ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

NHK会長、百田・長谷川両経営委員は、即時辞任しなさい。辞任するまでは受信料支払いを停止します!

2014年03月03日 | 日本とわたし
NHKの受信料を払っているみなさんへ

わたしは、今は日本で暮らしていませんが、
日本で暮らしていた時、月の終わりになると、擦り切れた畳の縁やたんすの引き出しの隅っこを探しても、5円として見つからなかったぐらいに大変だった時、
NHKの受信料を集金に来る人と、払う払わないで、何度ももめたことがありました。

米国人の相方には、どうしてもこの、受信料の義務が理解できなくて、支払わなくてはならないということを説明しても、わかってもらえませんでした。
こちらでも、NHKと同じような局があります。
一切のコマーシャルがなく、良質で偏りのない報道や、ドラマや芸術の優れた番組を放映しています。
この局が、年に何度か、二日三日かけて、募金してくださぁ~いと呼びかける時があります。
経営が立ち行かなくなりそうになると、いろんな募金活動を、あの手この手の工夫をしながらするのです。
どんな金額でもいいから、あなたがこれぐらいならと思うだけ、どうか我々が今後も良い番組を放送できるよう、募金してください。
そう言いながら、画面下の電話番号を指差したり、オウムのようにくり返します。
金額によって、”ありがとうプレゼント”が、少しずついい物になっていくのも楽しいです。
とにかく、みんな観ているであろう、ということを前提に募金を頼み、それを観た視聴者からのお金が、助けたいという気持ちと共に届く。
その自主的な支え合いが当たり前の相方には、このNHKの集金の仕組みが、どうしても解せないのでした。

今回、NHKが問題になっています。
いや、問題はもう、巷に溢れかえっているのですけれども、それをひとつひとつしっかりと考え、意見を言い、行動して整えていくためにも、
この件を機会に、『放送法』について調べ、知ってもらえたらと思います。

氷山の一角に過ぎないかもしれませんが、そうやって様々な角を、大勢の大人の手で滑らかにしていくことが、
結局は、国の在り方を正しい方向に整えることにつながると信じています。

↓以下、転載はじめ

NHK会長辞任求め、受信料支払い停止へ
【iAsia】2014年3月3日  

◇法律家グループ「籾井氏に資格なし。視聴者による是正要求だ」

「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」という就任記者会見での発言や、
10人の理事全員に、日付を空けた辞表を提出させていたことなどで、
強い批判を浴びているNHKの籾井勝人会長に対し、
法律家と研究者で作るグループが、受信料の支払いを停止することを決めた
期限は、籾井会長が辞任するまでで、週内にもNHKに通知する
辞任を求める世論が高まる籾井会長の「居座り」が、NHKの経営問題に発展する可能性が出てきた。(編集部)

受信料の支払い停止を決めたのは、弁護士の阪口徳雄さん、神戸学院大学大学院教授の上脇博之さんら10数名で結成した、「NHKを考える弁護士・研究者の会」
週内に、NHKに、「支払い停止」の通知書を送ることになった。

この通知書によると、籾井会長が、今年1月25日に行った会長就任会見で言った発言について、
個人的発言であっても取り返しのつかない、異常で不適切な発言であり、NHKの会長としての資質、能力、資格はないと言わざるを得ない」と批判。

また、その発言を、国会で撤回して謝罪した後に開かれた、NHKの経営委員会で、籾井会長が、
それでもなおかつ私は、大変な失言をしたのでしょうか」と発言した点などを、視聴者とNHKとの信頼を裏切るものだとしている。

更に、籾井会長が、理事10名全員に対して、日付のない辞表を提出させていた問題を、
新聞、民放テレビ各社が報じているにもかかわらず、NHKが一切伝えていない点について、
既に、NHK内で、会長の意向を忖度(そんたく)して番組を作る状況が生じており、放送内容が歪められている可能性がある、と指摘している。

受信料の支払いを停止することについては、NHK会長に対して、次のような通知を行うという。

「私たちは今まで、NHKは公平、公正、中立な報道を行うものと信頼し、受信料を支払ってきた。
貴殿の発言は、その前提となる、NHKと視聴者との間の信頼を裏切った。
その存立基盤を、貴殿は自ら破壊したのである。
もはや、公共放送の会長に貴殿が座り続けることを、視聴者として認めることはできない
NHKが、受信者から信頼を確保する道は、口先だけの謝罪、撤回ではなく、貴殿が辞任することしか残されていないと判断する。
視聴者は、制度上は、NHKの会長の「リコール権」を有していないが、
受信料を支払わないことによって、NHKにその是正請求をすることはできるし、そうせざるを得なくなった


受信料の支払いを停止する期間は、籾井会長が辞任するまでとしている。

NHKは、受信料の不払いについては、これまで、裁判所に提訴するなどして対応してきた。
これについて、グループの呼びかけ人の1人である阪口徳雄弁護士(大阪弁護士会)は、次のように話す。

「NHK側が提訴してくることは、十分覚悟している。
むしろ、裁判になって、公の場で、視聴者側の主張を展開したい。
それに対して、NHKの側がどのような反論をするのか、聴きたいというのが本音だ。

放送法は、NHKが、客観的に公正、公平、中立に報道することにより、国民の信頼を得て、初めて国民が受信料を払う関係に立つ、法的スキームになっている。
だから、既に起きているような、NHKが国民の信頼を喪失した時には、この根本関係が崩壊する

NHKの放送内容が、放送法に定める放送がなされないか、またなされない危険性がある場合は、
受信契約者は、NHKに対して、放送法に従った放送をなすまで、受信料を一時停止、又は保留する権利を有ると考えられるので、
その主張を、公開の法廷で言いたい。

そしてなぜ、このような放送法を、およそ理解できていない会長を選んだのか、会長を選んだ経営委員長を、法廷で尋問したい
また、会長の見解なども、法廷で尋問したい
私たちは、NHKに、一日も早くまっとうな公共放送に戻ってもらいたい
そのためには、籾井会長の辞任は不可欠だ。
当然、会長が辞任すれば、受信料の支払いは再開する」

 
一連の「籾井騒動」で、受信料の支払停止が顕在化するのは、今回が初めてとなる。
阪口弁護士によると、賛同者の輪は、関西から首都圏に広がっているという。
籾井会長問題は、NHKの経営の根幹を揺さぶる事態に発展する可能性が出てきた。

匿名を条件に、取材に応じたNHKのディレクターは、次のように話した。

NHKの中で、籾井さんを支えているのは、政財界にべったりの政治部と、経済部の記者くらいで、
圧倒的に多くの職員は、『早く辞めてくれ』というのが本音
だ。
ただ、出身母体の政治部をバックに、権勢を欲しいままにした海老沢勝二元会長も、受信料の不払い運動を機に辞任に追い込まれており
もし受信料の不払いが起これば、一挙に会長を変えようという動きになるだろう」

籾井会長は、騒動の発端となった1月25日に、NHKの社内誌のインタビューに応じ、次の様に話している。

「みなさんにお願いしたいのです。
コンプライアンスという言葉をよく聞かれるでしょ。
では、本当にコンプライアンスを意識しながら、業務に取り組んでいるのか、言葉で流しているところがあるのではないでしょうか。
コンプライアンスとは、不正を働かない、そういうことばかりではないんですよ。
放送法を守らない、これもコンプライアンス違反になるのです。
放送法はれっきとした法律ですから、守らなきゃいけない義務が我々にはある、ということなんです」

視聴者による受信料支払い停止という「異議申し立て」が始まったことは、NHK内部でも深刻に受け止められて、籾井会長の去就に影響する可能性がある。



そしてもう一方、同じく弁護士の澤藤統一郎氏が、辞職要求の手段を分かりやすく、氏のブログの記事に書かれています。
それを紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

籾井勝人NHK会長の辞職を要求する

本日午後「放送を語る会」が主催した「緊急集会NHKの危機 今、何が必要か~籾井会長発言が問いかけるもの」に参加した。
立錐の余地のない盛会。
最高のパネラー5氏を得て、実に充実した有益な集会だった。
もっとも、集会の盛会も、参加者の熱気も、時代の危機感の表れ。
喜んでよいのやら。

現状認識では、ほぼ共通の危機意識が確認できるが、さて、どう対応するか。
やや長期的には、公共放送についての制度的な改革の、国民運動の提起が必要であり、
短期的には、籾井会長辞任を求める要請運動が必要。
多くの運動や団体を横に連ねた、連帯をつくっての署名運動が提起されたが、それ以外でもできることから手を付けようと語られた。
また、最も影響の大きな視聴者の対抗手段として、「受信料支払いの留保」の提案について、複数の発言者があった。

まずは、直ちに誰にでもできる正攻法の手段として、NHKに意見を寄せよう
NHKの人事や報道姿勢についての意見の申立は、郵便・電話・メール・ファクスの4方法で可能。
つぎのURLを開くと、意見申立先の一覧が表示されている。
http://www.nhk.or.jp/css/communication/heartplaza.html

※ 郵便の場合   〒150-8001(住所記入不要)NHK放送センター ハートプラザ行
※ 電話の場合   0570-066-066(NHKふれあいセンター)あるいは、050-3786-5000
※ ファクスの場合 03-5453-4000
※ メールの場合  http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html に送信書式

これを存分に使って、NHKに、国民の声を届けよう。

当面大切な意見の内容は、
  
籾井勝人会長は即刻辞任せよ。
経営委員会は籾井勝人会長を罷免せよ。
百田尚樹・長谷川三千子両経営委員は即時辞任せよ。
経営委員会は、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任を勧告せよ。


という4点でよいのではないか。

私は、本日、下記の意見を送信した。
メールの書式では「400字まで」とされているので、冒頭部分だけとなった。
改めて、全文をファクス送信した。
長文は郵便かファクスで、ということになる。
なお、下記の内容は、「放送を語る会」のアピール文モデルに従ったものであることをお断りして、参考にしていただきたい。

 **********************************************************************
私は、以下の4点を強く要請いたします。

(1) 籾井勝人会長に対して、即時その職を辞任することを求めます。
(2) 経営委員会に対して、籾井勝人会長を罷免することを求めます。
(3) 経営委員である百田尚樹・長谷川三千子両氏に対して、即時その職を辞任することを求めます。
(4) 経営委員会にたいして、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任勧告することを求めます。

その理由は、以下のとおりです。
安倍晋三政権が、日本国憲法を強く嫌悪する立ち場から、
軍事・外交・教育などの諸分野で、これまでの保守政権とは明らかに異なる、国家主義的な統制色を露わにしていることを、憂慮せざるをえません。
その安倍政権が、マスメディアの国家主義的統制に乗り出したと考えざるを得ないできごとが、昨年の特定秘密保護法の制定であり、
そして、NHK経営陣に対する、「お友だち人事」にほかなりません。

安倍政権の露骨な「お友だち人事」の中で、その不適切さにおいて際立っているのが、
籾井勝人氏の会長人事と、百田尚樹・長谷川三千子両氏の経営委員人事です。
この3名については、不適切人事であることが明確である以上、速やかに職を辞していただくよう、強く要請いたします。

大きく話題となったとおり、籾井勝人NHK新会長は、1月25日の就任記者会見で、
「従軍慰安婦は戦争地域にはどこにでもあった」
「韓国は日本だけが強制連行したみたいなことを言うからややこしい」など、
問題発言を繰り返しました。
その見識の不足に、呆れはてるとともに、怒りを感じないではいられません。
この籾井発言は、放送に不偏不党を保障するとした、放送法の精神に違反しています。
籾井氏の、日本軍『慰安婦』に関する発言は、「狭義の強制はなかった」として、
河野談話の見直しを目指す安倍政権の主張と、軌を一にしています。
安倍首相が賛同者だった、米国での意見広告は、日本軍「慰安婦」は公娼制度のもとで行われたもの、と主張しましたが、
籾井発言は、この主張とも重なります。
籾井氏の会長就任は、安倍政権の意を受けての人事、と考えざるをえません。

また、同じ会見で、籾井氏は、
「政府が右と言うことを左と言うわけにいかない」
「(NHKの姿勢が)日本政府とかけ離れたものであってはならない」とも述ぺています。
しかし、NHKは、国営報道機関でも、国策報道機関でもありません。
政府から自立した公共放送機関として、本来、
「政府がなんと言おうと影響を受けることなく、NHKは真実を語る」と言わなければならないはずではありませんか。

さらに、同会見では、「現場の制作報道で、会長の意見と食い違う意見が出た場合、どう対応するか」という質問を受けて、籾井氏は、
「最終的に会長が決めるわけですから、私の了解を取ってもらわなくては困る」と回答しています。
結局は、安倍政権の考え方を代弁する人物が、その姿勢で、NHKの番組を統制することを公言したのです。
本来あるべき、NHKの自主自立・不偏不党のあり方を突き崩す、恐るべき事態というほかはありません。
このような会長の姿勢は、多様な思想信条に基づく番組制作を抑圧し、現場を委縮させ、その活力を奪う危険を持っています。

あまりにも不見識な発言をした人物が、NHKのトップにとどまることは、
NHKで働く人ぴとによって積み重ねられた、視聴者の信頼を掘り崩すものとならざるを得ません。
一刻も早い、自主的な辞任を求めます。

不適切極まりない会長を任命したことについては、経営委員会の責任も問われることが当然です。
会長への注意だけで済まそうとする経営委員会の姿勢には、とうてい納得できません。

放送法第55条では、経営委員会において、
「会長が、その職務の執行の任に堪えない、と認めるとき」、または、
「会長たるに適しない非行がある、と認めるとき」には、罷免することができると規定しています。
もし籾井氏が、自ら辞任しないときは、この規定にしたがって、経営委員会は会長を罷免すべきだと考え、このことを強く要請いたします。

百田尚樹氏は、先の都知事選挙で、自衛隊出身の田母神俊雄氏を応援し、『南京虐殺はなかった』などと演説しました。
また、田母神候補以外の候補を、『人間のクズ』などと攻撃しました。
氏の発言は、過去の戦争で、アジア諸国に多大な犠牲と痛苦を与えた、とする大多数の日本人の認識と異なり、アジア諸国の強い反発を招くものです。
すでに、在日米国大使館は、百田氏の一連の発言を『非常識』だとして、NHKの取材に難色を示したと伝えられています。
百田氏が経営委員にとどまることで、NHKの内外での業務に、支障が出る恐れがあることは重大です。

長谷川三千子氏は、朝日新聞本社でピストル自殺した、右翼運動家をたたえる追悼文を書いたことが、明らかになりました。
この姿勢は、異様と言わざるを得ません。
氏は、天皇が統治する「国体」を称揚し、主権在民を定めた現行憲法を、攻撃することでも知られています。
1月22日、参議院内で開かれた集会で、「私は安倍首相の応援団」と公言しました。

こうした二人の経営委員の言動は、放送に不偏不党を保障し、放送による表現の自由を確保する、という放送法の精神に抵触し、
国民の、NHKに対する信頼を損なう行為です。
両氏が経営委員であること自体が、放送の不偏不党にとって脅威となるものです。

このことは、経営委員にも思想信条の自由があるかどうか、という問題ではありません。
経営委員は、NHKの役員であり、その地位にある間は、定められた規範に従わねばなりません。
放送法に基く、「経営委員会委員の服務に関する準則」は、
「委員は、放送が公正、不偏不党な立場に立って、国民文化の向上と、健全な民主主義の発達に資するとともに、
国民に最大の効用と、福祉とをもたらすべき使命を負うものであることを自覚し、誠実にその職責を果たさなければならない」としています。
両氏はこの服務準則に、明らかに違反しています。

また、経営委員は、
「公共の福祉に関し、公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」から選ぶとする、放送法の規定から言っても、
適格な人物とは言えないことは明らかです。

以上の理由から、百田尚樹氏、長谷川三千子の両氏は、自らその職を辞するべきですし、
仮に、その意向がなければ、NHK経営委員会において、両氏に辞任を勧告するよう、強く要請いたします。

(2014年2月22日)
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一十百千万…汚染値を指折り数えるペラッペラの軽薄な『お勉強バカ』。それが東電の広報担当!ど~ん!

2014年03月03日 | 日本とわたし
前回の記事に載せた、汚染水100トンの漏えいに関しての東電の会見について、プラントで勤務しておられた幸雄さんが、こんな意見を述べておられました。
幸雄さんはいつも、こういった、なかなか分かりにくく、だからつい見落したり聞き逃してしまう大事なことを、とても分かり易く指摘してくださるので、とてもありがたいです。
みなさんもどうか、下記の文章を読んで、考えを新たにしたり、まとめたりしてください。

↓以下、転載はじめ

福島第一原発、H6エリアN-C1タンク汚染水100t漏えいに付いての詳細資料が、東電から規制委に上がっています
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/data/0011_01.pdf
 
気に入らないのは、杜撰な運転管理体制を棚に上げ、バルブ操作ミスの犯人捜しや、故意の妨害があったような文面が見られる事です。
妨害などの可能性が、全く無かったとは言い切れません。
 
しかし、最も大事な「なぜ起こったか?」「防ぐことはできなかったか?」
そして、「早期に対処して被害を軽減できなかったか?」などが、スコンと欠落しています
 
プラント勤務者は通常、機会ある毎に、「危険予知」や「安全衛生」に付いて学び、話し合う事が求められます。
しかし、悲しいかな、このような事故が起きた時には、再発防止の肥やしにするため
考えられる限り検証を行い、予防策を現場と管理で練り上げるのです。
そうしないと、小さな見落としや間違いから、自分や仲間の命を失う事も、あっという間に起こりうるのです。
原発の場合は、被害が施設では収まらず、周辺にも重大な被害をもたらすのですから、更に慎重でなくてはならないはずです。
 
あまり現場を責めることを、言いたくはないのですが、現場を統括する者がこのようなスタンスを保つ限り、同じようなトラブルがまた起こるでしょう。


↓そしてこれは、前回の記事に対する知見です。

まぁ、酷いです。
しかし、私はそもそも、当初(日隅さんが頑張っておられた頃)から、このデスク族の会見を、真に受けて聞いていません。
この会見にしても、写真に出ている当該バルブに付いて、「機能的な不具合があるのではと調査中」と言っています。
ですが、このバルブは、一見して電動弁ではない、人がハンドルを差し込んで開閉するタイプです。
手動バルブの機能不全ならば、弁体が壊れているか、異物が挟まっているか位しかありません。
事故後、このバルブは「閉」とされ、タンクレベルは上昇していないのですから、バルブは生きています。
これは、誰かが配管ラインを確認せずに、誤操作で開けたのです。
そして、移送元では、タンクレベルも確認しないまま、移送ポンプを運転し続けていた、それだけの事ですよ。
つまり、明らかにヒューマン・エラーです。
だから、この尾野氏は、そんな事も見て判らない机上の人か、知っていて人災を隠そうとしているか、のどちらかです。
しかし、隠蔽だとすれば、余りにもお粗末なので、彼は現場を知らないのだと思いますね。

私としては、如何に広報担当がペラッペラの軽薄な「お勉強バカ」か、判って頂ければ良いのです。
 彼らは、喋る内容や資料を吟味し、咀嚼していません。
100トン(4トントラック25台分!)の汚染水が漏れたと、シレッとした表情で言える神経は、並大抵ではないと思います。

「君は、自分の言っている意味が判っているのか?」と、言いたくなりますよね。
 
1トンは1,000キロです。
で、水1リットルが1キロですね。
そして彼は、最終的に、2億4,000万ベクレル/リットルの汚染濃度だと言いました。
つまり総量の概算は、2億4,000万ベクレル×1,000×100・・・気が遠くなります。
そんな酷い値でも、彼にとっては、指摘された後に指を折って数える程度の事なのです。
ALPSのトラブルの時にもお話しましたが、会見時の配布資料に付いてさえ、結構いい加減(記者連中は舐められています)な物が多いと思っています。
ですから私は、近い日付で、規制委に上げられている方の資料を見ています。
 
蛇足ですが、この「バルブ機能不全」については後日、人災であると、彼らも認めています



そして今日、さらに追加です。

ようやくやっと、東京新聞が東電の対応の拙さを指摘してくれました。

「東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ
【東京新聞】2014年2月27日

東京電力福島第一原発で、タンクから約100トンの処理水があふれた事故で、原子力規制委員会は26日、
事故は容易に防げたのに、安易な対応で事故が発生・拡大した背景には、東電の企業体質があるとみて、
事故時の対応マニュアルがどうなっているかなど、安全管理体制を詳しく調べる方針を決めた。 
(清水祐樹)
 
あふれた水は、原子炉を冷やした後の水で、放射性セシウムの大半は除去されているものの、
超高濃度の放射性ストロンチウムなどが残っている
同様の水が敷地内に34万トン超と、25メートルプールに換算すると、ざっと千杯分もある。
 
タンクに付いている三つの弁のうち、一つでも閉まり、弁をロックするなどしていれば、事故は起きなかった。
仮に起きたとしても、タンクの満水警報を受けてポンプを止め、本来の移送先タンクの水位が上がらないことに気づいていれば、漏水は最小限にとどまっていた。
 
しかし、東電は、そのいずれも怠った。
 
汚れた冷却水は、日々大量に発生し、タンク増設も簡単には進まないため、現場はぎりぎりのタンク運用を迫られている。
水位の警報が鳴っても、わざと警報を切って、さらに処理水を入れることも常態化しているといい、警報への反応が鈍っていた恐れもある。
 
この日の規制委会合で、委員からは、事故が起きたことよりも、事故が起きていることすら気づかず、大幅に対応が遅れたことへの批判が噴出
「あまりにも稚拙で、企業の体質、安全管理のあり方など、根深い問題がある」
「だれがミスをしたかではなく、なぜ警報が鳴っても適切に対応できないのか、その理由を調べることが大切だ」などの声が相次いだ。
 
規制委事務局は来週にも、東電から、事故対処マニュアルや安全管理体制について報告させ、再発防止策を検討する。

↓ここからは、幸雄さんのご意見。

更に言わせて貰えるならば、東電の想定が甘い――プラント管理のセンスが実に拙い、と言う事です。
 
今までも、ボルト組上げのタンク・汎用シール材施設の貯水槽・タンクエリアの堰高が30センチ…と、枚挙に暇がないのですが、
此処へ来て、私が顎を落としたのが、タンクの雨樋の落ちどころが堰の中ではなく、外側であると言う事。
 
昨日アップした投稿 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=290033507817480&id=100004324981204&stream_ref=10 にリンクをした資料 http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/data/0011_01.pdf の8ページにタンクの図が載っています。
 
プラント管理の基本的な視点から、今回のケースを見れば……。

① タンクのレベル計は、水位を表示するだけであって、ポンプの起動停止とは連動していない(高水位になってもポンプは自動停止しない)。
② ポンプ運転は、タンクレベル監視・移送配管の確認を厳密に行った後に、手動で行う(ヒューマンエラーの可能性あり)。
③ 天板に、目視点検用の点検口がある(高水位になった後、ポンプが停止しなければ、漏れる可能性がある)。

 
これらの事を考慮すれば、雨樋に汚染水が流れ込む可能性を、容易に想定できる事なのです。
 
「雨樋は雨水を受けるものである。堰内のゆとり容量を考慮して、雨水は堰の外に落とす」という発想は、
「メルトダウンはしないから、デブリ(溶融した炉心)キャッチャーは不要」に連なると、私は思います。

放射能を何としても閉じ込める、と言う命題を、東電はどのように思っているのでしょうか?
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