰めて、イラクでやればいいと。
小出さん:
はい。
それで、敵国を傷つけながら、またそのゴミも始末ができるということで、
米国にとっては、大変都合のいいやり方を考え出したわけです。
西谷:
特にですね、安倍内閣でですね、武器を輸出したりとかですね、原発を輸出したりしていますので、
本当に戦争が、今までは平和憲法で守られてきたから大丈夫だろうと、何というか潜在意識があったんですけど、
若干、戦争の方に向かっていますんでね。
小出さん:
まさに戦争に向かっていると思います。
ジャーナリストの皆さんにとっても、たぶん深刻だと思いますが、特定秘密保護法もすでに成立させられてしまいましたし、
ますます戦争の時代に向かっているんだな、と私は思います。
↓以下、転載はじめ
米、日本にプルトニウム返還要求 核兵器50発分
【中日新聞】2014年1月26日

高速炉臨界実験装置の建屋=茨城県東海村(日本原子力研究開発機構提供)
核物質や原子力施設を防護・保全する「核セキュリティー」を重視するオバマ米政権が、日本政府に対し、
冷戦時代に、米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの、返還を求めていることが26日、分かった。
このプルトニウムは、茨城県東海村の高速炉臨界実験装置(FCA)で使う、核燃料用の約300キロ。
高濃度で、軍事利用に適した「兵器級プルトニウム」が大半を占め、単純計算で、核兵器40~50発分程度に相当する。
日本側ではこれまで、「高速炉の研究に必要」と、返還に反対する声も強かったが、
米国の度重なる要求に折れて、昨年から、日米間で、返還の可能性を探る協議が本格化している。
上の記事は兵器級プルトニウムについてですが、
これもまた、原子力施設と戦争が、密接につながっているものとして、ぜひ読んでいただきたいと思うので、
ラジオジャーナルで見つけた、『戦争と原発はつながっている』という小出氏のインタビューを、ここに続けて載せさせてもらいます。
西谷:
2月2日にですね、戦争と原発はつながっているということで、講演会をよろしくお願いします。
(→講演会情報はこちら)
小出さん:
ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
西谷:
日本では、戦争と原発は、別々に報道されているのですが……、
小出さん:
そうですね。
西谷:
実はこれはつながっているということを、まあ先生と私でやらしていただくということなんですけどね。
小出さん:
はい、ありがとうございます。
西谷さんがいて下さってうれしいです。
西谷:
このテーマに移らせていただく前に、
実はですね、1月7日に、日本原電が、青森県六ケ所村の再処理工場など4施設の安全審査を、原子力規制委員会に申請したということなんですが、
先生、これ、もう1回動かしたいということですか?
小出さん:
もちろんそうです。
日本というこの国では、今先ほど西谷さん仰って下さったように、
本当は、原子力と呼んでいるものと戦争はつながっているのですけれども、
政府、あるいはマスコミが、こぞって原子力は平和利用で戦争と関係ない、という宣伝をずっと流し続けてきたのですね。
しかし、もともと原子力というものは、核と同じものでして、
六ケ所村の再処理工場というのは、長崎原爆の材料だったプルトニウムというものを取り出すための、
ただただ、それを取り出す(ことを)唯一の目的にする工場なのです。
それを、何としても、日本の国が自前で動かしたい、ということを思ってきたわけですし、
その願いは決して捨てずに、これからもやる、という宣言をしたわけです。
西谷:
核燃料サイクルなんて破綻しているけれども、まだ、これを続ける、またそれを続けることで核兵器を潜在的に持ちたいという……、
小出さん:
そうです。
経済的にいえば、あまりに馬鹿げているということは分かっているわけですし、技術的にも大きな壁がたくさんあって、
もう20何回も、その計画を延期するというようなことになっていて、
当初の計画では、1997年だったと思いますが、本当であれば稼働するはずだったのに……。
西谷:
20年間で20回、失敗した。
小出さん:
そうです。
もう、話にならないほどデタラメな施設なわけですけれども、
日本の国というのは、核兵器を作るということを重要な目標にしていますので、どうしてもこれは諦めないということです。
西谷:
あの、本当にねえ、安倍内閣になって、安倍内閣は「あぶ内閣」とよく言われるんですが、
こんなことしたらまたね、テロの標的にもなるかもしれないし、一般の原発よりも、ものすごい量の放射能を出してしまうわけでしょ?
小出さん:
そうです。
1つの原子力発電所でまあ、たとえば核分裂するウランというのは、約1トンしか、1年間にですね、1トンしかありませんし、
使用済み燃料として取り出されるのは、1年ごとに約30トンなのですけれども、
青森県六ケ所村の再処理工場では、1年間に800トンもの使用済み燃料を、ドロドロに溶解して、その中からプルトニウムを取り出すという……。
西谷:
1年間に800トンも出るんですか。
小出さん:
そうです。
西谷:
これ動いたら、毎年これが出てくるということですよね。
小出さん:
そうです。
西谷:
絶対、止めないとだめですね、これはね。
小出さん:
はい、あの、原子力発電所が1年間で放出する放射能を、1日ごとに放出してしまうというほどの危険な工場ですので、
何としても止めたい、と私は思います。
西谷:
そうですね。
あの、私ね、イラクとかアフガニスタンで、劣化ウラン弾の被害をずっと追いかけているのですが……。
小出さん:
そうですね、ありがとうございます。
西谷:
原子力発電所がなければ、劣化ウラン弾なんて生まれないですよね?
小出さん:
まあ、米国、あるいはロシア等を含めてですね、核兵器保有国というところが、これまで大量に核兵器を作ったわけですが、
核兵器を作る時の副産物として、劣化ウランが出てくるのです。
ただし、そのことは、原子力発電をやろうという時もまったく同じでして、
原子力発電をやればやるだけ、劣化ウランというものが溜ってきてしまう、
そしてそれは、放射能を持った厄介なゴミでして、毒物で、毒性を消すことができないわけで、
核兵器保有国もみんな頭を抱えて、どうしたらいいかと悩んできたわけです。
ええ、米国としては、それのうまい解決法を見つけまして、
そんな厄介なものは敵地に捨ててきてしまえばいいと。
西谷:
リサイクルして弾に詰めて、イラクでやればいいと。
小出さん:
はい。
それで、敵国を傷つけながら、またそのゴミも始末ができるということで、
米国にとっては、大変都合のいいやり方を考え出したわけです。
西谷:
特にですね、安倍内閣でですね、武器を輸出したりとかですね、原発を輸出したりしていますので、
本当に戦争が、今までは平和憲法で守られてきたから大丈夫だろうと、何というか潜在意識があったんですけど、
若干、戦争の方に向かっていますんでね。
小出さん:
まさに戦争に向かっていると思います。
ジャーナリストの皆さんにとっても、たぶん深刻だと思いますが、特定秘密保護法もすでに成立させられてしまいましたし、
ますます戦争の時代に向かっているんだな、と私は思います。